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冷たい空と暖かい太陽 − 旧・小説投稿所A

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冷たい空と暖かい太陽

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「うーー、冬の海はさむいなぁ……」

 海の塩気で少しカサカサしてきた毛をかまいながら、独り言を言っていると、遠くの方から、何かが近づいてくるのが見えた

「……あれかな?」

 ジッと目を凝らすと、少しずつ分かってきた

 体は、真っ白な羽毛の中に、時々銀色の羽がキラキラと光っていた

 目の辺りには、何やら青く、先の尖ったものがついている

 朝早く、月がまだあるお陰で、その月光に照らされるソイツは、なるほど、神と呼ばれても不思議はないような、神秘的なオーラが出ていた

 やがてその小さく見えていた体は、近づいて来るにしたがって、自分とはまるきり大きさの違う、堂々とした生き物に変わった

 “バサッ……バサッ”と大きな翼をはためかせながら、『神』は地面に降り立った

「あっ、おはようございます。ルギア様……ですよね? 今週は、私が貢ぎ物をお運びいたしますので、よろしくお願いします」

 堅苦しい挨拶をして、僕はペコッと頭を下げた

「そうか、今週はお前か……まぁ、よろしくな」

 『そんなことより、貢ぎ物を……』とでも言いたそうな口調で、僕はさらっと流された

「さて、貢ぎ物だが……」

「あっ、はい。これです。どうぞ!」

 僕は持ってきた木箱を差し出す。すると、ルギア様の眼が、少しばかり細められた

「……これだけ……か」

「も、申し訳ありません! 季節的にも、この量がお渡しできる最大の量なんです……」

 そう言うと、ルギア様の眼は、僕の方に向けられた
 自分の体はルギア様の眼の大きさぐらいであった。それぐらい大きな眼は、深い茶色で、とても澄んでいた

「しかし、これは少なすぎではないか? もう少し、どうにかならんのか?」

「うっ……ですが、これが本当にお渡しできる最大の量なんです……すいませんが、これ以上は……」

 大きな眼に睨まれ、僕はビクビクと怯えながら言った

 ルギア様が呼吸をする度に、生暖かい息が、僕の体に吹き付ける。下手したら、鼻息だけで吹き飛ばされるかもしれないと思った

「……そうか、まぁ、仕方がないな。無理を言ってすまなかったな」

 思ったより、すんなり済んだことにびっくりしたが、とにかく分かってもらえてよかったと、心からそう思った

「いえ、こちらこそ、期待に応えられなくてすいません……」

 額に嫌な汗をかきながら、僕は再び頭を下げた

「で、では。僕はこれで……」




<2011/07/20 22:49 ルカ>消しゴム
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