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夕立の日に − 旧・小説投稿所A

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夕立の日に

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「呑み込むか」

「う・・・やめ・・ろ・・・」

狼は徐々に顔を傾けてゆく

夕は狼の舌にしがみつき喉に落ちるのを防いでいた

だがそれは体力をそがれた夕にとって容易な事ではない

「う・・・くそ」

舌が唾液濡れていることもあって滑って掴みにくい

ズル・・・ズル・・・と音を立てて落ちていく

「往生際の悪い奴だな」

そう言うと狼は頭を激しく上下に振った

「うわっ!」

夕は大きく滑り落ち喉肉に突っ込む

そして

ゴクリ・・・

夕は飲み込まれた








「うわ・・あ・・ああ」

食道の肉に揉まれながらゆっくりと落ちていく

すると食道より少しだけ広い場所に出た

多分ここが胃だろう

胃は夕しか入っていない為かなり小さく縮んでおり、ぴったりと密着してくる

「はぁ・・・はぁ・・・」

荒い息をつきながら体力の無くなった体に鞭を打ち必死に胃壁叩く

「出せよ・・・出してくれよ」

胃壁はそんな夕の抵抗を優しく受け止めた

「はぁ・・・はぁ・・・苦しい・・・」

息苦しいが為に少しずつ抵抗が弱まってくる

「フフフ。私の糧になるがいい」

胃の中に狼の声が響いた

だがそれが夕の耳に届いたかは知らない

なぜなら彼は既に意識をなくしていたのだから・・・


















「うわああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

夕は目を覚まして飛び起きる

目に入ってきたのは…元居た神社の中の光景だった

「え…ここは…」

夕は辺りを見渡す

見えるのは鏡に引き込まれる前に見た神社の中の光景で、何ら変わった事はない

「夢…? 夢にしちゃ何かリアルだったけど…」

腕を見ても傷ついてないし、服も汚れてない

そうか。夢だったのか。多分疲れが溜まっていたので寝てしまったのだろうと夕はほっと息をついた

戸の格子から外を見ると夕立は既に止んでおり綺麗な夕焼けが見える

「帰るか」

立ち上がってリュックに本を入れるとそれを背負う

「うーん…」

大きく伸びをすると戸を開けて靴を履く

その時夕は気づいた

部屋の奥の鏡にあの少年の姿が映っていた事に











その後の夕の行動は早かった

鏡に映る少年が目に入った瞬間全力で走り出しそのまま家に到着

今日あった事を家族に言えるはずも無く普段どおりに飯食って風呂に入ったらすっかり夜になってしまった

今夕は部屋のベッドに横になっていた

「つ…疲れた」

神社から家まで12分間ずっと走っていたのだ。疲れて当然だった

「あれは本当だったのか…」

頭の中で巨大な狼に食われるシーンが何度も再生される

「信じられねぇ…あんな事があったなんて」

ぼそりと呟くがそれは空しく響いただけだった

「神様ねぇ…」

夕は今まで神様なんて存在はあまり信じてこなかったが本物の神様に出会ってしまったのだからその考えは改めたほうが良いかもしれない

「疲れたし寝るか」

明日は一学期の終業式なので夜更かししてても構わないのだが、今日はいろんな事があって疲れたので夕は寝る事にした

ベッドに横になっていたのでそのまま目を閉じると夕は2分とたたずに寝息を立て始めた



最近小説書く人が増えて賑やかで良いなあと思う今日この頃



アンケート

次に書く作品のアンケートを取りたいと思います

匿名でも良いので気軽に参加してください

@夕立の日にの続編

A新作

Bオリキャラ小説

C異世界の漂流者(これは書くか分かりません)

D書かないで欲しい

アンケートよろしくお願いします

作者はうつ病を患っているので書くのが遅くなるかもしれません
<2011/08/12 13:51 雪風>
消しゴム
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