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夕立の日に − 旧・小説投稿所A

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夕立の日に
− 鏡 −
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「うわ〜濡れちまう!」

家へと続く山道を高校1年生の狭霧 夕(さぎり ゆう)が走っていた

傘を持ってなかったのでいきなり降り出した夕立に、どうする事も出来ずひたすら家路を急いでいる

「ん?あ、神社だ」

横を見るとそこには木に囲まれたボロボロの神社があった

夕はこの前、引っ越してきたばかりなのでここに神社があると知らなくても無理はない

「どうしようかな・・・」

夕の考えは二つあった

一つはこのまま走って帰る事。もう一つは神社で雨宿りしていく事

このまま走ったら12分ぐらいで家に着くだろうが、全身びしょ濡れになり悪ければ鞄に入っている教科書も濡れてしまうかもしれない

「雨宿りしてくか・・・」

夕は神社で雨宿りしていく事にした












道から外れ、ちょっと伸びた草を踏みながら歩いていき20mぐらい先にある神社を目指す

「ふぅ・・・って駄目だな」

軒下に入ってはみたが、風も出てきたし雨足は強まる一方。ここに居ても雨に濡れてしまう

そうなると神社の中に入るしかない

よっと鞄を背負い直し正面へと向かう

「お、開いた開いた」

鍵が掛かっているかもしれないと思っていたのだが夕の心配とは裏腹に入口の戸は簡単に開いた

「おじゃましまーす」

神様なんて信じちゃいないが本当に居ると困るので一応言っておく

靴を脱いで中に入って見渡してみる

「中々広いな」

中は結構広く部屋の奥にはしめ縄と鏡が置いてあり神聖な場所という事を知らしめている

「さ〜て」

このままボーっとしててもいいのだが時間がもったいないので部屋の真ん中に座ると鞄から本を取り出した

本には「ライトノベルを書きたい人の本」と大きく書いてある

「作家志望者と作家の違いねぇ〜」

一人でぶつぶつ呟きながら黙々と読んでいく

ふと戸の格子から外の様子を覗くが雨はさらに激しさを増していた

「早く止まねーかな」

再び読書に戻ろうとしたその時




「フフフ。久々の人間だ♪」





「わっ!?」

いきなり声が響いた

当然の事ながら夕は驚きビクッと体を強張らせている

キョロキョロと辺りを見渡して見るが誰も居ない

(気のせい・・・じゃないよな・・・・・・)

本を置いてもう一度部屋を見渡して見る

左からゆっくりと見ていくと中央に置いてある鏡が目に入った

直径20cm位の円形をした鏡は中に正反対の世界を映し出している

「・・・・?」

夕はしばらく鏡を見ていたが、鏡に歩み寄った

「な〜んか変な感じするんだよな〜」

至近距離から鏡を覗き込む

「う〜ん・・・」

これと言ったへんな所もないのだが何か気になってしょうがない

簡単に言えば誰かに見られてるような気がするのだ

「まさか・・・ね」

もう一回部屋を見渡そうと後ろを向いた瞬間

「わあっ!」

突然鏡の中から何かが飛び出し夕の右手を掴んだ

「うわああああああ!!な、何だこれ!!?」

夕の手を掴んでいるもの。それは手だった

必死に手を振りほどこうとするが外れない

そればかりか手は強い力で引っ張ってくる・・・まるで鏡の中に引きずり込むかのように

「や、やめろ!!離せ!!」

少しずつ・・・少しずつ・・・鏡に夕の手先が近づいて来る

鏡に手先が触れようとした瞬間

するり・・・

「!!」

手先は鏡に触れることなく通り抜けた

「離せ!!こ、このやろう!!」

左手で掴んでいる手を引き離そうと躍起になるがそうしてる間にもゆっくりと引きずり込まれてゆく














「こっちの世界においで」













グイッ!

「うわあああああああああああああっ!!」

声が聞こえた瞬間さらに強く引っ張られ夕は鏡の中に引きずり込まれた



ああ・・・なんで私はうつ病に・・・何て思っててもしょうが無いので明るくいこうと思います!

挿絵・・・折角載せたのにつぶれてしまっている・・・


誰かうごメモをやってる人が居たらチャットをやりたいな〜と思っているのでコメでお願いします♪

<2011/07/24 16:51 雪風>
消しゴム
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