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幼さ故に − 旧・小説投稿所A

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幼さ故に

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「じゃあ、お先に失礼。お前もあんまし遅くなるなよ」

「分かってますよ。あと30分もしないうちに帰りますって」

研究室で残業していた二人の研究者のうち、一人が荷物をまとめると部屋から出ていった。
まだ10時を回ったぐらいなのに、今日はみんな早く帰っていくなぁ。
いつもなんか泊まり掛けでの残業も珍しくないのに。

「よし、誰もいなくなったな」

すると残った一人が携帯をいじり始めた。
家族にメールでも打ってるのかな。
オイラはそれくらいにしか思わなかった。
それから数分後、研究者はドアの方へ向かう。
研究者がドアの前に立つと、自動的に開いた。
そして研究室の中に三人の男が入ってくる。
あれ?見ない顔だな。
警察の人かな?
でもこんな時間に来るかな?

「おい、これどうやって運ぶんだ?」

男のうちの一人が研究者に聞いた。

「ここをこうやって切り離すんだよ。下にはローラーが付いてるから」

研究者はオイラが入ってるガラス容器を他の機械装置けら切り離してしまった。
えっ?ちょっとちょっと、何してるの?
確かこういうことをするときは平沢博士の許可が必要なハズなのに。

「ところで警備は無効化したんだろうな?」

今度は研究者が男たちに聞いた。

「安心しろ。ちゃんとしたさ。しかしここの警備体制はザルだな。とてもこんな化け物造るような施設とは思えねぇな」

さっきとは別の男がガラス容器をコンコンと叩く。
なんかこいつら変だぞ。
オイラは三人の男と研究者に対して疑念を抱く。
そして次の瞬間、オイラの疑念は確信へと変わった。

「コイツをブラックマーケットに売ったら、どれぐらいの金が手に入るんだろうな」

男はオイラを品定めするかのような目で見てきた。


<2011/07/11 21:16 とんこつ>消しゴム
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