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雷鳴の閃光 − 旧・小説投稿所A
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雷鳴の閃光

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黒雲が空に立ちこめ、視界が一気に暗くなる。
木々の生い茂る森が暗闇に支配された。
「ティ・・ナ・・にげ・・」
弦の切れた弓を片手に私はそいつを見上げた。
色鮮やかな碧の甲殻、鱗。
電気をため込む白い毛並み。
雷狼竜・・ジンオウガ。
私を含めた三人はクエスト終了間際に襲われ現状に至る。
ガルア先輩はその強靱な前肢に踏みつぶされ圧死。そのうえその脚下には大量の血痕。
ガリド先輩はその角に防具ごと腹部を貫かれ。その体は電気で灼かれると言う拷問紛いを受けていた。
経験も技術もない私はただ固まってしまい、その場から動けないでいた。
血の気のない蒼白のガリド先輩が私を見据え、そう訴えている。
「テ、ティナ!逃げろぉ!」
それで私は固まる体に鞭を打ち、身を翻す。
ガルア先輩は駄目だけど、ガリド先輩なら助けられる。
その可能性を見捨てて・・・仲間を見捨てて自分だけが助かろうとする。私は罪悪感に襲われた。
引き返したい。だけど・・・それでは私も先輩もきっと死ぬ。だから先輩は自分の命う犠牲に私を・・
「がぁぁぁぁっ!?」
先輩の悲痛な悲鳴。罪悪感に染まる私には耐えられない。
思わず足を止め、もう一度身を翻し・・・
「っあぁあぁぁぁぁああ!!」
ジンオウガが貪るように先輩の体から防具ごと肉を喰い千切っていた。
腕はすでに喰われたらしく、腿も防具、肉は無く姿を露わにする骨と大量の血液。
「ぁあ・・はっ・・はっ・・ひふぃ・・」
その光景は私に釘を刺すのには十分だった。
腰が完全に砕け、逃げる事も忘れ、その場にへたりこんでしまった。
その口元は深紅に染め上げられ、殻の付いた肉が喉を鳴らせていた。
「せっ、先輩っ・・」
筋や腱が牙と顎によって引き千切られ耳を塞ぎたくなるような生々しい音を響かせた。
ーグルルルッー
先輩に飽きたのか、ジンオウガは私に向かって歩を進める
逃げなければ・・これでは私も ー殺されるー
「く、来るなっ」
弦の切れた使いものにならなくなった弓を投げつける。
それは顔面に直撃するもジンオウガは歩を止めない。
「あぅっ・・」
被さるように私を押し倒し、雷狼竜の息吹が顔に吹き付けられた。
生暖かく、血なまぐさい。
雷を纏っているからなのか皮膚がピリピリした。
「人間・・・女・・?」
「っ・・は?」


<2011/05/13 23:12 セイル>消しゴム
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