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【保】敵討ち − 旧・小説投稿所A

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【保】敵討ち

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※グロテスク表現ありです。

――城の外

城の裏口に一台の馬車が止まっていた。

「王様、大魔導師様、こちらです」

裏口から出てきた二人組の男女を、馬車の横で待機していた兵士が案内した。

「早く出せ!」

「かしこまりま――、わぁあぁーッ!!」

突如城壁が吹き飛び、護衛の兵士たちは壊滅した。

「あ、ああ……!」

ポッカリと開いた大穴から出てきたのは、復讐に燃える竜となった少女。
その漆黒の体が、炎に照らされて不気味に映える。
少女は目の前にいた馬を鷲掴みにすると、そのまま口の中に放り込んでしまった。
そしてそのままムシャムシャと食べ始めてしまったではないか。
馬を踊り食いする様子を間近で見せ付けられた王は放心状態となる。

「これはこれは、王様に大魔導師様ではありませんか。お二人とも仲がよろしいのですねぇ」

口元にベットリと馬の血を付けた状態で少女はニヤリと笑って一歩近づく。

「く、来るなぁあぁーーッ!!」

我に返った王様は懐から護身用のリボルバーを取り出し、黒竜に向かって撃ち始めた。
しかし竜の堅牢な鱗に拳銃ごときで歯が立つわけもなく、あっという間に弾切れとなる。

「フフ、じゃあ次はこっちの番ですね!」

少女は二人に飛び掛かった。
しかしあともう少しで届くというところで見えない何かに弾かれてしまった。

「な、何だこれは!?」

「それは結界よ」

それまで黙っていた大魔導師が口を開いた。

「一体あなたがどこの誰だか知らないけど、私に挑むとは良い度胸じゃない」

大魔導師は不敵な笑みを浮かべると、呪文を唱えだした。


すると空からいくつもの雷が少女に降り注いだ。

「グガァアアァァーーッ!!」

少女は悲鳴をあげ、その場に倒れ伏せた。

「いくら竜と言えども、これを食らえばすぐには動けない。王、今のうちに逃げましょう」

「お、おお。さすがは大魔導師殿、そなたは頼りになるな」

二人はうずくまる竜から遠ざかるように逃げ出した。
が、10メートルも進まないうちに二人は見えない何かにぶつかった。

「な、何だこれは!?」

「対人用の結界だ」

道の脇にある茂みから一人の少女が出てきた。
そう、あの召喚士の少女の姿をした黒竜である。

「貴様は何者だ!?」

「そうだな、さしずめ『ゴースト』といったところか」

「ゴースト?一体何の!?」

「あの竜を見れば分かりそうなもんだがな。だったら自分の胸に聞いてみられてはいかがかな?あんな竜を使役できるような人間なんて限られてるからすぐ分かるだろうに」

少女の姿をした黒竜の言葉を聞いた大魔導師の顔が一瞬で真っ青になる。

「ま、まさか召喚士……!」

それまで比較的冷静だった大魔導師だが、顔を真っ青にして後退りする。

「頼む、許してくれ!私は大魔導師殿に言われたことを命令しただけなんだ」

王はちゃっかり全責任を大魔導師に擦り付ける形で許しを請おうとする。

「私に言われても困る。私はこの召喚士の少女と体を入れ換えているんだ。だから許しを請うならこっちに言ってくれ」

黒竜は王たちの背後を指差した。



<2011/12/09 22:21 とんこつ>消しゴム
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