第三十五章「カオス」
(記:ケイジさん)
そのころである。ここで舞台はアメリカに。アメリカの大統領が、ある病院を視察していた。
その病院は、普通の病院なのだが、いやに血生臭い臭いと、例えるなら怪物のような生き物の気配を感じた。
大統領はここの院長らしき男に尋ねた。
「君、アルティメットシイングは順調に製造できているかね」
「いえ、まだ死刑囚の数が足りず実験の成功率も低いため、まだ十分な数ではありません」
「そうか…… 君、どんな手を使ってもいい。とにかく、アルティメットシイングをどんどん製造してくれ。私も全面的に協力する」
「そこまで急ぐ必要は無いのでは?」
「いや、昨日連絡が入った。世界の先進国はほとんどがアルティメットシイングを多かれ少なかれ、保有している。我々は
どの国よりも早くこの「兵器」の数を増やし戦闘用にコントロール出来る様にしなければ」
そう、世界の先進国のほとんどがアルティメットシイングを保有している。つまり、この事実が行きつく先は、
昔の様な生易しいものではない、地獄の様な戦争が待っている。
そして、そうなった時、未来はどうなるか? 決まっている。未来の世界はカオスと化す。そう、野比セワシが変えようとしたカオスな世界へ。