第十八章
「協力者」
(記:ケイジさん)
セワシは武器を手に構え、穴の中の道を進んでいった。秘密道具が使えないとはいえ、俺はそこいらにわんさかいる軍人
くずれに負けない自信はある。大丈夫だーそう俺は確信したのだ。
近藤さん、俺をあの時拾ってくれてありがとうございます。と、もう一回そう思った。まあ、別に生き残りなら誰でも良かったのかもしれない。
それでも、俺の近藤さんに対する感謝の気持ちは消えない。
「近藤さん……みんな……やっと……やっと!」
とりあえず、情報収集のため情報部に行くことにした。だが地図を見ると情報部はここから遠い。リスクを負う作戦はしない方がいい。
俺が最後の希望なのだから。と言う事で、手術の日にち延期の作戦のみをこなすことにした。
「よし、やるか!」
セワシは眠気覚ましのためにまたガラスの破片で自らを刺した。セワシは、この二発目で眠気を吹き飛ばすと地図を
手に進んでいった。
もう、全員宿舎にもどったのだろう、セワシが警戒していても誰も来ない。
「これなら楽勝だ」
そして、すんなりと手術室の前まで来れた。しかし、ここからは警戒しなければいけない。
「よし、誰も来ないな」
セワシの作戦は全てうまく進んでいた。だが。
「ぐっ! 痛え」
二回も刺したのが祟ったのだろう、少し体に痛みが生じた。
しかし、今はそんな事を気にしている場合ではない。セワシは手術室に突入する。
何か変な装置がある以外は、通常の病院の様な手術室何ら変わりは無い。それこそ22世紀の手術室の様に。
何故だ?1943年にこんな技術があるわけない。セワシはそこで核心を突くような答えを導き出す。
「22世紀の人間が協力しているのではないか」
セワシはそう言ったとたん他のそれを裏ずける考えまでも導き出した。どうやら頭はいいようだ。
「それなら、秘密道具対策の妨害電波を発生させれた理由になる」
だが、おかしい。なら、なんでこのレベルの警戒態勢なんだ?
セワシの中でいろいろな考えが浮かんでは消える。