第十三章
「もう戻れない」
(記:ケイジさん)
「くそがああああああ」
その敵兵は錯乱した様子で、叫び続けた。そして、何を血迷ったか爆発に突っ込み飲み込まれていった。
そして、そこには生存者が0となった。そのころ、ケーブルー野比セワシーはタイムマシンで四次元空間に入っていた。
「近藤さん……一之瀬さん……半田さん……尾崎さん……」
セワシは、自分のために死んだ仲間達を思い出し、泣いた。その中には、尾崎哲也の子孫、尾崎雄介もいた。
しかし、今は悲しみに浸っている時間は無い。セワシは、四次元空間の出口に差し掛かっていた。
「ここが出口か……過去に戻れるとは信じられないな」
セワシはその言葉を発した瞬間何か気配を感じた。第六感という奴だろう。
「!!」
そこには、敵兵のロボットらしき物が何体も出現した。
「くそ! 念のためにロボを備えていやがった……フン、だがな」
ロボは無機質な電子音声でこう言った。
「キサマ、ナンダソノカチホコッタメハ?」
「俺はもう戻れないんだよ。22世紀にも、今俺が進んで来た道にも戻れないんだよ!!」
そして、一呼吸置いてからセワシはこう言った。
「俺の後ろに道は無い……俺は前へ進むしかないんだよ!!」
「貴様ら、潰す!!」
セワシは、仲間が死んだと言う苦悩をかなぐり捨てた。そして、セワシの目は、何かを決意した様な目をしていた。
ロボは無機質な音声でこうとだけ言った。
「ツブス」