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『…あ、くうっいい…はぁぁ…ッ!』
 もう、恥も醜聞も無くなっていた。容赦無く突上げる指のピストンにラダマンティスは腰を突き出し、自ら奥へ誘うように動かすが、途端に指は焦らすように浅く入り口をくすぐり回す。それでも不意に身体を高潮のように恍惚が込み上げて来る。
 それを察知すると、また指が引き抜かれた。
 粘液質な音とともに香油だか体液だか良く解らないものが糸を引いて肛門から滴り落ちる。臀部に押し当てられたままの熱くて固いイチモツを無性に銜えたくなる。直ぐの位置にあるのに入れられなくて酷くもどかしい。
 気が付けば尻を揺すってそこに求愛するみたいに擦り付けていた。
『んぁぁ…、はぁっ…』
 唾液塗れの吐息とともに、汗か涙か涎か区別の付かない液体が顎を伝った。
ラダマンティスの腰が砕けそうになるところを、カノンが無理矢理立たせる。既にラダマンティスの腕に力が入らなくなっているので羽交い締めの状態にされていた。
 また、サガの指が突き込まれた。掻き乱しながら、奥までくすぐって来る。
 こうなると自分から腰を浮かせてそれを導いていた。だんだんイクまでの間隔が短くなるし、イキそうになると、直ぐに抜かれる。

 これがこの双子の最も好むところとする”お仕置き”だった。何らかのペナルティーを冒すと、必ずこれらの寸止め行為でラダマンティスをのたうち回らせて弄んだ。
 幾度もイキそうになっては遠ざけられ、根元を強く掴まれて射精することも出来ず、生殺しのような状態が続く。こうされるとラダマンティスは既に前後不覚の状態でただこの双子達に身体を差し出すしか無かった。
 『なかなか堪えるな』カノンが囁く。そう言う彼のイチモツはずっと興奮に熱く張り詰めている。サガも、
『精々堪えることだ。そして身体で思い知るが良い、一体誰がお前の主であるかを』
 また、粘液質な音とともに指が根元まで収まる。ラダマンティスはそれだけで身体を痙攣させ、また唾液に塗れた喘ぎを上げた。
 指は責め苛むように性感帯を責めたかと思うと、はたとやめて焦らし続け、それでもイキそうになるとまた引き抜かれる。双子はそうやって焦らされた彼の反応を見て楽しんでいた。        

 そして、幾度めかの生殺しでラダマンティスはやっと降伏の音を上げた。
 『…イカせて…』そう言う状態になった彼は興奮の余り正常な判断力を失っていた。視界が真っ赤に明滅して、その上充血した眼から熱い涙が止めどなく滑り落ちる。全身が熱くて、皮膚の毛細血管に血が漲っている感覚すらした。
『…イカせて下さい…。もう、我慢できない…イカせて…』
 これは、完全なる降伏だった。
 どれだけ虚勢を張って抵抗しても、この段で必ず降伏をさせられた。
 ここで下手に楯突いてこの双子の逆鱗に触れると、更なる仕置きをくわえられることぐらい今までの経験で分かっていた。
 最初の頃、全く屈さず双子を罵ってその逆鱗に触れ、挙げ句に尿道に管を詰め込まれた時の恐怖と屈辱を思い出して尿道が少し疼いた。
 そうして、身も心もこの双子に調教されていくのだ。
 降伏の言葉をサガは冷然とした態度で聞いていた。
 そして、定例の言葉を返した。
 『どのようにして、どうイカせて欲しいのだ?』           

 『………』ラダマンティスは声にならない呻きを上げた。
 一応、この訴え方の形式は一番最初に言い渡されている。
 彼等はごく機械的にその形式しか受け入れず、それ以外の言い回しは撥ね付けていた。
 『答えろ』サガがそう促すと同時に羽交い締めにしていたカノンが腕の力を抜いて縛めを解いた。ラダマンティスの顔は羞恥のあまり耳まで朱に染まっていた。屈辱の為か感極まったのか良く解らない涙が零れる。
 そして、おずおずと片足を持ち上げると片手を股間に突っ込んで、今まで散々指で弄ばれて脹れて充血した粘膜を、自分の指で押し拡げた。
『…ここの穴にペニスを挿れて、奥まで突上げてイカせて下さい…』
 これを言わされているだけで気がどうにかなりそうだった。
 これらの言葉がどれだけこの双子に性的興奮を与えていることか。目の前で屹立させているイチモツと、臀部に突き当たっている同じものがその哀願の言葉を聞いて妖しげに痙攣する。
 これが、この双子の言うところの”使用可能”の状態だった。物理的に穴を解すだけではない、前後不覚になって自分から求める状態にまで追い込むのだ。

 『良く言った…』サガは嬉しそうに眼を眇めた。
 『可愛い子だ…』まるで小動物をあやすみたいに頭を撫でながら、もう片手で自分のイチモツにたっぷりと香油を塗りたくった。そして、ラダマンティスの腰を抱え上げる。
 ラダマンティスもまた、導くように腰を浮かせた。そのように躾けられていたからだ。
 熱く充血した襞に、ペニスの先が当たった。挿入時に引っ掛からないように、しっかりと入り口を拡げておくのが役目だ。
『…良い子だ。褒美に、お前の望み通りに奥まで突いてイカせてやろう』
 サガに腰を抱えられると、それがめりめりと入り口を滑りながら潜った。
 そして、抵抗を覚えない角度から滑らかに中へと入り込んだ。

       

『くうぁぁ…、ひああああッ…!』
 それは、苦痛か快楽か分からない悲鳴だった。イチモツが狭い腸壁を割って体内の奥深くにまで入り込む感覚に、身体を仰け反らせた。
 今まで散々焦らされた辺りを侵入と同時に強く擦られ、その圧迫感からか、堪りきったものがペニスの先から弾けた。 『あああっ…、くああああ…、あわうぅ…!』
 身体が死にかけの魚みたいに間隔を置いて痙攣する。聞くに堪えない情けの無い悲鳴を上げながら、ラダマンティスは視線を宙にさまよわせた。視界が明滅し、天井の明かりだけがぼんやりと広がる。
 その充血した視界の間近に、サガの紺碧の双眸が迫った。
『…もうイッたのか…?まだ半分しか挿れてないぞ』
 その残り半分が押し込まれた。またラダマンティスは身体を仰け反らせ、今度は内部を幾度も痙攣させた。
 充血した肉が絡み付いて来る感触に、サガは心底気持が良さそうに目を細めた。
 挿入していてこの感触が一番好きだからだ。絶頂時の痙攣で、心地良く締め上げてくれる。これが味わいたいが為にこいつを幾度も追い上げては焦らしていた。
 根元まで突き込んで奥まで痙攣を味わった後は、今度は激しく動かし始めた。
 また違う刺激に、ラダマンティスは身体を捩らせて絞り出すような悲鳴を上げて仰け反る。

『あっ、かあっは…ああ、…ああ、またイクゥ…』
 また、身体を細かく震わせる。内部も緊張したかのように引き締まって、細かく震えていた。ペニスのオルガズムは一瞬だったが、こっちでイカされるとその状態が長く続くことがあった。
 後ろから羽交い締めにしているカノンは吐息を荒げながら細かく震えるラダマンティスの身体に抱き着いていた。
『こいつ、イキまくっているな…。…良いな、オレも早くぶち込みたい。早くオレと代われ。我慢できない』
 湿った皮膚のぶつかり合う猥雑な音が室内に響く。下から突上げられる振動にラダマンティスの首輪が上下し、更に鑑札も跳ね上がって哀れな金属音を立てていた。
『…フ、急かすな…。まずはこいつの中でイカせろ…』
 更に律動が早くなり、まるで尾てい骨と恥骨を擦り合わせかねない程の獣じみた動作の後、サガは微かな呻きと共にラダマンティスの体内へと精液を放った。
 痙攣とともに腹の奥が熱くなるのを感じて、ラダマンティスはまた呻きを上げた。
『私が出したのが分かるのか…?可愛い奴だ』
 それで先ずは解放してもらえた。体積を失ったイチモツが肉の狭間から抜かれて行く。
 ラダマンティスは自分の肛門に虚脱感を覚えたが、まもなくそこは熱く漲ったもので満たされた。

お次はカノンだ。

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