アンサンブル

ジェロエン・ビリエ/19世紀ホルン作品集
CD(Phaedra DDD92065)

1.リエラント/ホルン・ソナタ ホ長調Op18
2.メンガル/ロマンス〜ホルン協奏曲第1番より
3.ゴーセ/アレグレット
4.ジュール・ビュショップ/狩〜4本のホルン、
     トランペットとオフィクレイドのための
5.ヘンドリック・ワールプト/ロマンス
6.メンガル/ホルンとピアノためのデュオ第6番
7.オーギュスト・デュポン/間奏曲〜バルカローレ
8.リエラント/夏の夕べ〜ホルン五重奏のための

ジェロエン・ビリエ(ヴァルブホルン)(1、3、5、7&8)
    〃     (ナチュラルホルン)(2、4&6)
メンガル・アンサンブル(4&8)
ヤン・ハウレブルク(ピアノ)(1〜3&5〜7)
     〃     (オフィクレイド)(4)
  録音 2010年3月22〜25日

 ベルギーのホルン奏者ジェロエン・ビリエにとメンガル・アンサンブルによる珍しい作品のアルバムです。ここではクルトワのナチュラルホルンとウィルソンのダブルホルンを使用しています。
 ヨーゼフ・リエラント(1870〜1965)のホルン・ソナタは1897年の作品。2つの楽章からなり、第1楽章「レント、アンダンテ・レリジオーソ」は穏やかに始まりアンダンテでホルンが吹く雄大な響きはホルンの素晴らしさを感じます。第2楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」は狩のホルンのように軽快なホルンで始まります。雄大な風景を彷彿させる作品です。
 マルティン・ヨゼフ・メンガル(1784〜1851)の「ロマンス」はホルン協奏曲第1番の中の第2楽章「ロマンス」をシャルル・ハウレブルクがホルンとピアノのために編曲したものです。大変魅力的な作品です。ビリエはナチュラルホルンを吹いていますが大変きれいなホルンです。ハンドストップもきれいな響きを出しています。
 セルジュ・ゴーセ(1866〜1914頃)の「アレグレット」はリエージュ王立音楽院のホルン教授マチュー・ルジュヌに献呈された小品です。狩のホルン様式で書かれていて楽しい作品です。 
 ジュール・ビュショップ(1810〜1896)の「狩」は4本のホルン、トランペットとオフィクレイドのために書かれています。オフィクレイドとはサキソフォンのように曲げられてキーのついた金管楽器です。この作品は「狩のための前奏曲」と「狩への出発」を表現したような小品です。
 ヘンドリック・ワールプト(1845〜1885)の「ロマンス」はホルンとオーケストラのための作品をオスカー・レールがホルンとピアノのために編曲したものです。ビリエはヴァルブホルンで演奏しています。優雅な音楽といえそうな作品で、この作品はオーケストラ版でも聴いてみたいものです。
 メンガルの「ホルンとピアノためのデュオ第6番」は7つの曲で構成されています。長大な前奏曲「アレグレット・グラツィオーソ」、主題と4つの変奏曲とフィナーレになります。この作品はナチュラルホルンで演奏しています。これも見事な演奏です。
 オーギュスト・デュポン(1829〜1890)の「間奏曲〜バルカローレ」は8分を超える作品でホルンとピアノのための作品としてはシューマンの「アダージョとアレグロ」のようにたくさん演奏されても良い作品です。主題の美しさとピアノの響き、雄大なホルンらしさということありません。
 リエラントの「夏の夕べ」はホルン五重奏のための作品です。5本のホルンによるアンサンブルです。夏の気だるさをホルンで表す見事な作品です。アンコール作品にはうってつけでしょう。


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