J・S・バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番

ヨアヒム・ベンシュ&ディートマル・ウルリヒ(2000)
CD(TACET TACET S 101)

バッハ/ブランデンブルク協奏曲全集
CD1
1.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
2.      〃       第2番へ長調BWV1047
3.      〃       第3番ト長調BWV1048
CD2
4.ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調BWV1049
5.      〃       第5番ニ長調BWV1050
6.      〃      第6番変ロ長調BWV1051

 ベンジャミン・ハドソン(ヴァイオリン)(1、4&5)
       〃     (ヴィオラ)(6)
 ヨアヒム・ベンシュ(ホルン)(1)
 ディートマル・ウルリヒ(ホルン)(1)
 ユリア・ストレベル=ベンシュ(オーボエ)(1&2)
 ザーラ・ヴァインビール(オーボエ)(1)
 ダーヴィト・シュトルンク(オーボエ)(1)
 クリストフ・バウムブッシュ(ファゴット)(1)
 ラインホルト・フリードリヒ(トランペット)(2)
 アンドレアス・シュミット(フルート)(2&4)
 ナターリエ・シュヴァーベ(フルート)(4&5)
 ロバート・オルドウィンクル(チェンバロ)(1〜6)
 林 徹也(ヴィオラ)(6)
 シュトゥットガルト室内管弦楽団
   録音2000年
 
 ベンジャミン・ハドソンのヴァイオリンでシュトゥットガルト室内管弦楽団が演奏したブランデンブルク協奏曲全集です。
 ブランデンブルク協奏曲第1番は冒頭から、やや速めのテンポでさわやかな演奏です。2つのホルンと3本のオーボエがとてもきれいです。これは2つのホルンのための協奏曲のように華やかな響きです。オーケストラもよい響きです。第2楽章はユリアのオーボエの美しい響きとハドソンのヴァイオリンの響きが大変きれいです。素晴らしい演奏です。第3楽章は2本のホルンと3本のオーボエがきれいに響きます。ヨアヒム・ベンシュとディートマル・ウルリヒのホルンが素晴らしい響きです。ヴァイオリンのソロもきれいです。第4楽章のメヌエットは程よいテンポです。第1トリオは3本のオーボエとファゴットが素晴らしい響きです。ポロネーズは程よいテンポでさわやかに演奏しています。弾むようなリズムは鮮やかな演奏です。第2トリオのホルンとオーボエはやや速めのテンポで、ホルンは装飾音も入る大変素晴らしい演奏です。ホルンがきれいに響きます。このメヌエットは素晴らしい演奏です。

 ブランデンブルク協奏曲第2番は第1楽章からラインホルト・フリードリヒのトランペットが大変きれいに響きます。ユリア・ストレベル=ベンシュのオーボエとフリードリヒのトランペットの対話が素晴らしい。アンドレアス・シュミットのフルートもきれいに響きます。第2楽章はヴァイオリンとオーボエ、フルートのトリオが大変きれいです。通奏低音もよく響きます。第3楽章ではトランペットの高域の音が飛び交いますので華やかです。フリードリヒのトランペットは大変素晴らしい演奏です。フルート、ヴァイオリンとオーボエの響きもまたきれいです。

 ブランデンブルク協奏曲第3番は程よいテンポの第1楽章は弦楽の美しさがあります。素晴らしい響きです。第2楽章のアダージョはヴァイオリンの短いカデンツァが入ります。そして弦楽が重なって終わります。第3楽章のアレグロは緻密な演奏の弦楽が素晴らしいです。これは見事な演奏です。

 ブランデンブルク協奏曲第4番は2本のフルートで演奏しています。第1楽章はヴァイオリンの響きもまたきれいです。アンドレアス・シュミットとナターリエ・シュヴァーベのフルートの響きは実に美しいものです。第2楽章は冒頭のフルートと弦楽がよい響きです。ハドソンのヴァイオリンも良い響きを出しています。第3楽章の冒頭はフーガですが、このシュトゥットガルト室内管弦楽団の演奏はさすがに素晴らしいものになっています。フルートとヴァイオリンのソロも見事な演奏です。

 ブランデンブルク協奏曲第5番は弦楽の爽やかな序奏とフルート、ヴァイオリン、チェンバロが演奏するバッハの代表的な協奏曲のひとつです。第1楽章はナターリエ・シュヴァーベのフルート、ベンジャミン・ハドソンのヴァイオリンとロバート・オルドウィンクルのチェンバロの素晴らしい演奏が聞かれます。後半のチェンバロ・ソロも見事なものです。第5番はここが聞きどころです。第2楽章はチェンバロ、フルートとヴァイオリンのトリオ・ソナタがきれいです。チェンバロのメロディもまた聴きものです。通奏低音は入りません。第3楽章の跳ねるようなリズムはヴァイオリンとフルートの息の合った演奏が聴きどころでしょう。オルドウィンクルのチェンバロもこれはきれいな演奏です。見事な演奏です。

 ブランデンブルク協奏曲第6番はヴィオラ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロ、コントラバスとチェンバロだけによるいわば中低音楽器だけによる演奏ですが、ヴィオラ・ダ・ガンバは使われていないようです。ベンジャミン・ハドソンはヴィオラを弾いています。第1楽章はヴィオラとチェロが主役でシンコペーションの主題が交錯しますが緻密で素晴らしい演奏になっています。勢いがあります。第2楽章はヴィオラとチェロが優雅に演奏します。通奏低音もよい響きです。第3楽章は全合奏でフーガのように追いかけてゆく主題が繰り返されています。程よいテンポでこれも素晴らしい演奏です。


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