J・S・バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番

ロンドン・フェステヴァル管弦楽団(1995)

CD1(ARTE NOVA BVCC-6002)
CD2(ARTE NOVA BVCC-6003)

バッハ/ブランデンブルク協奏曲全集
CD1
1.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
2.      〃       第2番ヘ長調BWV1047
3       〃       第3番ト長調BWV1048
CD2
4.ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調BWV1049
5.      〃       第5番ニ長調BWV1050
6.      〃      第6番変ロ長調BWV1051

 マルコム・メシター(オーボエ)(1&2)
 スティ−ヴン・スミス(ヴァイオリン)(1&2)
 マーク・ベネット(トランペット)(2)
 アンナ・パイン(フルート)(2&5)
 フィオナ・ハウエス(フルート)(4)
 エドワード・ベケット(フルート)(4)
 サラ・ジェーン・ブラッドリー(ヴィオラ)(6)
 マリーナ・アッシャーソン(ヴィオラ)(6)
 マーク・レヴィー(ヴィオラ・ダ・ガンバ)(6)
 キャサリン・フィンニス(ヴィオラ・ダ・ガンバ)(6)
 マリリン・サンソン(チェロ)
 マイケル・フレイハン(チェンバロ)
 ロス・ポプル指揮
  ロンドン・フェステヴァル管弦楽団
   録音 1995年12月6&7日(1、2&6)
       1995年10月8&9日(3〜5)

 ロス・ポプル指揮ロンドン・フェステヴァル管弦楽団によるブランデンブルク協奏曲全集です。
 ブランデンブルク協奏曲第1番はやや速めのテンポの第1楽章が勢いのあるもので2本のホルンと3本のオーボエのバランスもよく流麗な演奏です。ホルンのソリスト名は書かれていませんので、首席奏者によるものと思われます。流麗なホルンの演奏は素晴らしい響きです。ヴァイオリンのソロもきれいな演奏です。第2楽章はメシターのオーボエの美しい響きとスティ−ヴン・スミスのヴァイオリンの響きがきれいです。第3楽章は2本のホルンと3本のオーボエがきれいに響きます。英国のホルンのテクニックの良さが素晴らしいです。ヴァイオリンのソロもきれいです。第4楽章のメヌエットはやや速めのテンポで始まります。第1トリオのオーボエとファゴットはやや速めのテンポですが響きが素晴らしい。中間部のポロネーズはやや速めのテンポで演奏しています。鮮やかな響きです。第2トリオのホルンとオーボエの部分は程よいテンポで丁寧に演奏しています。明るい響きで見事な演奏です。これは素晴らしい演奏です。

 ブランデンブルク協奏曲第2番はマーク・ベネットのピッコロ・トランペットとマルコム・メシターのオーボエの響きが素晴らしい。アンナ・パインのフルートもきれいな響きです。第2楽章はヴァイオリンとオーボエ、フルートのトリオ・ソナタのようになりますが大変素晴らしい演奏です。通奏低音もよく響きます。第3楽章ではトランペットの高域の音が素晴らしい。オーボエやフルート、ヴァイオリンも良い響きです。これは素晴らしい演奏です。
 
 ブランデンブルク協奏曲第3番は弦楽合奏の整然としたアンサンブルが聞かれます。響きが明るくきれいな演奏です。第2楽章のアダージョはヴァイオリンとチェンバロの短いソナタが入り弦楽が入って終わる演奏です。第3楽章のアレグロは弦楽の緻密な演奏が素晴らしい。ロス・ポプルの指揮が素晴らしい演奏です。

 ブランデンブルク協奏曲第4番は2本のフルートで演奏しています。ヴァイオリンの響きもまたきれいです。フィオナ・ハウエスとエドワード・ベケットのフルートの響きは実に美しいものです。第2楽章は冒頭の弦楽がよい響きです。フルートとスミスのヴァイオリンも良い響きを出しています。第3楽章の冒頭はフーガですが、この演奏はさすがに素晴らしいものになっています。ヴァイオリンも見事な演奏です。これは名演奏です。

 ブランデンブルク協奏曲第5番は弦楽の爽やかな序奏とフルート、ヴァイオリン、チェンバロが演奏するバッハの代表的な協奏曲のひとつです。アンナ・パインのフルート、スティ−ヴン・スミスのヴァイオリンとマイケル・フレイハンのチェンバロの素晴らしい演奏が聞かれます。後半のチェンバロのカデンツァも見事なものです。第2楽章はチェンバロとフルートとヴァイオリンのトリオ・ソナタがきれいです。チェンバロのメロディもまたきれいな響きです。通奏低音のチェロは入りません。第3楽章の跳ねるようなリズムはヴァイオリンとフルートの息の合った演奏が素晴らしいです。チェンバロもこれはきれいな演奏です。

 ブランデンブルク協奏曲第6番はヴィオラ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロ、コントラバスとチェンバロだけによるいわば中低音楽器だけによる演奏です。第1楽章はヴィオラとガンバが主役でシンコペーションの主題が交錯しますが、速めのテンポで勢いのある素晴らしい演奏になっています。第2楽章はガンバが抜けてヴィオラとチェロが優雅に演奏します。第3楽章は全合奏でフーガのように追いかけてゆく主題が繰り返されています。程よいテンポでこれも素晴らしい演奏です。名演です。


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