その他のホルン作品

ホルンとエレクトロニクスのための音楽/ジョシュア・ミカル(2017-2020)
CD(MSR MS1727)

ホルンとエレクトロニクスのための新しい音楽
1.オギルヴィー/ゼロ・ポイント〜ホルンと
      マルチ・エフェクト・ペダルのための
2.オリヴェイロ/トールの門〜ホルンと
           エレクトロニクスのための
3.レーン/永続的な軌跡〜ホルン、ヴァイオリンと
         エレクトロニクスのための
4.グリーン/ホルンと
     バッキング・トラックのための音楽
5.マッキア/エクフラシス〜ホルンと
         エレクトロニクスのための

 ジョシュア・ミカル(ホルン)
 アリソン・ミカル(ヴァイオリン)(3)
 ジェイザー・ジャイルズ(エレクトロニクス)(5)
 録音 2017年12月13日(1)
     2019年3月7日(2)
     2018年8月21日(3)
     2020年1月9&10日(4)
     2018年6月20&21日(5)

 ホルンと電子的に加工した音響のための音楽です。ホルンのジョシュア・ミカルはアメリカのホルン奏者。アイスランド・フィルハーモニーとハートフォード交響楽団のメンバーです。新しい音楽の初演に意欲的だそうです。
 タイラー・オギルヴィー(1983〜)の「ゼロ・ポイント」はホルンとマルチ・エフェクト・ペダルのための作品です。この作品はホルンの音を電子的に加工した音がホルンのようで、多重録音したようにホルン・アンサンブルのようにも聞こえます。エコーを使って二重奏のような響きも聞こえます。
 マーク・オリヴェイロ(1983〜)の「トールの門」はホルンとエレクトロニクスのための作品です。ホルンのソロとエレクトロサウンドによります。この作品はホルンの雄大な響きを感じさせます。鐘の響きやピアノの低い音のような響きも聞こえます。壮大な音楽になっています。
 ピーター・ヴァン・ザント・レーン(1985〜)の「永続的な軌跡」はホルン、ヴァイオリンとエレクトロニクスのための作品です。ヴァイオリンが細やかなフレーズを演奏すると、それを強調するようなサウンドが響きます。ホルンは細やかなソロを楽しそうに歌います。エレクトロサウンドは時にはパーカッションのような響きも出しています。このトリオは面白いです。ヴァイオリンはソロというよりは伴奏楽器になっています。
 ゴードン・グリーン(1960〜)の「ホルンとバッキング・トラックのための音楽」は4つの楽章になっています。第1楽章「序奏」は穏やかに始まり、ホルンは多重録音のようになっています。エレクトロサウンドはオルガンのような響きに聞こえます。第2楽章「コラール」もホルンは多重録音でよいアンサンブルです。穏やかな主題が流れます。第3楽章「ダンス」はピアノとキーボードをバックにホルンが楽しそうに演奏しています。第4楽章「ソング」はピアノに始まり、ホルンが歌います。抒情的な主題です。ピアノがカラオケとは思えないです。
 サルヴァトーレ・マッキア(1947〜)の「エクフラシス」はホルンとエレクトロニクスのための作品です。冒頭からホルンの多彩な響きが聴かれます。多重録音のようです。エレクトロサウンドがホルンのように聞こえているのかもしれません。ホルンの太い音が深遠に響きます。やがてオルガンのような響きも聞こえてきます。このエレクトロサウンドとホルンが重なるのも面白いです。それにしてもジョシュア・ミカルのホルン・テクニックは素晴らしいです。


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