『燃え上がれあたしの小宇宙!』03

-PM13:46- 5時間目の授業中 虹浦町 虹浦中学校 校庭内倉庫  埃っぽい倉庫のなか、木束とコスモは1週間ほど後に控えた球技大会の準備のために各 種目で使う備品を確認していた。 「三角コーンとリレーバトン、それに障害物レース用のネットはあるな。コスモ、そっち はどうだ?」 「はい、クラス対抗戦で使う縄跳びの大きい分がこの棚の奥にあるみたいなんですけど、 ちょっと手が届かなくて」  出入り口の反対側にある様々な体操用具が収めれられた棚の最上段にコスモが手を伸ば していた。その姿はいつもと様子が違っていた。  どうやら身長を伸び縮みさせる機械でもって、木束と同じ程度に体型を変えたようだ。 小さな体に不釣合いだった乳房が背の高さに合わせているせいか、サッカーボール並の大 きさになっていた。 「でも、わざわざ背を伸ばす必要があったのか?」 「宇宙船に乗ってばかりで運動不足じゃないかって委員長さんが言ってくれたから、こう して運動するのに便利な体にしたんですよ」 「確かに元の体であんなデカいものぶら下げてたら、バランス悪くてすぐこけるか」  とはいえ、背を高くしても身長と胸の比率は変わってないのであまり意味がなかった。 小首を傾げながら木束は探し物をしているコスモを見ていると、どうやら巨乳が棚に引っ かかって邪魔をしているらしく、目当ての物を掴み損ねているようだ。  それなら何かで引っかけてたぐり寄せればいいと思うが、必死な様子のコスモが微笑ま しくて木束は黙っていた。  それにしてもコスモが精いっぱい手を伸ばすたびに体と棚に胸が押し潰され、つま先立 ちすると桃尻が引き締まって形を変える様はそそるものがあった。  元々コスモの体型が大人と比べても上回っていることはわかっていたが、こうして身長 が一般的な人のサイズになると余計に体のラインを際立たせているのが目に見えてわかる。 「デカけりゃいいってもんじゃねーけどよ」  木束自身は依然として止まらない胸の成長を持て余しているために、今のコスモを羨ま しいとは思わない。だが、普段の倍以上の大きさはある尻が目の前で揺れていては、悪戯 心が首をもたげても仕方がないと木束は自分に言い聞かせた。そして、コスモに気づかれ ないよう静かに近づくと、おもむろに紺色のブルマに包まれた尻肉を揉み上げた。 「ひゃあっ! な、何するんですか!」  戸惑いの声を上げるコスモを無視して、木束は両手指の神経を集中させる。指の間から こぼれ落ちそうな圧倒的な重量感に思わずため息が漏れた。 「はぁ……何つーか、凄いなこれ」 「やめてくださいよー! どうして委員長さんはそういうことばかりするんですか!?」  コスモは涙声になりながら何とかして木束から逃れようとするが、ちょうど棚の2段目 あたりに足をかけているせいで思い切った身動きができない。  その間にも木束は愛撫を緩めることなく、よりいっそう動きを強めた。思うさまに手の 中で柔肉の感触を味わっているうちに興奮で胸が熱くなった。 「あ……ヤバイ。何か変な気分になってきたぜ。コスモ……エロイな……」 「だめ! だめですー! 落ち着いてください! もー、最近の委員長さんはえっちすぎ ですよ!」  確かにお互いの体を求める関係になってから歯止めがきかなくなっている気はする。家 では親の目を、学校では生徒や教師たちの目を盗んでコスモと淫行に及ぶことが多くなっ たのは確かだ。 「やっぱりこういうのはダメだよなあ。マズイよなあ。バレたらいくらこの学校でも停学 なんてこともあるかもしれねーな」 「そ、そう思うなら早くやめください! や……んんっ、ブルマの中に手を入れたらダメ ですー!」  眉根を寄せて苦悩の表情を浮かべながらも、直に尻の感触を味わい始める木束は台詞と 行動が一致していない。頭の片隅に危機感はあるものの、愛撫をやめようという気にはな れなかった。 「こんな揉み応えのある尻を目の前にして手を出さないなんて、あたしには出来ないぜ?」 「知りませんよ! 委員長さんのえっち、ばか、へんたいー!」 「そんな言い方はねーだろ。気に入らねーんなら、あたしはこうやってケツを持ち上げて コスモを手伝ってるってことでいいよ。これなら見つかっても言い訳が立つだろ」 「絶対うそですー! だったら何でそんないやらしい触り方をしてるんですか!」  いい加減なことばかり口走る木束にコスモは腹を立てながらも、実際に臀部を押し上げ られると、ちょうど指先が探していた縄跳びを掴んだ。 「あ! やった! 取れましたよってあわわわわっ!?」 「お、おい、危ねーだろ! うぁああああ!!」  引っかけていたつま先が棚を踏み外したせいで、コスモはバランスを失って後ろ向きに 倒れこんだ。いきなりのことにその体を支える暇もなく木束も巻き込まれ、派手な音を立 てコスモともども崩れ落ちた。  幸いなことに倒れた先は棒高跳びに使われるマットが敷いてあったおかげで怪我をせず に済んだが、 「コスモ……っ! ぷあっ、く、苦しいから早くどけって……ぐぅ」  木束は体操服をせり上げるほどのコスモの巨乳に顔面を押し潰されて、息も絶え絶えに 喘ぐはめになった。感触そのものは最高級の枕に顔を埋めているように心地いいが、あま りの圧迫感に天国と地獄を同時に味合わされた。  肝心のコスモは倒れた拍子に縄跳びが全身に絡まってしまい、思うように身動きがとれ なくてわめき散らしている。 「んぁっ! 縄が食い込んで、やっ……きついです。委員長さん何とかしてくださいー!」  それなら先にコスモからどいてくれと木束は言いたかったが、完全に顔を塞がれて呼吸 すらままならない。そのうち頭が朦朧としてくると、このままコスモの胸に抱かれながら 意識を失ってもある意味幸せな気がしてきた。  だが、世の中はそううまくいかないらしい。誰かがこの倉庫の扉を開けようとする音が 聞こえた。 (ま、まずい!)  木束は焦った。服を乱して、緊縛プレイよろしく縄跳びを体に巻きつかせているコスモ に押し倒されたこの状況は、どう言いつくろっても他人を納得させるのは難しそうだ。  この学校は生徒から教師まで非常識な人間ばかりが集まっているだけに、どう説明して いいのか思いつかなかった。案外あっさりと理解を得られそうな気もするし、誤解が生じ て大事になりそうな気もする。 (ダメだ! そんなことを考えてる場合じゃねー!)  木束は力を込めてコスモを押しのけると、取り乱した彼女を無理やり抱きかかえて、棚 の右隣に置いてある巨大なロッカーに隠れた。中の用具は球技大会に使用するのか、その ほとんどが外に出されていて、人がふたり入っても多少身動きがとれる程度の余裕がある。  そして、最後に木束がロッカーのドアを閉めるのとほぼ同時に倉庫の出入り口が開け放 たれた。 「委員長いるー?」  誰何の声に木束はロッカーのドアについた細長い隙間から倉庫内を覗くと、出入り口に 三角頭巾をつけた少女が空中に浮いていた。あれは神代だ。幽霊だけあって普段は透けて いたが、今は扉を開けるために実体化しているのか遠目でもはっきりと見えた。  さらにその後ろに春日崎がいた。いつも何らかの動物霊に憑依されているが、今は犬の 霊に乗り移っているようだ。黒髪の間から犬の耳を生やし、ブルマに開いた穴から尻尾を 伸ばしていた。  どうやらふたりとも木束たちを探しに来たようだ。この倉庫に来てからどれくらいの時 間が経ったのかわからないが、様子を見に来る者がいるほど長居していたのは確からしい。 (どうするんですか!? 出られなくなっちゃいましたよ!)  いつの間にか平静に戻ったコスモが小声で話しかけてきた。木束と同じようにして覗き 穴から外の様子を見ているおかげで状況はわかっているようだ。  だが、縄跳びを絡ませた体が窮屈なのか、コスモが身動きすると揉み合いになった。 (バカ、押すなよ! 気づかれるだろ!) (だって苦しいんですよ! いい加減ほどいてくださいー!)  暴れるコスモを正面で向かい合って抱きしめるようにして押さえつけたが、今さら外に 出るわけにもいかず、木束たちはロッカーの中で息を潜めているしかない。とりあえず倉 庫内の様子を窺うと、 「委員長たち、どこに行ったんだろ?」  神代が倉庫を見渡して訝しげな表情を浮かべていた。さすがに木束たちが人目を避けて 隠れているなどとは思いもよらないようだ。 (頼むからそのまま出て行ってくれ……!)  そんな木束の願いもむなしく、神代たちは倉庫の中へ入ってきた。 「おかしいなー。委員長がコスモちゃんと一緒にここに入っていったの見てたんだけど、 何でいないんだろうね?」 「わう?」 「小梅ちゃんも倉庫の前で吠えるから絶対いると思ったのにね。せっかく委員長のタオル を借りて匂いをたどってもらったのに外れちゃったかなー」 「わんわん!」  はた目から見ると会話が成立しているのか判断がつかないが、長年の付き合いだけあ って神代と春日崎はきちんと意思の疎通を図れているようだ。  しかし、幽霊少女と犬の霊に憑依された少女の会話を聞いて木束の顔が青ざめた。 (ウソだろ!? タオルって、あれのことかよ!)  神代は知るよしもないことだったが、春日崎に匂いを嗅がせたタオルには木束の愛液が 染み込んでいた。それはトイレでコスモに責められて濡れた下半身をふき取ってついたも のだ。さらに愛液だけではなく汗も充分に染みていた。  そんな濃厚な匂いを犬に憑かれて嗅覚が鋭くなっている春日崎が嗅いでしまえば、どう なるかは日の目を見るよりも明らかだった。 (み、見てください委員長さん! 何か春日崎さんがおかしいですよ!?)  思わずコスモは大声を漏らしそうになった。何しろいきなり春日崎が出入り口付近に整 頓されていたハードルをまたいで、何度も何度も局部を擦りつけて悶え始めたのだ。 「わんっ……わぅっ、んっ……はっ、はっ」  木束たちを探してこの倉庫までたどり着いたが、フェロモンめいた淫靡な匂いにあてら れたせいで体が疼いて仕方がなかったようだ。ついに春日崎は動物的な本能に耐えられな くなり、発情してしまった。 「はふっ、はふ……っ、くぅ〜ん」  人の声でありながら人ではない喘ぎが低くこもり、がむしゃらに腰を振るしかしない獣 の自慰行為は果てしなく続くように思えた。最初は乾いていたハードルが春日崎の股から 染み出た愛液で湿り気を帯びて、滑りをよくしている。  そんな春日崎の乱れように唖然としていた神代が我に返ると、慌てて止めに入った。 「ダメだよ小梅ちゃん! 何やってるの!?」  腕を引っ張って春日崎をハードルから引き離そうとするが、太ももで強く挟み込んでい るせいでまったく動かなかった。それどころか、春日崎が邪魔をされたことに腹を立てた のか噛みつかんばかりに吠えるありさまだ。  その様子を遠目で見ていたコスモは、神代たちが自分たちを探すどころではなくなった ことに安堵しながらも、彼女たちのことが心配になってきた。 (い、委員長さん、神代さんを手伝ったほうがよくありませんか?) (今さら出ていけるわけねーだろ。それより……もうちょっと様子を見てよーぜ)  そう言って何故か熱い吐息を漏らすと、木束は興味深そうに神代たちを見つめた。  その間にもロッカーの外で事態が急変していた。春日崎が先ほどまで木束たちが乗って いたマットの上に神城を押し倒したのだ。そして、犬の尻尾を振りながら神城の首筋や口 の周りを無茶苦茶に舐めまわしている。 「やっ、こらぁ……ダメだってばぁ。ん、小梅ちゃん……あっ!」  艶めいた声音に気をよくしたのか、春日崎は体を反転させて神代の脚にとりついた。ほ どよく引き締まったその健脚こそが、神代のもっとも感じる部分であることを本能で察し ていた。 「やだやだやだっ! そこはダメー! はぁああああん!」  太ももから足首まで念入りに舐められ、春日崎に脚のつけ根を甘噛みされた瞬間、神代 はあられもない声で叫んだ。  (神代さんたちすごいです……。ああいうことするのって、私たちだけじゃないんですね)  コスモは他人の行為を見ることで、いかに自分たちが淫らでいやらしいことをしている のか思い知ったようだ。  さらに今まで聞いたことのない神代の喘ぎ声に心臓が高鳴った。午前中までに複数回も 絶頂に達したというのにまた性欲がわいてくる。コスモはそんな自分を浅ましく思いなが らも、体が火照るのを抑えられなかった。  自然と指先が体の疼く部分を求め始めるが、相変わらず縄に縛られて手首から先までし か動かすことができない。そのもどかしさに胸の奥で欲望の炎がくすぶり続けた。    ふと気がつくと、木束が頬を赤くさせて息を荒くしていた。薄暗がりのなか、潤んだ瞳 と濡れた唇が妖しく光るのを見て、コスモは木束もまた欲情しているのだと悟った。  よくよく見れば木束は神代たちの痴態に合わせて己の肉体を指を這わせていた。  春日崎がその股間を神代の顔に押しつけて嬌声を上げれば、木束もまたブルマ越しに割 れ目を擦り立てる。狭い空間の中で繰り返し起こるかすかな水音がいやらしく聞こえた。 (委員長さん、ひとりだけずるいですー!) (はっ……んっ……! あ、あんなの見せられたら仕方ねーだろぉ……)  そんな態度が許せなくてコスモは無理やり体を押しつけると、すっかり尖ってしまった 乳首を木束のそれと突き合わせた。 (んふ……んっ、んん!)  喘ぎ声を外に漏らさないよう必死にこらえながらコスモは巨乳を擦り寄せると、木束も また背中に手を回して密着してきた。  そのままふたりして大きな音を立てることを避けて、静かに、しかし確実にお互いの性 感帯を刺激し続けながら、神代たちの様子に目を向けた。 「やっ……あっ、あっ! イヤだよぅ……。こんなの誰かに見られたら、あたしっ……!」  すでに木束たちに目撃されていることを知らないまま、神代が春日崎に蹂躙されていた。 「んんぅっ、やぁん! ダメだって言ってるのにぃっ!」  春日崎が口で咥えるように神代のブルマを下着ごとずらすと、うっすらと陰毛を生やし た恥丘が姿を現した。そこは全身を激しく責められてすっかり蜜液を滴らせていた。  死んでからというもの性欲とは無関係になっているはずなのに、どうしようもなく快楽 に溺れている。真に迫って責め立てられると強い錯覚におちいって、人としての生理現象 を反射的に再現してしまうのだ。  だが、いまいち性欲が満たされない。幽霊の希薄な感覚ではどんなに気持ちが昂ぶって も性感が頂点に達することはいつも難しかった。  所詮は淫裂から溢れる愛液や頬を伝う汗、目尻に浮かんだ涙もすべて見せかけのもので、 気持ちがいいふりをしているに過ぎなかった。  そんな神代が絶頂を迎えるにはたったひとつだけ必要なものがあった。  それは、生身の肉体だ。 「もー! 小梅ちゃんが悪いんだからね!」  そう言うなり神代がいったん幽霊状態に戻ると、実体がなくなったせいで乗っかってい た春日崎がマットの上に落ちた。いきなりのことに春日崎は半透明になった神代の体の中 で所在なさそうにしていた。その顔は欲求不満の色をたたえて、もの欲しそうに膝で立っ たまま内股を擦り合わせている。 「小梅ちゃんガマンできないんだよね? あたしだってそうだし……だからいいよね?」  返事を待たずに神代は意識を集中させると、春日崎の肉体に溶け込むようにして消えて いく。その直後に春日崎が身動きひとつすることなく固まってしまった。  しばらくすると次第に春日崎の頭と腰から犬耳と尻尾が引っ込んでいき、代わりに額に 三角頭巾が浮かび上がってきた。 「ん……。とりあえず成功かな」  そこでようやく春日崎が口を開いたが、実際に喋っているのは本人ではない。 「小梅ちゃんの体を借りるのはいつもこういうときが多いよねー……」  少し寂しそうに笑う彼女こそ、犬の霊に代わって春日崎に憑依した神代だった。いつの 間にか茶色に染まった髪と瞳、額に巻いた白い頭巾が何よりの証を示していた。  面影もどことなく神代を思わせ、春日崎にはなかった人間味溢れた表情が特徴的だ。そ のせいか、身の内に沸き起こる欲情に震えておとがいを反らす姿が実に官能的な色気をか もしだしていた。 「あっ、やだ……小梅ちゃんってばこんなに感じてたんだ……。んああぁっ!」  完全に春日崎の肉体と同調すると、快感の大波が押し寄せてきて神代は悶えた。その感 度は幽霊の時とは比べものにならない。指先ひとつとっても神経がむき出しになったよう に甘い感覚に痺れていた。 「あはぁ……じゃあ、する……からね」  さっそく神代は体操服の裾から手を突っ込むと、きつく締めてあったさらしを無理やり ほどいて胸をまさぐった。春日崎の乳房は自分のものと同じくらい小さく、軽く握っただ けで痛みを覚えるほど敏感だった。 「ん……ふくっ、ああぁっ」  今度は緩やかに乳輪をなぞり、その中心にある肉の尖頭を優しく摘み上げて硬くさせた。 きっと服の下で乳首が赤く充血していることだろう。張りつめた先端を指で弾いて乳房ご と握りつぶすと、胸の奥が熱くなった。  さらなる刺激を求めてブルマの上から恥丘を擦ると、愛液がにじんでくっきりと割れ目 の形を浮かび上がらせた。濡れた指先を舐めてみれば、少し汗臭い。だが、その臭いすら 神代を快楽に酔わせるのには充分だった。 「すご……小梅ちゃんのおまんこがどんどん熱くなっていくよぅ」  ほどよく汗ばんでくると、その熱気に我慢ができなくなり、たまらず体操服とブルマ を脱いだ。最後に腰の両脇で紐を結んだふんどしめいた当て布だけが股間に残った。  それは下着というよりはおむつにも似ていて、実際、春日崎が粗相してしまった時のた めに使い捨てられるようにできていた。今はすっかり愛液が布地に染みをつくり、肌に吸 いつくようにして透けていた。  紐の先を引っ張って、その下着を取り払うと、前後の秘所を覆っていた部分が黄ばんだ り茶ばんだりしていたが、毎日何度も春日崎の下の世話をしている神代にとっては見慣れ たものだ。  完全に裸身が外気に触れるたとき、少し肌寒かったが、そう感じられるのもすべて人の 身に戻ったおかげだった。 「でも……いつまでもこんなことっ、んぁっ……してられないしっ!」  木束たちを探しに来たはずが学校の中でオナニーに耽るとは夢にも思わなかった。  とにかく早めに体の火照りを静めなければ何も始まらない。今まで何度か春日崎の性欲 を収めてきたように、神代は積極的に自分のものとなった肉体を責め立てた。 「やっ、ああぅっ……ふぁああっ」  マットをベッド代わりにして神代は仰向けに寝そべると大きく脚を開いて、割れ目に指 を突っ込んだ。そこは春日崎がハードルにまたがって執拗に刺激し続けたせいか、充分に 潤っていた。  倉庫の窓から射し込んだ光に濡れそぼった淫肉がきらめくのを見て、コスモは生唾を飲 み込んだ。まさか目の前のロッカーに人が入っているとは知らない神代が、その方向に向 かって大胆に股を広げて、惜しげもなく性器を晒しているのだ。  コスモは自分と木束以外の性器を見るのはこれが初めてで、その違いに目が釘付けにな った。春日崎が発情するたびに繰り返し刺激を与えてきたために陰唇が色濃く熟れていた。 (春日崎さんのあそこ、とってもきれいです……) (コスモのだって負けてねーよ。すげーイヤらしくしてるんだぜ?)  木束は股の間からコスモのブルマを引っ張ってその隙間に指を潜り込ませると、粘つい た皮膚に触れた。湿り気を帯びた指先を縦に伸びた谷間に押し込み、生々しい音を立てて 肉を開かせる。 (あっ! だめですよー。声が出ちゃうと春日崎さんに聞こえちゃいます) (あれは神代だろ。さっきあいつが春日崎の体に乗り移ったの見てたじゃねーか) (どちらでも変わりませんよ! ひあっ……!)  左右に割れた肉の奥へ指を進め、花びらを散らすように陰唇をかき分ければ、コスモが 強い刺激に押し黙った。  続けて木束はロッカーの外にいる神代の動きを真似て、同じように責めていく。神代が 割れ目の上にあるクリトリスに触れると、木束もコスモのものに指を添え、薄皮を剥いて その頭を覗かせた。  屹立したコスモのクリトリスは身長を伸ばしただけあって、簡単に摘めるほど肥大化し ていた。あまり力を込めなくても、触れるだけで足腰を震えさせるほどの感度は変わらな いようだ。試しに軽く押し潰すと、コスモが跳ねるように痙攣して声を弾ませた。  神代も背中を仰け反らすほど、敏感な勃起部分を執拗に責め続け、嬌声を上げている。 「らめぇっ! いいんちょ、さん……やぁっ、やらぁあああっ!」 「ひぎっ! いぁああっ……んふぅっ! 小梅ちゃんっ、小梅ちゃんっ!」  内と外から聞こえるよがり声に木束は言い知れない興奮を覚えて舌をなめずった。  コスモが快感に身をよじらせれば、体に縄跳びがきつく食い込んでいく。へそが見えて しまうほど、体操服をせり上げるバストがさらに強調された。  木束は空いている片手で左の乳房をわしづかみにすると荒々しく揉み上げた。五指の隙 間からこぼれ落ちそうな質感がありながら、しっかり弾力をもって張りを戻す乳房は将来 醜く垂れ下がるということがなさそうだ。  羨望と嫉妬まじった表情を浮かべて、木束は強引に体操服をはだけさせると、露出した 乳首に吸いついた。 「あっ、ああっ、ひゃぁあっ!」  もはや外に聞こえるのもかまわず、コスモが切羽詰った声を漏らしていた。あまりの声 量に木束は動揺したが、神代は気づいていないようだった。彼女自身もコスモに負けない ほどの蕩けた声で叫んで、官能の世界に没頭している。 「小梅ちゃん……ここがいいの? ここが気持ちいいの!?」  神代は頭の中に響く内なる声に応えていた。いつも動物霊に憑依されてあまり外に出て こない春日崎本人の人格とは肉体と同調することで触れることができるのだ。たとえ体を 明け渡しても、春日崎がしっかりと快楽を感じて喘いでいるのが聞こえた。 「んんっ……あたしの指で感じてくれてるんだよね」  もっと春日崎を鳴かせたくて、秘裂をめくり上げるように左右に開いた。紅潮して淫靡 な色をたたえて肉ひだが愛液に潤っていた。粘つく液体を沸かせる源泉に指を沈める。 「んぁふぁあああっ!」  歓喜の声は神代のものであり、春日崎のものでもあった。膣内の肉壁が蠢いて挿入した 指を締めつけてしごきたてれば、浅く短い呼吸を吐きながら快感に呻いた。  視界に映る天井。周辺から聞こえる雑多な音。その何もかもが気にならなくなるほど、 神代は心の中で春日崎とまぐわう自分の姿を想像しながら、ひたすら愛撫をし続けた。   神代がうわ言のように春日崎の呼びながら自慰に耽っているのをオカズにして、木束た ちもますます興奮度を高めている。  木束はふやけるほどにコスモの胸を堪能した後は、自分の胸もはだけてブラをずらした。 硬く張った乳房をあらわにして、コスモに屹立した乳首を吸わせた。  尖りきった先端が水音を立てて千切られそうなほど引っ張られ、舌の上で転がされる。 甘い痺れに悶えて、空いた胸を突き出せば、コスモが左右の乳房をまんべんなく唾液で濡 らした。 「あっ、んんっ……赤ちゃんみてーだなコスモ」 「ん……んむっ、だ、だって委員長さんのおっぱいがおいしいからいけないんですよ」  コスモの口元が涎で汚れていた。木束は舌を伸ばしてその汚れを舐め取るが、余計にべ たつかせるだけだった。  そのまま唇を開かせて、舌先で口内を蹂躙すると、飴に似た甘い味がした。舐めても舐 めても溢れてくる蜂蜜のような唾液を飲み込んで、喉奥を潤していく。  どうせなら下の口も味わいたかったが、しゃがみこむには空間的な余裕がない。仕方な く木束は片手でコスモの秘裂を割り開くと、すでに準備が整っている膣内に指を挿入した。 「やぁああっ、委員長さんばっかりずるいですー! 私も委員長さんをもっと気持ちよく してあげたいんですよ!?」 「いいから気にすんなって。あたしは単にトイレでの仕返しをしたいだけだからさ」 「そ、そんな!? あのとき怒ってなかったじゃないですか!」 「バカ、あたしはあんなことをされてすぐに許せるほど人間できてねーよ!」 「やっぱり委員長さんはいじわるですー! ひぁっ、はぁああんっ!」  こそぎ取るように肉壁を擦り立てながら抽送を繰り返してたが、コスモがもの足りなさ そうな顔をしていた。狭く奥行きのなかった膣道も今は体の大きさに比例しているのか、 もう1本くらい指の数を増やしても充分に受け入れられそうだった。 「きつかったら言うんだぜ」 「え……? あっ、やあぁっ」  いったん指を引き抜くと、人差し指と中指を揃えて再び入れなおした。多少は抵抗感が あるもののしっかりと根元まで入り込んだ。膣内の圧迫感に耐えながら2本の指を出し入 れする。 「ああっ、あんっ、あぅんっ、ひぁああああっ!」  前のめりに倒れて、コスモが木束の肩に噛みついた。縄に縛られたままで快感に耐える にはそうするしかなかった。歯型がつくほどにきつく噛まれて、木束は痛みを覚えたが、 それだけコスモを快楽に導いていると思う悦びの方が強かった。 「やらぁっ……もぉ、らめ、ひゃぁあっ」  呂律の回らない喘ぎ声を上げて感極まっている様子を見るかぎり、コスモの限界が近づ いてきたのが知れた。すっかり快楽に溺れて、瞳を蕩けさせ、淫らに涎を垂らしている。  ロッカーの外に視線を向けると、神代も似たような嬌態で腰を震わせている。どうやら 彼女も終着点を迎えようとしていた。 「ズルイぜ。ふたりしてあたしのことは置いてけぼりかよ」 「それならぁ、委員長さんも一緒にっ……一緒にぃっ!」  言われるまでもなく、木束はもう片方の手で自身の秘裂を責めて、一気に感度を高めた。 せり上がってくる絶頂の予兆に、ともすれば腰が引けて指の動きを止めそうになる。  そんな木束を逃がさないとばかりに、コスモが体を密着させ壁際に追い込んだ。  豊満な乳房がぶつかり合い、形を変えた。張りつめた肉のかたまりがどちらのものか判 別できないほどに重なって、お互いの乳首を埋もれさせた。 「ああっ、すげーよ……あたし、おっぱいで感じてるっ、はっ、あっ」  もはや秘裂を弄ることすら必要ないくらいに胸の感度が上がっていた。時おり乳首同士 が触れ合うと、それだけで小さく達してしまうほどだ。  木束はコスモの首に腕を絡め、痛いくらいに抱きしめて密着度を強めた。次第に高まっ ていく心臓の鼓動がまるで絶頂へのカウントダウンを始めているようだった。  一方の神代はマットの上に水たまりができるほど愛液を垂れ流していた。それは春日崎 の分まで感じているせいだろうか。  尻を高く突き上げて、呻き声を上げるその姿はまるで盛りのついた獣そのものだ。  だが、春日崎に憑いた動物霊たちが丹念に秘所をなぶりつつ、空いた手で乳房を揉んだ りはできない。人だからこそできる愛撫に、春日崎も感じているのを神代は心の中で感じ ていた。 「こ、小梅ちゃんっ、ふたりで一緒に気持ちよくなろうっ」  小刻みに痙攣が始まり、肉尻をわななかせると、愛液に濡れた爪先が滑った拍子に淫核 を引っ掻いた。 「ひゃぁああっ、あっ、ああぁっ、イくっ、イっちゃうぅぅぅっ!」  不意打ちの絶頂感に神代は視界が白むほどの恍惚を味わった。同時に胸の奥で春日崎の 感情が爆発するのを感じる。  いまやひとつ肉体にあるふたつの精神が溶け合い、神代は自分を見失いそうになるほど の一体感を覚えていた。 「はあぁっ、はっ、はっ……きちゃいますっ、何かきちゃいますっ、ひぅぅぅぅんっ!」 「コスモっ、コスモっ、コスモぉっ! ああぅっ、あぁああああんっ!」  木束たちは神代の絶頂に導かれるようにして、同時に昇りつめた。背骨が溶けて、足腰 も砕けてしまうような快楽に襲われる。きちんと両の足で立ってるのかわからないくらい の浮遊感が怖くなって、お互いの存在を確かめ合うように強く抱きしめ合った。 「あ……あふ、ん……っ」  果てしなく続く悦楽に、木束は汗と涎を撒き散らした。敷きつめた肉の絨毯に粘着質の 液体が飛び散って、振り乱した髪を上半身に張りつかせ、魅惑的な雰囲気をかもし出した。 「お疲れ……コスモ」  木束は充足感に浸りながら、気持ちを落ち着けるように呼吸を整えた。コスモを見ると、 いまだ快感に打ち震えて、半ば意識を失っている。 「ふぁああ……」  そのとき、気の抜けた声が外からか聞こえた。神代が性欲が収まった安心感に気が緩ん だのか、放尿していた。黄金水が綺麗な放物線を描き、床を濡らす。 「だ、ダメー! やめてっ、止まってー!!」  ようやく自分のしでかしたことに気付いて、神代は股間を手で押さえるが、尿意がとど まること知らず、隙間から溢れ出した。 「ち、ちがっ! これはあたしがしたんじゃないよ! イヤー!」  誰にでもなく、自分に言い訳すると、神代が春日崎から幽体を離脱させた。憑依する前 と変わらない体操服姿が現れると、糸が切れた操り人形のように黒髪の少女が崩れ落ちた。 「小梅ちゃん、ゴメーン!」  お漏らししたまま気絶した春日崎におののくと、神代は文字通り飛んで逃げて行った。  実際に恥ずかしさのあまり逃げ出したのか、春日崎の着替えを取りにでも行ったのか、 木束にはわからなかった。  とりあえずロッカーのドアを開けて外に出ると、目の前の惨状に眩暈がした。  全裸のまま下半身を尿で濡らした春日崎を放って、久々の開放感に味わう余裕はなさ そうだった。 「どーすんだよ、コレ……」  降ってわいた悩みに、あてどなく呟く木束の胸の中でコスモが幸せそうに眠っていた。

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