『燃え上がれあたしの小宇宙!』02(スカトロ描写あり注意)▼ |
-AM8:35- 朝のホームルーム 虹浦町 虹浦中学校 3年X組教室 今朝のひと騒動のおかげで学校に間に合いそうになかった木束とコスモは、最終手段の テレポートによって教室の前まで移動して何とか遅刻せずにすませた。とはいえ、教室に 入った瞬間に始業のチャイムが鳴ってしまったが。 「よーし、テメーら席に着けよ」 級友たちとの挨拶もそこそこに木束は壇上に立ち、いつも通りホームルームを始めた。 通常は教師が仕切るものだが担任の鳥尾莉子が5歳児だけあって、その日の都合で来ない ことも多く、自然と学級委員長である木束が受け持つことになっていた。 「いよいよ来週は球技大会だ! 午後の体育はその事前練習と準備っつーことだから、テ メーらサボるんじゃねーぞ!」 一番サボりそうなのはお前だろ、と言いたげな視線が教室のあちこちから送られてきた が、そんな視線を無視して口早に今日の予定をまくしたてていく。それはいまだ冷めやら ない興奮を悟られないようにするためだろうか。 だが、長い付き合いなだけにクラスメートたちは木束の態度を変えさせる何かがあった に違いないと考えていた。初っ端から眼鏡を外し、声を大きくして話す彼女はめったにな いことだったからだ。さらに生徒の中には、その何かにコスモが絡んでいることを察する 者たちも何人かいるようだった。 「な、何ですか? 何でみなさん、私の方を見るんですかー!?」 唐突に注目を浴びてコスモは慌てふためいた。主に席の前後から熱い視線が送られてき て無性に肩身が狭い。さすがに朝から木束と何をしていたのかわかりはしないだろうが、 意識すればするほど顔が火照っていくのがわかった。 そんな様子を見ながら、コスモの席の近くにいるミサイルが小声で保科に尋ねた。 「ねー保科さん、どうしてコスモちゃんは顔真っ赤にしてるんだろ?」 「知らないよ。黒羽、わかる?」 気だるそうな保科が隣の席の黒羽に話を振ると、ぼんやりとコスモを見つめていた彼女 は焦って答えた。 「えっ、あ、わ、私? 私もわからないわ! うん、まったく!」 そう言いながらも黒羽はコスモから目を離してはいなかった。どうやら彼女なりに木束 とコスモが遅刻寸前になるまで何をしていたのか想像しているようだった。そして、その 想像はほぼ今朝の出来事と非常に近い内容で、黒羽は卑猥な妄想に胸を熱くさせていた。 そんなこととは露知らず、保科はひとつ頷くと、 「そうなんだ。まあ、あたしとしてはどうでもいいんだけどさ。それより研究で徹夜明け して眠いから今日の授業が終わったら起こしてよ」 腕を枕にして机の上で居眠りを始めた。それを見た黒羽とミサイルが懐から取り出した ものを保科の前に差し出した。 「学子、私の作った『一生眠らなくてすむ薬』を飲んでみる……?」 「いらないよ!」 「じゃあ私の取り外し可能な内蔵スタンガンで眠気すっきり」 「するわけないだろ!」 まるで訪問販売のような申し出に保科は顔を伏せたまま突っ込みを入れた。 「コラ、そこ! 人が話してるときにゴチャゴチャうるせーぞ!!」 調子よく喋っていたところを邪魔されて木束が教壇を拳で叩いて真っ二つに割り、教室 内を静かにさせる。毎度お馴染みの光景だが、最近はコスモがすぐに木束をとりなすこと が多くなっていた。 「委員長さん落ち着いて、落ち着いてくださいー!」 さっそくコスモが怒れる木束のなだめようとすると、その姿に教室のあちらこちらから、 「……世話女房」「かいがいしいねぇ」「嫁ね嫁」「奥様は宇宙人?」「デカチチ夫婦」 「種族間を越えた愛っていいなぁ」「ジャンル的には童顔巨乳宇宙人妻って感じかな」 などの様々な声が上がった。あまりに的確な表現な上に、図らずもまた教室中の注目を 浴びたせいでコスモは気恥ずかしくて仕方がない。 「みなさんひどいですー!」 「テメーら、あたしのコスモを泣かすんじゃねー!」 木束の怒号にまたクラスメートたちがはやし立てる。ふたりの仲をやっかむというより は、それを引き合いにして面白おかしく騒ぎたいだけのようだ。 いつもと変わらない喧騒にチャイムの音がかき消され、1時間目の授業が始まったこと に誰も気づかない。そして、 「みんな、教科書の166ページを開いて……」 いつの間にか教室に入って授業を進めている田中の存在に気づくことはなかった。 -AM10:47- 3時間目の授業前休憩 虹浦町 虹浦中学校 旧校舎 1階東側女子トイレ 3年前まで使われていた古めかしい造りの元校舎は休憩時間の騒がしさとは無縁でいた。 今は特定の部屋が物置小屋代わりに使用されている程度で、普段はすべての扉と窓が施錠 されている。現在は球技大会の準備で一部の鍵が開いてはいたが、特別な用もなく出入り することは禁じられていた。 そんなわけで誰も近づく者さえいない建物のはずだったが、その中にふたりの生徒が入 っていた。木束とコスモのふたりだ。 「委員長さん、ここって勝手に使ってもいいんですか?」 「あたしは委員長特権である程度の利用を生徒会から認められてるから問題ねー」 コスモの質問に答える形で木束の声が個室の扉の向こう側から聞こえてきた。 休憩時間が始まるとすぐに木束がこの旧校舎に向かうのを見つけてついてきたわけだが、 彼女は中のトイレに駆け込むなり先ほどからひとり唸っている。 用を足したいのなら今の校舎のトイレを使えばいいはずなのに、 「どうしてわざわざこんなところまで来たんでしょうか?」 再び沸いた疑問に木束が答えてくれた。 「ここは滅多に誰も来ねー穴場だって、前に教えたろ?」 「でも、教室までの距離を考えたら移動するだけで休憩時間がなくなっちゃうと思うんで すけど」 「そんなことはわかってるよ。だけど、今日ばかりはしかたねーんだ。何せ1週間ぶりに 便秘が治りそうな感じだからな。あ痛たたた……」 どうやら一度篭ると出てくるまで長引くことを考えて、普段のトイレを使うことを遠慮 して遠く離れた場所まで移動したようだ。それは、がさつな言動とは裏腹の細かい気配り というべきか。いや、単に人の目を気にしているだけなのかもしれない。 「あ、お通じが来たんですか。よかったですねー。私は便秘になることがありませんから よくわかりませんけど」 コスモの屈託ない言葉が木束のしゃくに触ったのか、痛烈な皮肉が返ってきた。 「ふん、どうせ産みの苦しみはコスモにはわからねーよ」 「ひ、ひどいですー! けっこう気にしてるの知ってて言わないでくださいー!」 朝のやりとりがなければ、真に受けて木束のことを嫌いになっていたことだろう。たま に憎まれ口を叩くのは、木束の素直ではない心の表れだと知っているからこそ許せるわけ だった。 「冗談だよ。悪かったって、あっ、くぅ……」 心底つらそうな呻き声が聞こえて、コスモはいよいよ心配になってきた。便秘の苦しさ を知らないだけによけい不安が募ってしまう。 「だいじょうぶですか? そういう時は深呼吸するといいって高柳さんが言ってました。 私に続いてくださいね。ひっひふー、ひっひふー、はいっ」 「……ひっひふー、ひっひふー」 「その調子ですよ委員長さん。ひっひふー、ひっひふー、はいっ」 「ひっひふー、ひっひふーってこれは何のラマーズ法だコラァっ!」 怒声とともに強烈な打撃音が空気を震わせ、閉じていた個室の扉が吹き飛んだ。 目の前にいたコスモは宇宙船が自動回避してくれなければ直撃を食らっていたに違いな い。扉が後ろの壁にぶつかり、派手な音を立てて崩れ落ちるのをコスモは冷や汗を流しな がら見ていた。 「危ないじゃないですか! もー、学校の備品を壊すのはよくないですよ!」 「だったら、あたしをノせるんじゃねー!」 おそらく裏拳で背後の扉を殴ったのだろうか。拳ひとつで机を叩き割るだけあってその 破壊力はある意味尋常ではなかった。いったいその体の内にどれだけの力を秘めているの だろう。 首を傾げながらコスモが振り向くと、閉じていた扉がなくなったせいで和式便器の上を またがった木束の背中が見えた。長く伸ばした三つ編みの先端が綺麗な曲線を描く臀部を 撫でている。 「……って、委員長さんのお尻!?」 「うわぁっ! こ、コスモ!?」 ふたりともお互いの間に何も隔てるものがないことにいまさら気がついた。 慌てた木束はコスモの視線を遮るように片手で尻を隠そうとするが、うまく隠し通せる はずもなく、今にも漏れそうなほど腹痛が続いているせいで動くこともままならかった。 「ば、バカコスモ、何見てるんだよ!」 「だって、ドアが開いてるんだからしかたがないじゃないですか!」 だったら目を閉じるなり立ち去るなりしろ、と叫びたくなるが、コスモの熱っぽい視線 を受けて羞恥で肌が朱に染まった。裸など全身をあますことなく見せていたこともあると いうのに、妙に恥ずかしい。 「あっ!? はぁぅっ」 不意に木束は強烈な便意を催した。腹部を走る鈍痛に顔を歪め、歯を食いしばって我慢 する。だが、なぜ便意に耐えなければならないのだろう。トイレに入って便座にまたがっ ているのは今まで出なかったものを出すためではなかったか。 「コスモぉっ、早く出ていってっ……!」 悲痛な叫びは届かなかった。コスモは相も変わらず目が釘付けになってしまったように 木束の後姿を見つめたままそこから動こうともしない。これでは出すものも出せなかった。 好いた相手の前で躊躇いなく排便しようと思うほど木束は恥知らずではない。だが、彼 女の思いとは裏腹に容赦なく腹痛が緩急つけて襲いかかってきた。 「んんっ、も、もうダメだっ!」 ついに堪えきれず木束が腹に力を込めると、便秘だったのがあっけないほど簡単に肛門 から大便が出てきた。固く野太いこげ茶色の汚物から始まって、水気を多く含んだ排泄物 まで、ここ1週間分の腹に溜め込んでいたものがすべてひねり出されていく。 「コスモ! 見るな! 見るんじゃねー!」 もはや顔を真っ青にして木束は珍しくも涙声になっていた。怖くて自分からコスモの顔 を見ることができない。ただ、彼女の視線を今も背中に感じていた。 「はっ、くっ、ちくしょう! 止まらねー、止まらねーよっ……ふぅんっ、はぁああっ」 排便の音をごまかすように声を上げる木束をコスモは黙って見ていた。木束のものとは いえども誤魔化しようのない汚臭に眉をひそめながらもその場から立ち去ろうという考え はなかった。 排便はコスモにとって滅多に見ない光景だった。自分でもできなくはないが、すべてを 機械でまかなうコスモからすれば、それは恥ずべき行為と考えていた。そんな恥辱を木束 が目の前で晒している。不快な音を立て、悪臭を漂わせ、汚物を垂れ流すその姿は見てい て気持ちのいいものではない。 だが、それでもコスモが木束から目を離さないのは、何も排泄物や行為そのものを見た いからではなかった。これほどまでに無防備な彼女の姿を見ることが初めてだったからだ。 木束は眠っている時でも、体を交じり合わせている時でも、ここまで隙を見せることは なかった。いつも勝気で何者にも挫けない木束が強い不安と怯えでその身を震わせている。 そこにコスモは興奮を覚えていた。 「委員長さん……」 我知らず熱を帯びた声音でコスモは木束のそばに近づいた。いつの間に用意していたの か、その手にはトイレットペーパーを巻いている。ひと通り排便を済ませ、水で洗い流し て荒く息をついている木束にはコスモがすぐ後ろにいることに気づいていない。 おもむろにコスモは手にした便所紙を排便の余韻に震える木束の尻穴に宛がった。 「え? あっ、コスモ!? やめっ、あああ、あぁああああ!」 突然、後ろのすぼまりに乾いた紙の感触を覚えたかと思うと、尻の割れ目全体を擦るよ うに撫でつけられて木束は驚きの声を上げた。 「私が拭いてあげますから、動かないでくださいね」 「い、いいって! そんなことぐらい自分でするって! どうしたんだよ急に!?」 心から嫌そうな顔をして抗議する木束を無視して、コスモは尻を拭き続けた。 「いえ別に。ただ今の委員長さんを見ていじわるしてみたくなったとか、今朝の仕返し をしたくなったとか、そんなことはありませんよ?」 「そのわりにぜんぜん顔が笑ってねーぞ! な、なあ、こんなことやめ……んんっ!?」 紙を突き破ってしまいそうなほどコスモが強く押し当てていると、指が木束のアナルに 浅く入り込んでしまったようだ。そのまま穴の周辺を広げるように指を動かすたびに木束 が喘ぎ声にも似た息を漏らして悶えた。 「やめて……くれコスモ。ふぁっ、ひいぁあっ、授業がもう……始まって、ああっ」 「いいじゃないですか。サボり魔の委員長さんのことを気にする人はいませんよ」 「そ、そういう問題じゃねー! ひゃっ、中はやめろって! き、汚ねーだろぉ……っ!」 何とかコスモの気を逸らそうするが、日頃の行いがものを言うのか聞いてもらえない。 木束は腰を振ってコスモの愛撫めいた動きから逃げようとするが、かえって指を深く食い 込ませるかたちになってしまう。そのうちに指の出し入れが激しくなってくると、挿入感 と排泄感がないまぜになって奇妙な快感を覚えるまでになってきた。 「あれ、委員長さん、どうしたんですか? ここが濡れてきてますよ?」 コスモは首を伸ばして木束の股ぐらを覗き込んだ。そこは黒い茂みに隠れた性器が愛液 を滴らせ、湯気を上げそうなくらい熱く潤っていた。 「お尻の穴を弄られて感じてるんですね。そうなんでしょう?」 「それは!? ちが……ふぅんっ!」 木束の菊門を責め立てながらコスモはもう片方の手で木束の股間に潜り込ませる。そし て、人差し指と中指で縦に伸びたスリットを開いて、今にもはみだしそうな肉びらを摘み 上げた。 「はぁんっ、そっちまで触んじゃねー! やめろって……っ!」 「人前でうんちを漏らして、おまんこまで濡らすなんて、委員長さんいやらしいです」 あえて口汚い言葉で木束をなじると、彼女だけでなく自分のことまで責めているようだ。 実際、コスモ自身も股間が濡れていくのを感じていた。 「あ、はっ、はぁっ、どうしてこんな……いつものコスモらしくねーだろっ……!?」 「委員長さんがいけないんですよ。私をその気にさせたんですから」 常に柔和な顔のコスモがこの時ばかりはサディスティックな表情を浮かべていた。たい ていの性行為では受身がちなだけに、ここまで積極的に木束を責めるのは珍しい。 木束の秘裂を弄っていると、蜜が大量に溢れてきて下の便器に雫となって落ち、波紋を 広げた。続けてコスモは濡れた指先を膣口に挿入し、尻穴に突き立てる指の動きに合わせ て激しく擦り立てる。 「ふくっ……やぁ……あっ、んひっ、あぁあああああ!」 前後から抽送を繰り返されて木束が達した。そのまま倒れこむように前の壁に腕を立て ると、局部をコスモに突き出す姿勢になってしまう。膝の上までずり下がったショーツに、 太ももを伝って垂れてきた愛液と腸液の混じり合ったものが染みを作った。ブラで支えて いるはずの乳房はその重みに耐えかねるように垂れる。触るまでもなく固く尖った乳首が 下着に擦れてしまい、痛みにも似た気持ちよさを木束に与えていった。 もはや下半身を丸出しにしていることも忘れて、木束は足りない酸素を求めて深く呼吸 を入れる。だが、コスモはそんな木束を許しはしないとばかりに今だ入れっぱなしの指を 再び動かし始めた。 「はっ、あっ、またっ!? いま、すげー敏感になってるからぁっ! もうやめ、ひっ!」 「すごい。もうこんなに手が汚れちゃいました。……ねー、委員長さん、もし誰かがここ にやって来たらどうします?」 「そ、それは……!」 最悪の事態を嫌でも想像させられて、さすがの木束も心臓をわしづかみにされるような 感覚に囚われて冷や汗をかいた。たとえ、すでに時間帯が3時間目の授業に突入し、この 建物に訪れる者がいるとは考えられないとしても不安を拭い去ることはできない。授業中 にもかかわらず立入禁止の建物に入り込んだ上で、淫らな行為に耽る自分たちがいる以上 はどんな可能性も捨てきれないからだ。 受け持ち授業のない教師が見回りに来たら? 特別権限を持った生徒会の役員が授業を 欠席してまで巡回に来たら? 「ドアがないから隠れようがありませんよねー。ありのままの委員長さんを見られてしま いますよきっと」 「そんなっ……そんなのコスモだって困るだろぉっ!? だから、早く、早くっ!」 いつもなら笑い飛ばすような想像が木束を怯えさせ、たまらずコスモに懇願する。今度 は自分の意思で快楽を得るために腰を振り、おねだりをするように鼻を鳴らした。だが、 コスモは膣内と腸内を掻き混ぜる指の動きを止めてしまった。 「早く、なんですか? ちゃんと言ってくれないとわかりませんよ?」 「っ!? わかってるくせによぉ……。あ、あぁ…………せて……くれ」 「聞こえませんよー」 ほとんど泣きそうになりながら屈辱的な台詞を口に出しているのに、コスモは意地悪な 表情を浮かべるだけで聞き入れてくれない。もはや木束は自暴自棄になって大声を上げた。 「コスモの指であたしのマンコとアナルを弄ってイかせてくれよっ!!」 「はい、よくできました!」 元気よく返事をすると、コスモは限界まで指を引き抜いて木束が息つく暇もなく一気に 挿入し直した。ふたつの穴が粘着質な音を立てて淫液をはね飛ばす。 「ひぁああああっ! やっ、はぁああっ、くはぅ!」 「委員長さん、かわいいです。もっと気持ちよくしてあげますね」 髪を振り乱し、涎を撒き散らしながら嬌声を上げる木束を熱っぽい瞳で見やり、コスモ はひたすら指で責め続けた。緩急をつけて前後運動を繰り返したかと思えば、円を描くよ うに穴をほじくった。そして、最初のうちは両方の穴に1本だけしか入れていなかった指 の数を2本、3本と増やしていく。今までコスモの細くて小さな指では満足していなかった のか、肉壁が拡張されていくのを感じて木束はよがり声を上げた。 「ああっ、ああっ、コスモ、コスモっ……そこっ、イイっ! んぃいいいいっ!」 「どっちがいいんですか? おまんことお尻の穴のどっちが気持ちいですか?」 「りょ、両方だっ。はぁんっ……両方の穴を責められて感じて、それでっ!」 コスモは膣口に挿し入れた指と菊座に埋め込んだ指とを不規則に動かして木束の反応を 楽しんだ。ここまでくると腸内に残った排泄物に指が汚れるのも忘れてただひたすら膣内 とは違う感触を味わった。襞すらない肉壁だったが、木束が括約筋を締めるたびに放って おいても勝手に押し戻されるのが面白い。そこを無理やりに奥へ入れ直すと木束がひと際 甲高い声を上げていた。 今の木束は羞恥心を忘れて官能に打ち震える性欲の固まりだった。場所や状況、コスモ の態度が背徳感や罪悪感をともなって木束を感じさせるのだろうか。いつになく乱れた姿 にコスモも興奮して、自然と胸を木束の脚に擦りつけた。張りのある乳房が太ももを挟み 上げ、制服がずれるたびに布地越しに乳首を刺激する。 「はっ、あぁんっ、私も……感じちゃいますっ!」 思わず強い快感に襲われてコスモが指の抽送をやめてしまうと、木束は催促するように よりいっそう尻をコスモに押しつけてきた。 もはや快楽の波に溺れるのみで、教室で怒鳴り声を上げていた時の木束は見る影もない。 「えっちな委員長さんですねー。クラスのみんなが見たらどう思うんでしょうか」 「そんなっ、ことぉ……やぁああっ! んはっ、あぁっ、もう……もうっ!」 すでに体を支えている両の脚から力が抜けかけていた。頭の中では何度も花火が弾け、 脊髄を電流めいた感覚が走り抜けた。 「イきそうなんですか? 委員長さん、イくんですね?」 「うんっ! イくっ! イきたい! イかせてくれ!」 それがどれだけ恥知らずな台詞なのか考えられずに、絶頂を極めることだけしか木束に はなかった。 「正直な委員長さんにご褒美をあげましょう」 コスモは膝を震わせ今にも崩れ落ちそうな木束の足をわざと開かせる。自然と膝が折れ、 尻から便器に向かって落ちかけた。その拍子に指の挿入感が一気に深まり、木束は意識を 飛ばした。 「ひぎっ! くぁああ……はぁ、あっ、あああっ、んはぁああああっ!!」 悦楽が最高潮に達して上り詰めた木束の体を双穴に突っ込んだ指で支えながら、コスモ が愉悦の表情を浮かべていた。 「こんなあなたも大好きですよ。委員長さん」 コスモが汚れた手を洗いきり、壊れたドアを宇宙船の修復装置で直している間に木束も 身だしなみを整えたようだ。先ほどの乱れ様が嘘みたいに平静な顔をして話しかけてきた。 「さてともう授業に出ても遅いし、この時間はどこかでヒマを潰すからコスモは先に教室 に戻ってなよ」 「私だけですか? 委員長さんも一緒に帰りましょうよ」 「ふたり一緒だと、周りがうるせーだろ。適当な理由で誤魔化しておいてくれ」 その口調にもよどみがない。少し声が上ずっているのは快感の残滓によるものだろう。 だが、コスモはそんな木束に不安を覚えた。 「あの、委員長さん、怒ってないんですか? さっきのこと……」 思い返せば、今までコスモが木束を責める立場になかったことはないが、これほどまで 木束の尊厳を踏みにじるような行為にまで発展したことはない。それだけに後悔と慙愧の 念が強く、木束に申し訳ない気持ちで胸が締めつけられていた。ひと時の感情に囚われて、 自分を見失うだけではなく、大切な人を傷つけたのではないかと心が重い。 しかし、木束は笑みすら見せてコスモの恐れを吹き飛ばした。 「何言ってんだよ。あれっくらいたいしたことねーよ。だからさ、安心して教室に戻って くれって」 「はぁ……よかったです。じゃあ、次の授業は必ず出てきてくださいねー」 木束の台詞に心から安心すると、コスモは宇宙船に乗ってその場を後にした。 「……」 ようやく静まり返ったトイレの中で木束はひとり、鏡の前に立った。そこにはコスモが 見た微笑はなく、明らかな怒気を浮かべて歯を砕かんばかりに音を立てて噛みしめている もうひとりの木束が映りこんでいた。 「あんのバカコスモ、調子に乗りやがってぇっ! 覚えてろよぉ!」 旧校舎を震わさんばかりの雄叫びが上がったことをコスモは知らない。
-AM11:12- 3時間目の授業中 虹浦町 虹浦中学校 3年7組教室 「ちょっとみんな静かにしてよ!」 これで何回目だろう。椎名奈美は教室内で騒ぎ立てる生徒たちを注意したが、またもや 聞いてもらえなかった。疲れた瞳であたりを見渡せば、思わずため息をつきたくなる惨状 が繰り広げられていた。 天空姉妹がアクロバットな妙技を見せれば、それを真似しようとした風切が教室の机や 壁を破壊する。それに驚いたミサイルがうっかり本物のミサイルを暴発させて周りの生徒 を巻き込んだ。他には剣呑な空気で火花を散らす芸術家ふたりに、自分の世界に埋没する 自称薄幸少女や詩人、後ろの席で人目をはばからずに甘ったるい会話を続けるカップルが いる。さらに、授業なんか知ったことかと言わんばかりに携帯機ゲームを始める二季草や、 机の上に原稿を広げて同人誌を描き始める八重田のような生徒もいた。 そこへとどめに西京が騒ぎを大きくすると、出来上がったものは毎度の無法地帯だった。 全員がまともに授業を受ける気がないというわけではなく、渡瀬や王といった少人数が きちんと黒板に向かっているのも確かだった。椎名もその中のひとり。 だが、椎名は騒がしい生徒を積極的に注意したいとは思っていない。ほんの気まぐれで まとめ役を買って出ただけだが、予想したとおりあまりに報われなかった。 (バカ! 何か見返りを求めてどうするのよ、あたし!!) 自分を叱咤して奮起するが、一向に静まらない教室にすぐにあきらめ顔になる。 だいたいこういった事態になったときは学級委員長である木束が場を収めるしかないの だが、3時間目の授業が始まる前からその姿が見えなかった。 そうなると木束に代わって教室を仕切ることができる生徒といえば、あらゆる人、物、 事象にツッコミを入れる彼女しかいない。 「黒羽さん! 保科さんを起こして!」 「ごめんなさい。学子……いちど寝るとなかなか起きないの」 あっさりと挫折した。恨めしそうな視線を保科に送るが、安らかな寝息を立てて眠って いる彼女に届いたかどうか。ちなみに隣の席の黒羽が幸せそうな表情で保科の頬をつつき、 その反応を楽しんでいるが、これはいつものことなので気にしない。悠々自適にお茶を啜 っている高柳や、封筒のラベル貼りの内職に集中している若槻のように、とにかく静かに して周りに被害を与えない分には問題なかった。 そもそも教室が騒がしければ教師が注意をするのが常識であるはずだ。しかし、これも あきらめざるを得なかった。今は担任の鳥尾が受け持つ数学の授業だったが、あろうこと かお子様先生は泣き疲れて眠ってしまっていた。もちろん、発端は授業を聞こうとしない 生徒たちの暴走を止められなくて泣き出してしまったのである。 とりあえずむずがる担任を一番前の席にいる日向にまかせておいたが、いいかげん目を 覚ましただろうか。席を立って、彼女のそばに近づいた。 「ねえ、ひよ子。鳥尾先生の様子はどう? ……って何やってるの?」 椎名は日向が鳥尾を抱きかかえているのを目の当たりにしたが、どこかおかしかった。 やたらと鳥尾の胸をさすっているだけでなく、小さな尻を揉み上げているような抱き方は あまりに不自然だった。それに日向の鼻息は荒く、目が血走っていた。独創的な料理を作 った後の彼女を思い起こさせる豹変ぶりに椎名は何故か焦燥感を覚えた。 「ひよ子! ひよ子ってば!」 「ちっ……。あ、奈美ちゃん? リコちゃんダメみたい。すっかり寝入っちゃってる」 椎名に呼ばれてようやく気づいたような仕草で日向が振り向いた。腕の中の鳥尾が寝苦 しそうに顔を赤らめているのは、悪い夢を見ているからに違いないと椎名は思いたかった。 「ところでさっき、ちっ、て言わなかった?」 「んー、知らないよー? ね、リコちゃん眠ってるから、起こさないようにみんな静かに してくれないのかな?」 いつの間にか趣旨が変わっていた。事の始まりが何だったのか、おそらく日向は覚えて いないだろう。 「はぁ……」 数分前よりさらに疲れた表情を見せて、自分の席に戻ると椎名は机に突っ伏した。 (ああ、もう! 何であたしってばこんなに人をまとめ上げるのが下手なのかしら!! ほんっとーにダメね、あたしっ!!) 自分に厳しくする分だけ他人にも厳しくすれば、少しは言うことを聞いてもらえそうな ことに椎名は気づいていない。 「それにしてもこのまま授業をサボる気かしら、委員長……」 深々とため息をつきながら、向けた視線の先にあるのはその場にいない木束の机だった。 よく見ると、隣にいるはずのコスモもいなかった。 「これはもうダメね」 日頃から恋人関係にあるのを見せつけている木束とコスモが同時にいないということは、 ふたりしてどこかで楽しんでいることだろう。もちろん、何を楽しんでいるかわからない ほど椎名は子供ではなかった。 それならばいっそのこと自分もこの騒ぎに乗っかってしまえ、とやけくそ気味になった。 鞄の中からクロッキー帳を取り出して、手慰みに絵を描き始める。当然、描かれるものは 椎名自身だ。 「せいぜい今の情けない自分を精一杯表現するといいわ! でも、現実逃避もいい加減に してさっさと描き上げなさいよね!! まったく、あたしってば筆が遅いんだから!!」 こうして教室内の騒乱を拡大させる生徒がまたひとり増えることとなった。もはや誰も 彼女たちを止められるものはいない。
-PM12:46- 昼休み 虹浦町 虹浦中学校 校舎屋上 木束は重い金属製の扉を押し開けると、目も覚めるような陽の光と快晴の空が視界に飛 び込んできた。視線を移すと、敷地に備え付けられたベンチや床の上で弁当を広げる者や お喋りに興じる者など、生徒たちが思い思いの昼休憩を過ごしていた。 木束もコスモを連れだって久しぶりに昼食を屋上で食べようとここまでやって来たが、 どうやら出遅れたらしい。限りある飲食スペースがほとんど占領されていた。 何とか座れる場所がないかと辺りを見回していると、見知った顔の生徒が思い悩んだ表 情を浮かべてベンチに座っていた。同じクラスの椎名奈美だった。 「おっす椎名。こんなところでたそがれてどうしたんだ?」 「あっ……ううん、何でもない。ただ委員長や保科さんって偉大だなあって考えてただけ だから」 「椎名?」 木束はクラスメートの言葉の意味をはかりかねていた。誉められているらしいが、何の 理由でそう言われるのかわからない。 「ありがと、もういいわ。これからコスモちゃんとお昼なんでしょ? 邪魔してごめんね」 「そんなことないですよー」 「そうだよ。何か困ってることがあるなら相談に乗るぜ?」 「ちょっと遅かったかな。それよりもこの席使ってね。それじゃあ」 言いたいことだけ言って、椎名がベンチから立ち上がると屋上から出て行った。 その後姿が扉の向こう側に消えるのを見届けてから、木束は目の前に空いたベンチに腰 かけて弁当を広げた。だが、先ほどの椎名が気になって仕方がないのか、しきりに木束は 首を傾げていた。 「何だったんだいったい」 「きっとあの時のことですよ」 思い当たることがあるのか、コスモが説明し始めた。3時間目にトイレで木束と別れた コスモは教室に戻ると、クラスメートたちが好き放題に騒ぎまくって授業を崩壊させてい た。本来なら仕切り役であるはずの木束がいなかったのだから無理もない。 コスモは不在の学級委員長に代わって騒ぐ生徒たちを静めようとしたが徒労に終わって しまった。その時、途方に暮れていたコスモを慰めてくれたのが、椎名だった。 「椎名さんも私と同じように頑張ってくれたみたいですけど、だめだったみたいです」 「そんなことがあったのか。そりゃ悪いことしたな」 「やっぱり一緒に授業に戻ればよかったんですよー」 まったく悪びれてない木束にコスモは弁当をつつく箸を止めて口を尖らせた。 「うっせー。下着が汚れてて履けるものじゃなかったのに、おいそれと教室に戻れるわけ ねーだろ」 愛液に濡れた下着が乾くまで旧校舎の中に隠れていた木束だが、結局、3時間目の授業 を丸ごと潰してしまった。今も中途半端に乾いた感触がして股間の辺りがむず痒かった。 「まったく……。保育園や幼稚園じゃあるまいし、あいつらはもうちょっと分別つかねー のかよ」 木束には自分がいなければ教室がうまく回らないことへの自負があるのだろう。それは 悪態をつくというより、出来の悪い子供ほど可愛がる母親のような口調だった。 「えっと、私たちも人のこと言えないと思いますよ。あはは……」 一方のコスモはトイレでの行為を思い出して、頬に冷や汗をひとつ垂らしていた。 ひと通り話し終える頃にはお互いに箸の進み具合が遅くなってきた。早朝、先に起きて いたコスモがあらかじめ作っておいてくれた昼御飯は2人分の量をひとつの弁当箱にまと めてあったが、どうやら今日は残してしまいそうだった。 「あれ? コスモ、もう食わねーのか?」 「はい、私はもともと小食ですから」 「嘘つけ。昨日は食後にしばらく動けないほど晩メシ食ってたじゃねーか」 からかう口調で木束が指を突きつけると、澄ました顔で箸を置いていたコスモは慌てて 言い訳をし始めた。 「あ、あれは委員長さんの手料理がおいしかったからですー! そういう委員長さんこそ 食べないんですか?」 「あたしはまだ腹の調子が悪いからいらねーんだよ。だいたい、小食のわりにはあんなに たくさん食ってどこに栄養が回ってんだ? ここか? ここなのか!?」 弁当を挟んで隣に座っているコスモに手を伸ばすと、荒々しくもその乳房を揉みたてた。 「や! あっ! やめてくださいー! みんな見てますよ!!」 「見せつけてやってんだよ。ほら、ほらぁ!」 「いやですー! 今日の委員長さん、エッチです! やんっ、あっあっ、んっ!」 コスモが穏やかな昼休憩に似合わない艶めいた声をあげる中、周りにいる生徒たちの視 線が注目しているのにもかまわず、木束はコスモの豊胸を揉み続ける。最初の内は抵抗し ていたコスモだったが、制服の上からでもわかるほどに乳首が立ち始めると、ぐったりと してベンチの背もたれに身を預けていた。 「なかなかいい具合だぜ、コスモ」 「うう、もうお嫁にいけませんよ……」 「心配しなくてもあたしが貰ってやるよ。あー、のど渇いた。ひと口もらうぜ?」 ひとしきり愛撫を堪能した木束はコスモのそばにあったペットボトルを手に取ると、残 っていた中身をひと口どころかすべて飲み干した。それを見たコスモはセーラー服が乱れ ているのにもかまわず食ってかかってきた。 「ひどいですよー! 後で飲もうと残してたのに! 返してくださいっ!」 「そう言われても、もう飲んじまったしなあ。しかたねー。これで我慢しろよ」 木束はコスモの小さな体を抱きかかえると、おもむろに顔を近づけて彼女の唇を塞いだ。 突然のことに瞳を白黒させるコスモを目の前にして、木束はその口の中に唾液をのせた舌 先を無理やりねじ込んだ。 「んー! んんっ、んっ、んっ、んぅ……」 呼吸することもままならず、コスモはその唾液を飲み込むしかなかった。次から次へと 唾液を送り込まれるついでに口内をねぶり回され、コスモの手足が次第に力を失ってくる。 もはや周りの喧騒も気にならないほど、ふたりは自分たちの世界に浸っていた。 「コスモ……これで満足だろ?」 「はふ……ぁ、こんらのずるいれす。ん……」 すっかり瞳を蕩けさせたコスモの呂律が回らなくなる頃には、休憩時間も終りにさしか かってきた。それにも関わらず、大半の生徒たちが木束たちの情熱的な口づけを遠巻きに 見つめながら、その身をもじつかせていた。
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