『燃え上がれあたしの小宇宙!』01

-AM7:00- 起床 虹浦町 木束家宅 木束律子の自室  朝の日差しがカーテンの隙間から射しこんで、窓際のベッドで眠る木束を照らしていた。 その眩しい光に顔を歪めると、枕の中に顔をうずめて木束はまどろみの中に戻っていった。 「委員長さん、朝ですよー」  突然、何もない空間から金属製の物体に乗った小さな女の子が現れた。先に制服に着替 えて待っていたのに、なかなか階下に降りてこない木束を心配したコスモがテレポートで やってきたのだ。  コスモは乗っている物体――小型宇宙船を木束のベッドまで移動させると、その上に飛 び降りた。そのまま布団を盛り上げる木束の腰の辺りを揺り動かしながら声をかけた。 「委員長さん、早く起きてください」 「あー、あと5分……」  ほとんど寝言のようなはっきりとしない声で木束が答えた。 「そんなお約束みたいなこと言わないで起きてください。遅刻しますよ」  コスモがその小さな体で掛け布団の端を引っ張りながら、猫のように体を丸めて眠って いる木束を起こそうと必死に声をかけるが、起きてくれそうになかった。それどころか、 木束はさらに深く布団の中に潜りこんでしまった。 「早くしないと朝ごはんを食べる時間もなくなりますよ」 「うるせーなー、お袋みたいなこと言うなよぉ」  頭から布団を被ったまま憎まれ口を叩く木束にコスモは胸を張って誇らしげに語った。 「おば様から委員長さんの面倒を頼まれてますから」 「あたしは頼んだ覚えはねー」  現在、木束の両親は町内の福引で当たった7泊8日のハワイ旅行に出かけていた。その際、 ひとり娘の留守番を心配した木束の両親が、普段から木束家と交流のあるコスモに一時的 な同居を願い出たのだった。 「委員長さんのご両親も宇宙人の私に親切にして下さるから大好きです」  地球にやってきた当初はほとんどの人間から奇異の目で見られ、決して友好的とは言い がたい対応を受けたものだが、木束とその家族だけは偏見することなく扱ってくれた。  その頃からの付き合いで、普段から木束家に自由に出入りさせてもらっているコスモは もはや家族同然だった。両親が安心して旅行に出かけられるのもそのためだろう。 「つーか親父のヤツ、仕事はどうしたんだよ仕事は」 「盆休み返上で1週間分の休みをとるために、お仕事を頑張られたんだからいいじゃない ですか。おじ様にもおば様にも休暇は必要です」  そんなことは家族思いの木束が一番わかっていることだろう。どんなに口悪く言っても、 たまには両親に夫婦水入らずで旅行に行ってもらいたくて、ひとり留守番することにした のだから。 「それにいまさらハワイって言われてもな。この前、お前に連れられて宇宙旅行したばっ かりだからインパクトが薄い」 「そ、そうですね。またふたりでどこか遠い星に行きましょうか。まだまだ見せたい惑星 があるんです」  と、そこでいつの間にか話が逸れていたことにコスモは気づいた。 「委員長さん! そこまで喋れるってことはもう完全に目を覚ましてますね?」 「朝っぱらから大きな声を出すなよ。夜更かしして頭痛いし、腰も痛てーんだよ」 「何をしたらそんなことになるんですか」  首を傾げるコスモに木束が顔を布団の中から頭を出して吠えた。 「わかってて言ってんだろーなソレ! 昨日あんだけお楽しみだったじゃねーか!」 「あ、や、それは、その」  木束の台詞に思い当たることがあったコスモは一瞬にして赤面した。  保護者のいない家の中で、好き合うふたりが一夜をともにすればすることはひとつしか なかった。 「さんざんあたしに責められてよがりまくるし、初日であれならあとの6日間はどうなる んだろうなぁ」 「い、イジワルなこと言わないで下さいー」  木束の言葉を聞きたくないとばかりにコスモは耳を塞いで頭を振った。そこでようやく 木束が布団から出てくると、コスモの両頬を引っ張りつつ、 「いまさらカマトトぶるのはこの口か! この口なのか!?」 「ひはひへふー! ひゃへへふははひー!」  抗議の声を上げるコスモに木束は追い撃ちをかける。 「ついでにあたしの睡眠を邪魔した罰だ!」 「ほめんひゃひゃいー」  謝ると、ようやく木束が手を離してくれた。痛む頬をさすると火照った感じがしている。  寝起きと便秘に悩んでいる時の木束は宇宙怪獣ベガゴドンを怒らせた時よりも恐ろしい ことをコスモは忘れていた。  「ところで委員長さん、またそんな格好してー! 風邪引きますよ!」 「あたしはこうじゃないと寝れねーんだよ」  裸の上に大き目のワイシャツを一枚着るという格好で木束が背伸びした。はだけた胸元 からまろび出そうな乳房と、裾からかいま見える三角地帯の茂みが妙な色気をかもし出す。 さらに長く伸ばした黒髪が寝汗に濡れて肌に張りついた様子が木束を実年齢より大人びて 見えさせた。  コスモの言うとおりほとんど裸同然なだけに、朝が冷え込む季節になった今では体調を 崩してもおかしくはなかったが、木束の部屋はコスモが設置した特殊な空気整調機によっ て、常に快適な温度が保たれていた。 「でも、委員長さんはもう年頃の女の子なんですから身だしなみには整えるべきです」 「そう言いながら、ちらちらとあたしの方を見てんじゃねーよ。だいたいなー、中身なら 昨日飽きるほど見たろ?」  木束が口の端をつり上げながら嫌味っぽく言うと、コスモがさらに顔を真っ赤にした。 「もー! 何でそんなに下品なんですか委員長さんは! でも、その、今の格好の方が、 えっと、ちょっといやらしいです……」  そんな正直な気持ちを話すコスモに木束が頷いた。 「チラリズムってやつだな。見えそうで見えないのがいいんだろ?」 「何ですかそれ?」 「あたしもよく知らねー。八重田から聞いただけ」  他にも様々なフェチズムについて聞かされた気もするが、あまりに濃い内容だったせい かよく覚えていなかった。 「とにかく起きたんですから早く着替えて学校に行きましょうよ」  困った様子でコスモが黒髪に隠れた木束の顔を覗き込むと、彼女が気だるそうに口を開 いた。 「面倒くせーなー。休もうぜ。サボろうぜ。そんでエッチしようぜ」 「な、何てこと言うんですか! 朝ですよ。平日ですよ。登校日ですよ!」  恥ずかしがっているのか怒っているのかわからない顔をするコスモに、木束は真剣な顔 をして呟いた。 「……せっかくふたりきりでいられるんだから、もっと一緒の時間を大切にしてーんだよ」  いくらコスモが毎日遊びに来たり、時には泊まりに来ることがあっても、親の目がある 以上はおおっぴらなことはできなかった。だからこそ、両親がいない今の内に普段隠れて していたことを積極的にしたい気持ちがあるのだ。 「そういうわけでいいだろ? コスモ……」 「はい……って、言うわけありませんー! 何スカートに手を突っ込んでるんですか!?」  思わず木束の台詞に納得しかけたが、良識的なコスモには学校を休むことには躊躇いが ある。だが、必死の抵抗もむなしく木束にスカートの中をまさぐられ、見つかって欲しく ないものを見つけられてコスモは諦め顔になった。 「うわ、あれだけ常識ぶったこと言ってしっかり濡らしてるじゃねーか。さては昨日のこ とを思い出して感じてるな?」  それほど昨晩の情事は激しいものだったのだろう。さらに木束の寝起き姿に心奪われて 下着に染みを作ってしまってことも事実だった。 「ああ……委員長さんが謎のビーストモードに入ってますー」  今までの長い付き合いから木束が眼鏡をかけままだと優等生モード、眼鏡を頭の上に乗 せると不良モード、そして、眼鏡を完全に外すと色狂いのビーストモードにチェンジする ことがわかっていた。特に眼鏡を外し、発情してしまった木束を知る者はコスモだけしか いない。 「つーわけで、覚悟しろよコスモ。なーに、10分で済ませるから学校にも間に合うだろ」 「そういう問題じゃありませんー!」  そんな心からの叫びを無視して、木束は起き上がるとコスモを枕元に押し倒した。 「はいはい、でんぐり返しー。さぁ、おむつ替えようなー」 「私、そんな子供じゃないですよ!」  コスモが腹を立てるが、木束は気にせず暴れる足を押さえつけ、スカートをまくり上げ ると、視界に可愛らしい下着が飛び込んできた。 「うっせー、クマさんプリントのパンツを履いてるヤツはガキだガキ」 「こ、これはおば様から頂いた委員長さんのお古ですー!」  そう言われて、ひと昔前のデザインに懐かしさを覚えながらも、木束が口に出したのは 別のことだった。 「つまりコスモはあたしの古着を履いて感じてる変態エロガキ宇宙人ってことだろ?」 「都合のいい事実だけを繋げないでくださいー。もう知りません!」  木束の悪戯に足をばたつかせて抗っていたコスモだったが、急に力をなくしていく。 「お、何その態度は。勝手にやれってこと?」 「そうです。さっさとしたいことして満足すればいいじゃないですか」  拗ねた様子でコスモが顔を背けると、木束もまた動きを止めた。 「無抵抗ってのは気に入らねーな。嫌がるところを攻めるのがイイのに」 「ふんっ……です」  木束のやることにいちいち反応するから調子づかせるに違いない。それならば、好きな ようにさせて1秒でも早く学校に行けるようしたほうが、ふたりにとって最良なことだと コスモは考えた。  だが、次に木束がとった行動はコスモにとって思いもよらないものだった。 「あ、そう。じゃあ、やめた」 「え!?」  コスモが驚くのは無理もない。木束が掴んでいた足首から手を離すと、乱れたスカート の裾を整え始めたのである。 「コスモがノってくれないと、あたしもつまんないしさ。やめだ、やめ」  急激に熱が冷めた瞳をして木束が退屈そうにコスモから離れようとする。そのつれない 態度に思わずコスモはワイシャツの袖を引っ張ると、うっかり本音を漏らしてしまった。 「えっと、えっと、本当にしないんですか……」 「やっぱり期待してたんじゃねーか!」 「ひどー! 委員長さんなんか嫌いですー!」  思い切り意地の悪い顔をして木束はコスモの体の上に覆いかぶさった。豊満な胸の下で コスモが暴れるが、その頭を抱きかかえると、 「あたしはコスモのこと好きだぜ」 「あ……」  歯が浮くような台詞とともにコスモの唇を奪った。 「んっ、んぅ、いいんちょさ、ぁ……む」  舌先をコスモの口内に潜りこませると、嫌がることもなくむしろ積極的に木束を求めて きた。互いの舌を絡ませあい、唾液を啜っている内にコスモの瞳が色欲に濡れ始める。 「やっとその気になってきたな」  押してだめなら引いてみるというやり方は、コスモを釣り上げるのに最も効果的だった。 何よりこうしてコスモを引っかけると、後は有利な立場で責めることができるのである。 「そ、そんなのずるいで、はむっ、んー!」 「いいからもう黙ってなって」  抗議の声を上げるコスモの口の中に木束は右の人差し指を突っ込ませる。そのまま口内 を蹂躙すると、コスモがおしゃぶりを舐めるように吸いついてきておとなしくなった。  静かになったコスモに満足すると、木束はふと思うことがあった。身長が60cmほどしか ないコスモを押し倒している光景は、まるで赤ん坊を相手にしているようで、 「何だか犯罪臭いなこの状況は」  そう呟きながらも再びスカートをまくり上げた。さらに今度はコスモのパンツをずり下 ろす。股間を隠していた布きれを片手で器用に脚から引き抜くと、それこそ本当に幼児の ものにしか見えないような恥丘が木束の目の前に現れた。 「あっ、だめです」  おしゃぶりに夢中になっていたコスモは、気づかないうちに性器をさらしていることに 驚いて、慌てて脚を閉じた。 「今は明るいから見ちゃだめですー」 「それがイイんだろーが」  強引に脚を開かせると、毛の陰りすらない幼い割れ目が濡れそぼっていた。朝日の光に きらめく柔肉を見つめる木束の熱っぽい視線を感じて、コスモの顔が羞恥の色で染まる。 「やっ、あ、あぁあああ……」  木束はベッドのシーツに大きな染みを作るほどに潤った秘裂に顔を近づけると、 「まるで洪水みたいな濡れ方だぜコスモ……ん」  おもむろに舌で舐め上げた。唾液にまみれた肉の感触に腰を浮かせるコスモを押さえて、 薄い桜色の陰唇を指で開くと、膣孔の周辺を責め立てた。 「あっ、そこはっ!? ひゃぁああっ、いきなりそんな激し、いんっ」 「コスモの言うとおり時間がねーしな。最初っから本気でいくんでよろしく」  体の小ささに比例して狭い膣内に中指を入れると、引きちぎらんばかりに食らいついて くる。半ば無理やりに奥へと進めながら肉壁を刺激し、空いた片手で包皮に隠れた淫核を 剥き出しにした。 「はぁああっ、あっ、あっ、らめっ、らめれふ……ひぅん!」  興奮すると舌足らずな喋り方になるのがコスモの特徴だった。こうなると今すぐにでも 絶頂を迎えることを知っている木束は、あえて膣から指を引き抜いた。  もうやめちゃうんですか、とでも言いたげなコスモを無視して、木束はベッドの近くに ある机に置いてあった眼鏡に手に取った。 「たまにはこういうのも悪くねーよな」  不敵な笑顔を浮かべると眼鏡をかけるわけでもなく、木束はフレームから長細く伸びた テンプルと呼ばれる耳にかける部分をコスモの膣口にあてがった。  一方のコスモは木束の意図が読めず不安な表情を浮かべるしかない。 「な、何するんですかそんなもので!?」 「それはだなぁ、こうするんだよ!」  木束はテンプルを膣内に挿入し、折れないように気をつけながら押し込んでいく。初め て経験する細くて固い感触にコスモは戸惑うばかりだった。 「はっ、やぁっ、入ってます……委員長さんの眼鏡の先っちょが私の中に入ってます!」 「おお、やっぱ体が小さいだけあってもう子宮に届いちまったぜ」  テンプルの先端部分は歪曲しているために入れづらかったが、何とか終着点までたどり 着いたようだ。木束は手を離してみると、コスモの股間に眼鏡が生えているという何とも 評しがたい有り様となった。 「変態です。委員長さん変態ですー。宇宙広しと言えどもこんなことするのは委員長さん しかいませんよ!」 「じゃあ、コスモは宇宙で初めて眼鏡で責められる女の子だなきっと」 「ぜんぜん嬉しくありません!」  まったく理解できないという顔のコスモと同様に、木束にとってもほんの思いつきから 始めたことでそれほど意味のあることではなかった。だが、自分の体の一部ともいうべき 眼鏡でコスモを責め立てていると、妙な興奮が心の中で沸き起こるのも確かだった。 「ふぁあっ、あひゃぅっ、こんなのって……んんっ、ひぁっ」  テンプルの太さが指よりも劣るせいでコスモが物足りなさそうにしていたが、その先端 が子宮の入り口を的確になぞるたびに自然と喘ぎ声を上げていた。どうやら焦れた刺激が ゆるやかに快感を与えているようで、 「すげー。どんどん溢れてきてるぜ。子宮全部が性感帯ってのはイイよな」  正確にはそれは子宮の形をした別のものだった。生殖過程が地球人とは違うだけあって 子宮としての機能は持ち合わせていなかったが、そのかわりより鋭敏な触覚を発達させて いる。 「あ、やぁ、れ、れも、いいんちょさんのこどもっ……れきないからっ」  委員長さんの子供ができないからこんな体は嫌です、とコスモは言いたかったがうまく 舌が回らなかった。  どんなに快感を与えてくれても、地球人のように命を育むことができないなんてみじめ な体なんだろう。たとえ妊娠や出産が自分たちの種族にとって不完全な生殖行為であって も、木束に出会った今では何よりも尊いものにコスモは思えた。  そんな切ない気持ちを木束は正しく理解しているのか、悲痛な面持ちのコスモを安心さ せるように優しく諭した。 「でも、あたしがコスモの子供を産めるだろ?」 「あ……、はいっ!」  快感を上回る幸福感に満たされて、コスモは涙を流した。 「コラ、泣いてるヒマなんかねーだろ? もっとして欲しいんだったらこっちの穴に指を 入れちまうぞ?」  あえて茶化した言い方で木束が愛液に濡れた尻穴に指を添えると、コスモがあっという 間に泣くのをやめた。 「わ、そっちはだめですー! 汚いですからー」 「コスモの体で汚いところなんかねーよ」  そう言いながら木束は菊座に中指を突っ込んだが、第一関節ほどの深さで出し入れする にとどまった。 「ふぁああぅ、はぁんっ、ああ、いいんちょう……さぁん、んひぁっ」  前後の穴を中途半端に刺激されて、コスモがくすぶった性欲を持て余している。そして、 ついには制服の上からでもわかるほど乳首を尖らせた自分の胸を揉み始めた。幼い顔立ち と小柄な肉体に不釣合いなほどに成長した乳房が自らの手によって形を変えていく。 「ひゃぁんっ、ひっ、いいっ、あっ、んんぅ!」  ブラが外れ、制服がしわになるのもかまわず、コスモは乳房に両手指を沈め、固く腫れ 上がった乳首を摘むと背をのけ反らせた。  それを見て木束はコスモに膣内に埋めていた眼鏡を引き抜いた。その代わりにアナルへ 挿し込んだ指はそのままに親指を膣の中に挿入する。会陰部の肉が薄いせいか、強く挟む と互いの指の感じ取ることができた。 「んふぅっ! ひゃあぁあああっ、そんらのぉっ、気持ちいいれす! やあぁっ!」 「コスモぉ……すげーいやらしいぜ。はぁ、はあぁ……」  いつしか木束も自分の股間に空いた手を伸ばして、露を含んだ陰毛に指を絡ませながら 熱い蜜液を滴らせる花弁を擦り立てていた。粘り気の帯びた水がはねる音とふたりの喘ぎ 声がよりいっそう情欲を盛り上げる。 「ああっ、あああっ、らめぇっ、もうっ……んやぁあっ!」 「はぁ、はぁ、イっちゃうのかコスモ。なぁ、イっちゃうのか? ふあっ、ひぁああっ」 「はひっ……! はいぃいいっ……!」  何度も頷くコスモを愛おしそうに見つめると、木束は彼女の性器に口を寄せ、すっかり 顔を出したクリトリスに吸いついた。 「やっ、やっ、やあぁああ! はっ、あっ! ふぁあああああんっ!!」  コスモが絶頂に達してその身を震わせるのを見届けてから、木束もまた自分の淫核を指 の腹で摘み上げる。 「ひぁっ! あ、んんっ、あ……っ、んあぁぁぁぁくっ!」  時間差で最高潮に達した快楽に襲われると、木束はコスモの腹の上に突っ伏すように倒 れた。そのまま荒く息をつき、絶頂感の余韻を味わうように秘裂を音を立ててかき回す。 「ふやぁぁ……はあぁぁ……」  ふと、木束が顔を上げると、コスモが放心状態でうわ言のような呼吸を繰り返していた。 だらしく開いた口から涎を垂れ流し、瞳の焦点を失ったまま、時おり引きつけを起こすよ うに小さく痙攣する。 「はっ、あっ」  不意にコスモが大きく身震いを起こすと、本人の意思とは無関係に「それ」が股間から 溢れ出そうとしていた。 「ま、まさか!? ちょっと待てぇ!」  木束が叫ぶのは無理もない。今まさにコスモは尿を漏らしかけているのだ。  事態を把握した木束は急いで部屋を見渡して何か受け皿になるものを探したが、そう簡 単に見つかるわけもなかった。  仕方なく木束は意を決すると、コスモの股間に顔を近づけて、その割れ目に口をつけた まま来るべき時を待つ。 「ん……ふあぁぁぁ」  自分の性器に木束が吸いついているとも知らないで、コスモは自然な生理現象としての 尿を漏らし始めた。 「ん……んぐ、んっ、んっ」  木束は一滴たりともこぼさない気持ちで、排泄物を飲み上げていく。さすがに健康的な 生活を送っているだけあって、コスモの尿は臭みも苦味もない。あまりの口当たりのよさ にいくらでも飲み続けることができそうな気すらしてきた。 「は……え?」  木束が音を立てて尿を啜っていると、ようやくコスモが目を覚ました。しばらく状況を 理解できないで夢心地の様子でぼんやりとしていたが、何故か股間に木束の頭が位置して いることと、妙にこそばゆい心地よさの正体を知ったとき、そこで本当の意味で覚醒した。 「い、委員長さん!?  な、な、な、何してるんですかー! ダメ! ダメー!」 「んあー、あにいあえてもこまんぞ、んんっ」  ろくに喋れないまま答えるが、錯乱しているコスモには何を言っても通じそうになかっ た。今はとにかく尿が収まるのを待つしかない。 「やですー! やですよー! 飲まないでくださいよー!」  木束の頭を撫でるような力で叩きながら、いっこうに止まらない排尿に泣きそうになっ た。普段は体内に溜まったすべての排泄物は直接トイレにテレポートさせていただけに、 まさかこんな形で痴態をさらすとは思っても見ない。しばらくコスモは木束が尿を嚥下す る音に耐えなければならなかった。 「ん……んぁ、はぁっ、おいしかったぜコスモ」  無意味に笑顔で木束が親指を立てた。  尿は止まったが、だからといってコスモの気持ちが慰められるわけでもなく、 「ひどいですよ委員長さん! 私の、その、お、おしっこを飲むなんてー!」 「バカ、あのまま垂れ流したらベッドが汚れちまうだろうが」  自分が正しいと言わんばかりの木束の前に立ち、コスモが駄々っ子のように暴れだした。 「うー! うー!」  身長差があるだけにコスモは膝で立っている木束の胸の辺りにしか手が伸びない。弾力 ある膨らみにせっかくの拳が跳ね返されて何の抗議にもならなかった。 「全然痛くねーぞ。ああもう可愛いなあコスモは」  こらえきれずにコスモを抱きかかえると、木束は顔を寄せて頬擦りした。そのままキス の雨を降らせて機嫌を取ろうとしたが、それでも誤魔化せないくらいにコスモは立腹して いるようだった。  木束はコスモをなだめる時間と今朝の後始末、学校に出かける準備にかかる時間を計算 すると、とうてい間に合いそうにないことを悟った。  時計の針はすでに8時を回っている。 「やっぱりこのままサボろーぜ?」 「委員長さんのばかー!」  小さな恋人の心からの叫びが今日最初の挨拶がわりとなった。

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