番外編2 おあずけ状態! リュムナデス無情 |
「文珠なんかじゃなくて...... やっぱり、ひとの温もりが欲しいんです......」 「お......おキヌちゃん!?」 美神を救うために、十二宮を突き進むおキヌと横島。 宮と宮との間の長い階段では、人外な体力を持つ横島が、普通の人であるおキヌを抱きかかえて運んでいた。クロスが邪魔でおキヌとの密着を楽しめぬ横島は、 「この姿勢が一番運びやすいから」 という口実で、片手をおキヌの胸まで伸ばしている。 ただし、ソッとあてているだけなので、おキヌには不快ではなかった。それでも、 (......もう!! 横島さんったら!! いつもは美神さんにセクハラしてるくせに、 美神さんがいなかったら、私に来るんですか?) というヤキモチじみた感情は持ってしまう。その結果、 (いいんです! 横島さんが、そういうつもりなら...... 私にも考えがありますよ!? 機会があったら、私のほうから 少しだけ誘惑しちゃおう! でも、こわいから『少しだけ』だけど......) と思っていたおキヌ。 もちろん、横島は、彼女の内心には気付かない。 そんな二人は、宝瓶宮の戦いで、一時、氷の棺フリージングコフィンに閉じ込められてしまった。 脱出後、おキヌは文珠で暖めてもらったが、むしろ、それを寂しく感じるのだ。 (やっぱり......私は美神さんとは違うんだ......) もしも相手が美神なら、横島のほうから『こういうときは、お互い素肌で暖めましょう』と抱きつくだろう。でも、自分に対しては別なのだ。 おキヌは、そう考えてしまったからこそ。 今、宮と宮との間の階段で。 まだ体が震えていることを活かして。 冒頭の一言、 「文珠なんかじゃなくて...... やっぱり、ひとの温もりが欲しいんです......」 を口にしたのだった。 そして、これに対して横島がとった行動は......。 番外編 宝瓶宮の後で...... 「そ......そうだね......」 ゴクリと喉を鳴らしながら、横島は、おキヌの言葉にうなずいた。 そして、走っていた足をとめ、周囲を見渡す。 ここは、宮と宮とを結ぶ階段なのだが、その脇に、人ひとり横になれる程度のスペースを見つけることが出来た。 彼は、そこに、おキヌをおろす。 そして、おずおずと問いかけた。 「こういうときって......やっぱり...... 服の上からじゃなくて、 生肌のほうが効果的だよな......?」 「は......はい......」 顔を真っ赤にして、おキヌは、首を縦に振った。 ___________ (恥ずかしいけど......。 でも、ここまでは嫌じゃないわ......) おキヌは、自分が横島を誘惑していると分かっている。しかし、これは半ばイタズラ心から始めたことだ。最後の一線まで許すつもりは、まだ、なかった。 では、どこまでならばOKなのか? 実のところ、おキヌ自身が理解していない。そもそも、自分の横島への好意が本当に恋心なのかどうか、分からないのだ。 かつて、ルシオラと横島が恋仲になったとき。妬いていたのは事実である。それでも、美神との会話の中では、 「女として......どーとか、 う......うばってやるとか...... だ、抱いてとか...... 自由にしてとか...... 忘れさせてとか...... メチャクチャにしてとか、そーゆーんじゃ......。 私、まだ子供なのかも......」 と、否定的な発言をしている。それが、当時の正直な気持ちだった。 そして、今でも結論は出ていない。 しかし、だからこそ、積極的な行動に出るのである。 (どこまでは嬉しくて、どこから先が嫌なのか。 それが分かれば、気持ちもハッキリするはず......) 許容出来ることには身を任せるが、もしも、拒絶を感じるラインが出てきたら......。 そこが、気持ちの限界なのだ。 おキヌは、そう考えていた。 (横島さんだって......こういうの嬉しいのよね?) おキヌは、横島がスケベであると知っている。 だから、どこまでであれ、女性がスキンシップを許せば、それは彼を喜ばせることにもなると信じていた。 実経験ではなく、週刊誌やワイドショーから知識を得ているだけに、『中途半端なところで止められたら、オトコとしては、かえって辛い』という可能性は想定していないのだ。 (横島さん、優しいから......。 私が拒絶したら、そこで止めてくれますよね?) 横島を過信するおキヌであった。 ___________ 「おキヌちゃん......」 「横島さん......」 二人の若い男女は、今、裸で向き合っていた。 おキヌは、横島が視姦しているのを感じている。恥ずかしいけれど、それで彼が喜んでくれるのであれば、おキヌも嬉しかった。 そして、おキヌ自身も、横島の裸を凝視していた。特に、一点から目を動かすことができない。 (す......すごい......。 これが......!?) それは、ビィンと天に向かって突き出している。 (男の人って......。 こんなに上向いてて、オシッコするとき困らないのかな?) 平常時を知らぬおキヌは、そんなノンキな疑問も持ってしまう。 一方、横島は、『ノンキ』とはほど遠い状態だ。ここで止められたら、まさにオアズケである。早く先へ進みたかった。 「おキヌちゃん......それじゃあ、 横になってくれるかな?」 「は......はい......!!」 いよいよ、二人の肌と肌が密着するのだ。 おキヌは、ドキドキする。しかし、少しだけだが、ワクワクする気持ちもある! そのことに、自分でも感激してしまう。 (私......やっぱり...... 横島さんのこと好きなのかな!?) と思いながら、脱いだ衣服の上に横たわったおキヌ。そんな彼女に、横島がおおいかぶさってきた。 (あ......これが......横島さんなんだ......!!) 全身でお互いを感じながら、全裸で抱き合う二人。 「おキヌちゃん...... もしかして......俺が重い?」 「平気です......」 横島の体重がのしかかることなど、今のおキヌにとって、別に不快ではない。存在を強く感じることができるから、逆に嬉しかった。 その気持ちをこめて、おキヌは、彼の背中に回した腕にギュッと力をこめた。 「むしろ......もっと......くっついてくださいな」 「うん......わかった......」 ベッド代わりの衣服と、おキヌの背中との間に、横島の腕が入ってくる。おキヌ同様、彼も彼女を強く抱きしめたいのだ。 「横島さん...... ずっと......このままで......」 「うん......。おキヌちゃん......」 おキヌの体は、小さく震えていた。 寒さからではなく、恥ずかしさと......そして悦びで。 ___________ 「熱くて......気持ちいい......」 「えっ!? おキヌちゃん?」 「いや、なんでもないです!!」 小さなつぶやきだったが、何しろ、密着しているのだ。おキヌの言葉は、ハッキリと横島の耳に届いていた。 熱くて気持ちいい。それが何を意味しているのか、同じ心境なだけに、横島にも明白だった。 触れ合っている局部の熱さを、お互いに感じていたのだ。 (うん、気持ちいい......。 だけど......ジッとしてなんか、いられねーぞ!?) このまま静止していることなど不可能だった。横島は、こすりつけるように腰を動かしてしまう。 「......えっ!? 横島さん、何を......!?」 驚くおキヌ。だが横島は、その口調に含まれる響きを、正しく理解していた。 (あんまり......いやがってない......!? それならば......!!) こういうとき、男は、弁が立つのだ。 「ほら、俺たち、今、 おキヌちゃんの体を暖めるために抱き合ってるんだよな? それなら......体を動かしたほうが...... こすりあわせたほうが、もっと暖まるだろう?」 「......そうですね」 おキヌも嬉しかった。実は、彼女にだって、わずかだが、下半身がモジモジする感覚があったのだ。 「じゃあ......私も......」 横島の体で地面に押し付けられているおキヌは、大きく動くことは出来ない。それでも、彼女なりに、下半身を動かし始めた。 全裸で抱きあう若い二人が、お互いの秘所を押し付けあうようにして、こすりあわせる......。 ___________ 横島の言いわけによれば、これは、体を使った乾布摩擦みたいなものだ。横島の全身が、おキヌを暖めるための道具なのだ。 だから、彼は、下半身だけでなく上半身も動かしている。 そして、自分の胸にあたるおキヌの乳房のふくらみを、シッカリ感じていた。 (うう、やわらかい......) おキヌの胸は、美神のような巨乳ではないが、決して貧乳でもない。スレンダーな体に似合う程度の豊かさはある。 (生チチを生肌で感じるのって、こんなにも気持ちいいのか! おキヌちゃん、サイコーだ!!) チチだけではない。おキヌの両脚は、横島の両脚でガッチリ挟まれている。だから、太ももの感触も満喫している。 そして、背中に回っていた両腕のうち、右手は、いつのまにか臀部に移動していた。 つまり、今、横島は......。 おキヌのチチ・シリ・フトモモ、その全ての感触を、思う存分楽しんでいるのであった。 ___________ 一方、おキヌも、横島の全身で摩擦されているというだけで、心が満たされていた。同時に、体のあちこちに快感が走ってしまう。 例えば局部。横島のソレ自身が押し付けられているのだ。感じるなというほうが無理である。 そして乳首。横島の胸でこすられているのだ。その引き締まった胸板に、強く『オトコ』を意識してしまう。 (横島さん......!! ジンジンします......。 もっといじって〜〜!!) しかし、恥ずかしくて、とても口には出来ない。 いや、もしもハッキリ告げたところで、横島には無理だっただろう。すでに、そんなタイミングだった。 ___________ 「ご......ごめん、おキヌちゃん! もう出る!」 実は、横島のほうに、限界が来ていたのだった。 挿入こそしていないものの、ずっと性器をこすりあわせていたのだから。 「えっ、ええっ?」 わけが分からず聞き返したおキヌだったが、答は、言葉とは違う形でやってきた。 ピュピュッ! ドピュッ!! ドピュッ......! 横島の先端から出た白濁液が、おキヌの体にふりかかる。最初の一滴は頬まで届き、残りの大部分は胸をおおった。 (あったかい......。 これが、横島さんの『赤ちゃんのもと』なんだ......) おキヌは、小さい子供や赤ん坊が好きだ。 幽霊となる前は、おキヌ同様に孤児となってしまった子供たちを、姉のような立場で世話していた。 また、少し前に美神の妹が産まれた時には、頻繁に、赤ん坊に会いにいっていた。 そんなおキヌだから、好きな男性の『赤ちゃんのもと』には、特別な意識を持ってしまうのだった。 ___________ 「ごめん、汚しちゃって......」 横島は、体を離して、あらためておキヌの全裸を眺める。 彼自身の体液で汚されたおキヌは、なぜか、色っぽかった。 自慰行為で出したときには、まさに汚物でしかない白濁液なのに、今は、それすら、おキヌを美しく際立たせるための小道具となっているのだ。 顔についた一滴は、セクシーなほくろのようだ。そして、桜色に上気していた胸と、それを飾る白液とのコントラストも神秘的だ。 (触りたい......。 今のおキヌちゃんに、この手で触れたい......) さきほどまで全身で感触を楽しんでいたはずなのに、この瞬間、そう思ってしまう横島だった。だから、 「お......俺が、手でふいてあげるよ。 俺が汚しちゃったんだから、俺がキレイにしないとね」 「え......?」 「遠慮しなくていいからさ......」 そんな言葉が自然に出てくる。 おキヌが小さくうなずいたのを見て、横島の手が、胸へと伸びた。 ___________ (あん! 横島さん......!!) 男の指が胸の頂きに届くと、女は、嬌声が出そうになった。 だが、おキヌは我慢したのだ。 今二人が行っているのは、性行為ではない。体を暖めあっているうちに起こったハプニングの後処理に過ぎない。だから、あえいではいけない。おキヌは、自分に、そう言い聞かせるのだった。 (あんっ!! いいっ!!) それでも、おキヌは感じてしまう。 さきほどから、すでに乳首はビンビンに勃っていたのだ。胸板で大雑把にこすられるだけでは、我慢出来ない気持ちもあったのだ。こうして手で直接触られることは、まさに体が望んでいたことだった。 「ここに......いっぱい...... かかっちゃったみたいだね」 「あっ......そっ......そうです......。 だっ......だから......そこを......もっと......」 横島が、おキヌの胸の突起をいじりながら問いかけた。おキヌの返事に応じて、彼の右手が、両の乳首を行き来する。指先で先端を愛撫し続けるのだ。 そして、左手は、おキヌの全身をまさぐっていた。 「こんな感じで......いいかな?」 白濁液を拭き取るという口実だが、横島がやっていることは、むしろ、それを塗り広げていることだ。 ベタベタしたものが体に広がっていく感覚。それは、普通ならば不快感になり得るのに、おキヌは、むしろ心地よく感じてしまう。 (不思議......。 これも...... 横島さんの『赤ちゃんのもと』だからなのね) 今、自分は、彼の『赤ちゃんのもと』を体で受けとめている。だから気持ちいいのだ。 そう考えると、下腹部がジンと熱くなってくる。 (私......もっと欲しい!) おキヌは、ゆっくりと体を起こした。 そして、彼に対して、ニッコリ笑いかける。 「ありがとうございます。 今度は、私の番ですね!」 「......えっ!?」 「横島さんにふいてもらったんだから、 今度は私が......横島さんをお掃除しないと......!!」 おキヌの視線は、横島のモノに向いていた。 それは、依然として固く、上方へ突き出している。そして、先端部には、彼自身の液がまとわりついていた。 「お......おキヌちゃんがそう言うなら...... お願いしようかな......」 おキヌの瞳には、妖艶な潤いがあった。横島にとって、こんなおキヌを見るのは初めてである。ついつい、色々と期待してしまう。 そして、おキヌは、それを裏切らなかった。 「はい......。 でも......こんな複雑な形をした部分、 うまく手でお掃除できないですから...... 口と舌を使っていいですか......!?」 「......!! もっ、もちろん!!」 さんざん女性週刊誌は読んでいるのだ。おキヌには、ちゃんと知識があった。 (まさか、こんなことするなんて思わなかったけど......) 男性の性器を口で愛撫する。そんな行為を初めて知った時、おキヌは、とても驚いた。尿が出る部分を口にするなんて、なんて下劣だろうと感じたのだ。 しかし、今、横島のモノを前にしてみると、全く違う。むしろ愛おしいのだ。 だから、まだキスすらしたことない唇を、そこへかぶせてしまう。 カプッ!! ___________ (す......すごい...... とろける......ああ...... こんな気持ちいいことがあったなんて......!!) 横島は感激していた。 おキヌは、口を精一杯開いて、横島自身をくわえこんでいるのだ。しかも、これは『複雑な』部分を『お掃除』するという名目で始まったフェラチオである。 だから、あたたかい口内にただ包まれているだけではない。カリ首やウラスジなど『複雑な』部分を、おキヌは丁寧に舌でぬぐってくれているのだ。 もちろん、おキヌにとって初めてのフェラだ。その技術は拙い。しかし、これは、横島にとっても初めての経験だ。十分気持ち良かった。 「気持ちいいですか?」 と、声に出せないおキヌは、時々、視線で問いかけてくる。この上目遣いがまた色っぽい。 「うん......すごい......つづけて......」 と、つぶやく横島。 だが......。 この気持ち良さは、ずっと続く種類の快感である。 男には、もっと刹那的な快感も必要なのだ。 だから、彼は、さらなる要求を口にした。 「おキヌちゃん......」 「......?」 「できたら......そのまま口を上下させるか...... あるいは、手でこすってくれるかな......?」 ___________ (......!!) 一瞬驚いたおキヌだが、すぐに意味を理解した。 (出したいんですね......!? 横島さん......) これでは、出るものが出ないらしい。それでは可哀想だ。それに、おキヌとしても満たされない。 なにしろ、おキヌだって『赤ちゃんのもと』を受けとめたいからこそ、この行為を始めたのだ。 彼のモノをくわえたままコクリとうなずいて、おキヌは、口を上下させ始める。 ジュブッ! ジュブッ! ズルズル......!! 女性週刊誌には、動画はついてなかった。ワイドショーでも、フェラチオまでは扱われない。だから、どう動かすべきなのか、おキヌは何も知らない。それでも、ただ女の本能に従って行動していた。 (ください......私の口の中に...... 『赤ちゃんのもと』を出してください......) そう一心に願いながら、行為を続ける。 「ああ......そう......そこ......その感じで......。 いいよ......おキヌちゃん......」 横島の気持ち良さそうな声が聞こえる。それも、おキヌには心地よかった。 彼の反応を確かめながら、時々、おキヌは、手も使う。口は軽く先端をくわえるだけにして、代わりに、手で幹の部分をこするのだ。 「う......それもイイ......」 おキヌにも、少しずつ、コツがわかってきた。 同じ動きを続けすぎてもダメ。単調にならないように、多少のバリエーションが必要。でも、もちろん、その『バリエーション』は、気持ちいいことだけで構成したほうがいい。 (横島さん......いっぱい感じてくださいね) 手や唇や舌だけではない。歯を軽くあてることも、敏感過ぎない部分には効果的なようだ。 そうして、色々と学習していくうちに......。 (え......!? これって......!?) 口の中の彼のモノが、突っ張ったように、いっそう太くなる。おキヌが、それを感じたとき。 ___________ 「おっ......おキヌちゃん......!!」 横島の叫びとともに、熱いモノが飛び出してきた。 それは、おキヌの喉にぶちあたる。そして、あとからあとから出てきては、口内をいっぱいに満たしてゆく。 (う......。しょっぱい......。ちょっとヘンな味......! でも......なんで? なんで......私、これを『おいしい』って思うんだろ?) 自分の感覚に戸惑いながらも、おキヌは、それを飲み下していく。 (そうか......!! |