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このサイトでは、お尻叩きのお仕置きが出てくるお話を置いています。
現実のお仕置きを推奨する意図はありませんが、ご理解のうえお楽しみください。

プレゼントのお願い

クリスマスの朝目覚めると。
女の子の枕元には大きな大きなテディベアがありました。
こっそり、あこがれていたぬいぐるみ。

女の子はびっくりして。

ベッドの上、パジャマのままでそおっとテディに手を伸ばし、
抱えられないほどの大きさのその子をおそるおそる、それからぎゅっと抱き締めました。
ふんわりと、あったかい。
やさしいその肌触りを感じながら、女の子はじっと動けないでいたのでした。

「おはよう、メリークリスマス。・・・おや」

朝のあいさつに入ってきたパパは、テディベアごと腕の中に女の子をすっぽり包み、いいました。
「クリスマスおめでとう。なんだか、元気がないじゃないか。
サンタクロースにプレゼントを間違えられでもしたのかい?」

女の子は首を横に振ります。

「ううん。そう、じゃない」

「それはよかった、でも悲しそうだね。いったい、どうしたんだい?」
テディに顔をうずめる女の子。
「・・・かなしくなんてないよ。うれしいんだけど、けど・・・」

「けど?」

女の子は口をつぐみました。
「ううん、なんでもない。メリークリスマス、パパ」

なんでもない、なんて。
パパはテディとその子を抱く腕にすこし余計に力をこめていいました。

「なにか、気になっていることがあるなら言ってごらん。
パパがサンタクロースに話しておくことができるかもしれないぞ?」
「うん、でも・・・」
「今日はクリスマスだよ。心配ごとがあったら楽しめないだろう?
パパはおまえが楽しいクリスマスを過ごせるようにしたいんだ」
「うん・・・。ありがとう、パパ」

・・・・・・。

ありがとう、とは言っても女の子の表情は沈んだままで。
パパがずうっと抱いていると、しばらくして、ぽつりと呟きました。
「サンタさん、配達まちがえたらプレゼントとりもどしに来るのかな」
パパはぎゅうっと腕に力をこめて答えます。
「サンタさんは、配達を間違えたりしないよ、大丈夫」

「・・・でも!」
女の子はぎゅうっと強くテディを抱き締めています。
手放すのが怖いようなその力の入れように、パパはあやすように娘の肩を叩きました。

「大丈夫、そのぬいぐるみは間違いなくサンタクロースからおまえへのプレゼントだよ。
パパはちゃんとそう聞いたんだ」

女の子のお顔は、こわばったまま。
「・・・じゃあ・・・」
何か言いかけて、でもその言葉はくるんと飲み込まれてしまったのです。

「じゃあ、何かな?何か気になるんだね、話してごらん」
きっと話してしまうまで、楽しいクリスマスにならないだろう?
パパはいろんな優しい言葉で女の子に誘いかけましたが、女の子は首を振るばかりでした。

そんな女の子に、パパはふっと息をつきました。
「・・・気になることが、あるようだけど。それはそれとして、
このぬいぐるみはおまえのだよ。名前を付けてくれるかい?」
「え・・・?」

「サンタさんからのプレゼントだからね。 名前を付けて、大事にしてやってほしいな」
「え、でも・・・」
女の子はやっぱり、ためらいました。

その様子を見て、パパは静かに尋ねます。
「サンタさんからのプレゼント、もらえない、って思うのかい?」

女の子は少し固まって、それから。ちいさくちいさく頷きました。
泣きそうな顔で、でもきゅうっとテディを抱き締めながら。

「そう、か」
パパの声は、とてもしっとりしていて。
女の子の胸もきゅうっと締め付けられるようでした。

ところが。
「なあ、うちの娘はこう言っているけれど、君はどう思う?」
突然のその言葉に、女の子はびっくりして。
見ると、パパはまじめにテディベアを見ていました。
そして、ふわっと笑います。

「この子は、おまえのところに来たがってるぞ?名前を、付けてほしいって」
「うそ・・・」
「パパは嘘なんか言わないよ。この子は、おまえの友達になりたいって思ってる。
そうできない事情があるのなら、それを片づけて、早くおまえのそばに行きたいって」

・・・・・。

「何か、いい子じゃなかったって思うことがあるのかな?」
戸惑う女の子に、パパの声はあくまで優しく。

「この子がそう思わせてくれたなら、やっぱりこの子はおまえのだよ」
だってこの子は、おまえにいい子になってもらいたいって思ってるんだ。

そんなこと、あるわけないって思うのに、女の子は思わずテディを見つめてしまいます。
パパと同じくらい優しいテディの目。
そんな目で見てもらえるようないい子じゃない、のに。
テディはふんわりして、あったかくって、優しくて。
手放したく、ないのでした。

「サンタさんは、配達を間違えたりしないよ。だから、言ってごらん、気になってること」
この子も、おまえが言えるのを待ってるよ?

そんなこと、あるわけないのに。言いたくないのに。・・・でも。

「・・・・・、パパ、あの・・・あのね」
「うん」

パパの胸はあったかくて。
テディも腕の中でふわふわしていて。
がんばって、って聞こえるはずのない声が聞こえる気がしました。

「ピアノのれんしゅう、してないの・・・」

ママに聞かれたとき、もうやったよって、言っちゃったの。
それでね、ママに聞かれたら、たぶんわかっちゃうから。
だから、きのうも、その前も、そのまた前も、やってなくって。
おけいこのとき、せんせいには、おかぜをひいてれんしゅうできなかったのって、言って。
ずうっとれんしゅうしてなくて、たくさんうそついたの・・・。

「おや」
それはパパの知らない事実でしたから、内心驚きはしたのですが。
その驚きは丁寧に隠して、穏やかに相槌を打ちました。
「そうかい。言えなくて辛かったね」

うん、でも。
叱られるの、怖かったから。だから、言いたくなくって。
そしたら、いつの間にか、・・・うそでいっぱいになっちゃった。

悪い子だって知られたら、サンタさんが来てくれないってことも、すこしは、思ったかも。
でも。

「・・・・・。」

女の子はぎゅうっとテディを固く抱きしめて。
不安げな顔でパパを見上げました。

「ちゃんと言えて、いい子だね」

そんなこと、ない。だって言いたくなかったって思うんだもん。
テディが胸の中でふわふわしてるのが、ほんとは辛くて。とっても、気持ちいいのに。
女の子は見上げたパパの真面目な目を見続けることができなくて、胸の中のテディベアに目を落としました。
テディはやっぱり優しい目。

ん・・・、ちょっとだけ、ちょっとだけほっとした、かも。
どうして、なんだろう。

「いけないことをしたら、なんて言うのかな?」

わからないことだらけの気持ちに戸惑っていた女の子は、
パパの問いかけに、慌てて答えました。

「あっ、・・・ごめんなさい」

「そうだね」
パパはにっこり笑います。

「あとで、ママにもごめんなさいできるね?」

「・・・・・。う、うん」
できる、かなあ。ごめんなさいって言うこと考えると、どきどきしちゃうんだけど。
女の子は、自分でも気づかないうちにテディを抱き締める手にまた力を込めました。
ごめん、なさい。
胸の中でだけだったら、ちゃんと言える、けど。

「だいじょうぶだよ、おまえは、とってもいい子だから」
「・・・・・。」
「嘘をついたことも、練習しなかったことも、良くないってわかっているね。・・・おいで」

女の子を抱いていたパパは、いったん、娘をベッドに下ろしました。
視線を合わせて、ゆっくりお話しして、それで。

「おいで」って声は変わらず優しかったけど、女の子は唇を噛みました。

や、怖い・・・けど。痛いの、いや、だ、けど。

腕の中のテディベアは、やっぱりあったかくって。
がんばれ、って。・・・・・。テディがしゃべるわけじゃないんだけど。
そんなこと、ちゃんと知ってるけど。でも。

女の子はぎゅうっとテディを抱いたまま、パパに一歩近づいて。
もともと、パパとそんなに離れていたわけじゃなかったから、
パパはそこでもういちど女の子を抱き上げました。
もちろん、大きなテディも一緒にふわりと。

「もう、嘘はつかないね?」
「う、うん」

自分の返事を、パパだけじゃなくてテディが聞いてる。
テディはなんにも言わないけど。

「ひとつ嘘をつくと、どんどん嘘を重ねることになるのも、わかったね?」
「うん・・・」

悪い子だったなって、思ってかなしくなる。
なのに、パパの言葉も胸の中のテディもあたたかいのはなぜだろう。

「いい子だ。それじゃあ、ちょっと我慢するんだよ」
ここでいい子だって言われるのはおかしいよね、と女の子は思いましたが、
パパがまじめに言っているということもわかるのでした。

ぺちぃん!
「うぇ・・・」
パパは女の子のパジャマも下着も下げてしまって。

ぺちぃん!
「・・・やぁん、」
ぺちぃん!

ぺちぃん!
パパの大きな手は、女の子の小さなお尻に真っ赤な跡を残します。
ぺちぃん!
「やぁ・・ぁ・・・いたぁい!」
ぺちぃん!

痛い、と泣きながら、でも女の子は泣いたって仕方ないことはわかっていました。
ぺちぃん!
「痛いね?」
パパがそう尋ねるのに、こくりと頷いて。

ぺちぃん!
だって怒られてるんだから、痛くないわけない。
ぺちぃん!ぺちぃん!
「ふぇん・・」
ぺちぃん!

ぺちぃん!ぺちぃん!
「痛いってこと、苦しい、かなしい気持ち、忘れないで」
ぺちぃん!
パパの手は痛いのに、パパの声はどこまでも穏やかなのでした。

女の子のお尻がたっぷり熱くなってから。
ぺちぃぃん!
ひとつ大きな音を立てて、パパは手を止めました。

「さぁ、お終い。
ちゃんと我慢したね。おまえはとってもいい子だよ?」

女の子を膝の上に抱き上げて、パパはじっとその目を見つめました。
「ううん・・・」
思わず首を振りかけた女の子に、パパはそっと「だめだよ」とささやいて。
女の子ははっ、とパパを見上げました。

「いま言わなきゃいけないのは、それじゃないよ。がんばれ」

どういうことだろう。わからない・・・ような。
パパの目は、やさしい、のに。

「このぬいぐるみは、確かにおまえのだよ。わかるかい?」

「・・・・・。」

あたたかい、いい子のためのサンタさんのプレゼント。
わたしの。
・・・いい子じゃない、わたしの。 ・・・。
だめだよ、って、おまえのだよ、って、パパは言う。

「・・・・・。」

おまえはいい子だよって、パパは言う。
パパの目は、まじめで、やさしくって、でもやさしいだけじゃない。
テディベアのくりっとした黒い目も、腕の中から女の子を見上げていました。

いらない、なんて言えない。・・・。
腕の中のテディは、やっぱり、がんばれ、って。
女の子は、もういちどパパの目を見上げました。

いらないなんて、言わない、から。

「・・・あの、あのね。
・・・・・、うそついたり、しない、から。がんばる、から」

ぎゅぅっと。
パパは女の子を抱き締めてくれました。
「メリークリスマス」と囁いて。

そしてパパの腕から解放されたとき、女の子もテディをきゅっともう一度抱き締めました。

ふんわりとした、やわらかい、大きなテディベア。
がんばる、よ。

パパの真似して、腕の中のその子にメリークリスマス、とささやいて。
いい子でいたい、いられたらいい、って、女の子は願うのでした。


2013.12.15 up
なんと4年越しで書いてたクリスマス。
ファイルのタイトルが、2010年クリスマスになってたのを見てびっくり(苦笑)。
素材はmappyさまのはずなんですが、すでに閉鎖で確認取れない…(T_T)。
でもこれ以上のものなんて選べない!(←すごく気に入っているということで)。

違うお話のクリスマスプレゼントでもテディベア出てきてて、
黒猫のぬいぐるみとか(←魔女宅のイメージ)も考えたんですけど、
やっぱりふわふわもふもふが恋しいのでした。


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