「21時、ノート返すよ。ひとに写させるなんて、やめなさい」
「やだ、月君!え、20時に貸したのに」
「20時にも言ったけど、こういうのはルール違反。何より20時のために、ならないでしょ」
「でっ、でも、頼まれて。たまに時間なくなっちゃうの、よくわかるし」
「21時。君にしても20時にしても、テレビ見てたから時間ないなんて、認めると思う?」
「それは、月君あんまりドラマ見ないから…。見逃したくない気持ち、わからないでしょ」
「そうだね、お昼休みにまで昼ドラを見たいっていう21時の気持ちは、正直理解できないけど」
「あ、やだ、月君、知ってたんだ」
「まあね、それはともかくとして。そういう気持ち全部考えても、課題、しなくていいのかな」
「う…。それは」
「21時はわかってて、だからちゃんとやったんでしょ。20時のことはどうでもいい?」
「そういう言い方は……」
「怒ってくれるなら、有難いね。ほかに20時のためにできることなかったの?」
「……。」
そろそろあきらめた?それじゃ、ちょっと反省しようか。
そう言って、結構たくさん叩かれた。
「20時と同じだけ。どっちも悪いって、21時は分かるよね?」なんて、もちろん返す言葉はない。
「ちゃんと、ほんとに手伝ってやれよ、友達だろ」
月君の言葉は、ドラマみたいに胸に痛い。この話、ハッピーエンドにできるかな…?
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