「20時、いま課題やってるの?って、これ……21時のノートだね」
「うわ、月君!えーと、その」
「ほら、来なさい。こういうのはルール違反」
「えっと、だって、時間なくって」
「ふぅん、同じ番組見てても、21時は課題仕上げてるのに」
「えー、だって。21時の方が頭いいしさ。あたしの方が要領悪いし」
「そう思うなら、なおさらこの手法はない。差が開くだけ、20時のためにならないし」
「別にそれはいいんだけど」
「よくないよ。21時も叱るけど、課題は自分でやりなさい。これは21時に返しておくから」
「え〜?横暴だよ」
「何か言った?素直に聞けないんだったら、素直になるまで叱るから別にいいけど」
「そ、そんなぁ」
叩かれて、「わからないなら写すんじゃなくて、21時に教えてもらいなさい」って。
うーん、二人でいたらドラマの話になっちゃうんだけど。
そう言うと、僕が教えるのでも構わないけど?とつれない返事。
優しいじゃないって?ご冗談を!
それは割に合わないの。絶対手が出るんだもん。
でも最後には約束させられた。できる限りは自分でやる。わからなかったら聞きに行く。人のノートは写さない。
…月君がどんなに成績よくたって、聞くなら絶対21時に。これ以上叩かれたくはないもんね。
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