「17時、好き嫌いは仕方ないけど、言い方ってものがあるよ」
「月、んなこと言ったって。お前だって嫌いな奴多いだろ」
「多いね。だけど言い方があるだろって言ってんの。
好きじゃなければ断るのは当然だよ、だけどわざわざ傷つけたろ?」
「さあ、どーかな。風紀委員って、そんなとこまで口を出すわけ?」
「そういう言い方も。僕に喧嘩売りたいなら買うけれど、なに苛ついてるの」
「別に、苛ついてるわけじゃ」
「僕にそこまで言わせたい?傷つけたこと、後悔してるだろ」
「んなこと!」
「そんなことないって、言いたいなら一応聞くけど。どこまで言う?
先を考えて言えること言えよ、言えなきゃまずは黙ってろ」
「……それで。じゃあ月は俺に何を言うんだよ?」
「もう言った、もうないよ。17時から言うべき一言が欲しいだけ」
「黙れと言ったと思えばそれかよ! ………。」
「で?」
こういうときのこいつは真剣さが怖い。
そう思わされるのはこっちに引け目があるからだって、分かってるってのも痛い。
結局、大きく息をつく。「悪かった」
ほっとしたように月も息をつき、それに俺もほっとした。
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