「15時、何食べてんの」
「太陽くん。マドレーヌどう?結構自信作だよ」
「お、確かに旨いな。15時が作ったんだ?」
「うん、美味しい?嬉しいな」
「おいしかったよ、ご馳走さん。で、15時。さっき授業中に10時たちと食べてたっての、これ?」
「え?あ、やだ、何で知ってるの?」
「さあね。で、俺の用件わかるな?」
「えへへ。だって、お腹空いちゃったんだもん。世界史って苦手だし」
「苦手だからってのは、余計だめだろ」
「え〜?太陽くん、もう一個どう?」
「くれんなら有り難くいただくけど、話は変わらねぇぞ」
「あはは……。やっぱだめ?」
「だめ。あんまり聞き分けないと、次から没収するぞ?15時も嫌だろ、それじゃ」
「う〜〜。ごめんなさい、それは困る」
「じゃ、ちょっと泣いとけ?休み時間と授業はちゃんと区別しろよ」
「う、ほどほどに…」
結局、かなり泣かされたんだよね。
「びくびくしながら食べても、おいしくないだろ?折角うまいのに」
ええっと、スリルが味付けになるってこともあるんだよ?……そんなこと、言っちゃうから長引くんだけど。
授業はちゃんと聞く、苦手だからって逃げないっていろいろ約束させられて。
でも太陽くんが「うまかったよ」って笑うの見ると、恨めない。がんばります、って思っちゃった。
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