「10時、何やってんの、こんな時間に、こんなところで」
「うわっ、太陽?見てのとおり、早弁だけど」
「いまからじゃ、3時限目に間に合わないだろ、ほら、予鈴鳴ってるし」
「お前がこなけりゃ2、3分遅れで済んだんだよ!」
「多少の遅れは前提ってわけだ。とにかく今日は戻れ?」
ツイテねぇ。結局全然食べられなかったし、後があるよな。
とにもかくにも腹は減るので、4時限目前には教室で食べちまったわけだけど。
昼飯は購買のパン。満腹になったあたりで、そろそろかな?
「10時、昼メシ食った?」
「ハイハイ、いま行くよ」
俺の態度になんでか太陽の横にいる月が顔をしかめてる。
太陽の方は気にしちゃいねぇようなんで、別に俺も気にしないけど。
「月も一緒なの?」
聞くと月は何も言わずにどっかに去ってった。
なんだかなぁ。あれでも気を遣ったってゆーんだろうか。
生徒会の控室で二人きりってのも嬉しくねぇけど。まあ、2対1よりましか。
「10時、いつも旧校舎裏で食べてんの?」
「うーん、ときどき、かな?天気が良ければ」
「まあ、早弁するなとは言わねぇけど。授業に間に合わない前提ってのはまずいだろ」
「太陽にそー言われんのって意外だ…。これ、月の役回りじゃねぇ?」
「しょーがねーだろ、俺が見つけたんだから。なんなら代わるけど?」
「あ、いや、いーです。どっちかってったら太陽の方がいい」
「別に俺だからって甘くしねえぞ?お前、月を追い払っちまったし」
あー。月の前なら、太陽の判断で手加減してくれたのかー。
いやいや、でも。月より太陽の方がいい。
「まぁいいや、わかってんだったらさっさとそこ手ぇ付いて。俺だってやだぜ?」
「うー、ハイ、悪かったよ」
ほんっとに手加減してくんなかった。痛てぇって。
まあ、月も太陽も怒るんだったら、確かに止めといたほうがいいのかなぁ。
|