「06時?優等生の君が、一体何してるのかな」
「優等生だなんてとんでもない。月さんこそ、ここで何を?」
「ときどき僕か太陽が見回りに来てるんだよね、ここ。
普通はこんな朝早くには来ないんだけど、虫の知らせかな。
屋上は立ち入り禁止だって、知ってるよね?」
「気持ちのいい朝ですよね。
立ち入り禁止だなんて知りませんでしたって言ったらどうします?」
「風紀委員の自覚が足りないんじゃないって、厳しくするかな」
「知ってますって言ったら、わかってて違反するなんてって、厳しくするんですよね」
「そうだね」
「結局変わらないんですね、月さんらしいですけど」
「光栄だね。で、覚悟はいい?」
「え、えっと……」
「来なさい。わかってたんでしょ?言い訳はなし」
誰も来ないし、誰からも見えない場所ではあるんだけれど、屋上で叩かれるのは恥ずかしい。
もちろん、見つかったら叱られるってのは、わかってたんだけど。
朝ならたぶん見つからないって、思っていたのに。
危ないから禁止なんだよ、いいね?って、見透かされたように言われて私はさらに真っ赤になった。
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