「え〜っと、その、あの」
一瞬目を泳がせた僕の腕を、問答無用でひっつかんで膝の上。
「やだよ、やめてよ!証拠なんて何もないじゃん!」
「そうだな、それで?」
たっぷり叱られて、ごめんなさいって何度も叫んで。
ようやく解放されていまはあったかい膝の上だけど。
「どうしてわかるの?」
「どうして、って、なぁ」
聞いてはみるけど自分でも分かってる。
あそこで目を泳がせるのが敗因だよね。
「・・・もすこし上手に嘘つけるように、なりたい」
叱られるかな、って思いつつ。
冗談のつもりも混じえて、そう言ったら。
「かなしいこと言うなよ、なぁ」
う。
嘘がつけない、小心者。
泳ぐ目は僕より素直、僕の大事な一部らしい。
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