涙を拭いて、笑って言った。ありがとう。
思ってるだけじゃ、伝わらないって。
何度も、何十回も、もしかしたら何百回でも。
あなたは私に伝え続けた。
ごめんなさいが言えなくて、いっぱい叱られたよね。
ごめんなさいって思ってるんだろう?
見透かすあなたの声がくやしい。
わかってるよ、でも、言わなくちゃ。
言わなきゃちゃんと、伝わらないよ?
泣いててもだめ、黙っててもダメ。
ごめんなさいって言ってごらん。
言うまで絶対、手を止めてくれない。
痛いのに。こんなに泣いているのにね。ごめんなさいって、思ってるのに。
言って相手に伝えること。言って自分に認めること。
できるまで許してくれなかった真っ直ぐなあなた。
あなたの手の後押しで、なんとか私も素直になれた。
ね。確かに、そうなんだよね。
黙ってても伝わらない。
伝わっててもさ、それじゃ足りない。声が聞きたい。
「ごめんなさい」
ようやく言えた私はひと息、泣き笑いで深呼吸して。
言わないと伝わらないのは、ごめんなさいだけじゃないよね。
ありがとう。
伝わってたかな。どうかしら。
おおきな感謝で涙を拭って、笑顔であなたに捧げる言葉。
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