結構きつく叩いたから、手を止めてしばらく経つけど君はまだ泣いている。
下を向いたまましゃくりあげている君の髪を撫でてあげたくて手を伸ばしたら、
気配を感じて君はぴくん、と怯えた。
行き場を失った僕の手は宙を彷徨い、君に届かずに帰ってくる。
君を怖がらせてしまうなら、僕はここにいない方がいい。
さっき彷徨った手を握り締めてそっと部屋を出ようとしたら、 きゅっと裾を引かれた。
「・・・・やだ・・・」
まだ俯いて泣きながら、さっき何度も繰り返したのと同じ言葉。
けれど含む気持ちが違うことは僕にも君にも何故だかわかる。
不思議だよね。
そっと君の体を引き寄せたら、こんど君は抗わなかった。
どうかこのまま君の傍に、
君の涙が乾くまで。
|