77777Hitアンケートのささやかなお礼でした。

たのしいキッチン

「きゃはは」
食器をカチャカチャいわせながら、雷太が遊んでる。まだお皿の上にはソーセージとじゃがいもがいくつか残ってるけど、雷太はじゃがいもをフォークで切るのが楽しくて仕方がないみたい。

「雷太、食べもので遊ぶんじゃありません」
もうお腹いっぱいならごちそうさまする?
かあさんが怖い声と優しい声を使い分けながら言った。

「やぁ、まだしないもん!」
食べる気はあるってことなのかな?
それは褒めてあげたらいいことなのかそうじゃないのか、ちょっとかあさんも迷ったみたいだった。

まあ、雷太はたぶん5つの子にしては好き嫌いは少ない方なんじゃないかな。じゃがいももソーセージも嫌いじゃないし、っていうかむしろ好きだよね。
食べたくなくて遊んでるんじゃないみたいなんだけど、けどもうお皿の上はかなりぐちゃぐちゃ、ちょっとかなりひどい状態になっていた。

「雷太、やめなさい。かあさんの言うこと聞けない子はどうなるの?」
「む〜」
ここでいうこと聞いておかないと大変なのはみんな分かってるから、雷太はちょっと動きを止めた。その隙にかあさんが「あ〜ん」ってお皿の上のじゃがいもをまとめて雷太の口に運ぶと、ぱっくりと食べる。
でも、「ほら、あとはひとりで食べなさい」ってかあさんがお茶を淹れに立っちゃうと、またおんなじふうに遊び始めた。

「雷太」
今度はとうさんが怖い声を出す。わあ、やだな。
「う〜」
ちょっとむくれる雷太に、同情しちゃうかも。
「雷太?ほら、あ〜ん」
僕がかあさんの真似をしてやると、雷太はそれもぱっくりと食べた。

それってなんかちょっと照れくさいような嬉しいようなふしぎな気分。
「あら、お兄ちゃんに食べさせてもらってるの?いいわね。でも、ちょっと赤ちゃんみたいね」
「いいでしょ?!」
かあさんがからかうのも、雷太は全然気にしないみたい。
「もっと〜」とか言ってくるから付き合ってるうちにお皿の上は空っぽになった。

「あら、まあ。大地、ありがと」
かあさんはちょっとあきれた顔で雷太をにらみつつ、笑った。

「・・・ずるい!」
「え、風太?」
それまで何にも言わなかった風太が、ちょっと泣きそう。
僕は困っちゃったけど、かあさんが何も言わずに微笑んで風太を抱き上げた。

「ごちそうさま〜」
雷太の方はぜんぜん気にしないで、遊びに出て行っちゃった。
「ふーた、にいちゃん、あそぼ〜よ!」
あはは。

おおきな声にさそわれて、けっきょく僕も風太も笑うしかない。
いつでも楽しいことだらけの弟と、一緒に笑えるのってなんかいいよね。


2012.09.09 up
お礼なのにスパがないなんて!って前もそうだった(^_^;)。

2回続けると踏襲しちゃいますね、のお礼のちびっこ。
明るく元気にのんびりぼちぼち、息長く続けていきたいです。
ってこれも前書いたんだけど(^^ゞ。でもおんなじ気持ちです(*^_^*)。
引き続きよろしくお願いします。幸運が皆様のもとにありますように♪

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