廃プリとAXの昔話。


 たまり場で転生する事をみんなに告げたら、思った通りみんな口々に「やっとかー」と言った。
 それ程俺達がオーラで居た期間は長かったみたいだ。
 聞く所によると、マスターはオーラになった次の日に転生してしまったそうで。
 それはそれで、マスターらしくないとみんなが言っていたのを俺は知っている。
 ヴァルハラへの道があるジュノーへのポタは瑠玖が取って来ていた。
「じゃあ行って来る。多分すぐ帰って来ると思うけど」
「そうだな、海月はモロクに落ちてくるな」
「じゃあ、瑠玖は私が迎えに行くわね」
「おう、よろしくな」
「目印になるような装備品とか無いけど分かるのー?」
 ザフィさんが首をめいっぱい傾けて尋ねた。
 それを見てギルドメンバーは呆気に取られたような顔をする。
「目印も何も・・・顔見りゃ分かるだろ・・・」
「そうよ。あんたいつも二人の事見てないの?」
「見てますけどー」
 相変わらずザフィさんの頭の上にはハテナマークがいっぱいだ。
 俺と瑠玖は顔を見合わせて吹き出した。
「もう、こんな奴の言う事はいいから行って行って」
 白雪さんに背中を押されて俺達はたまり場の端っこへ。
 瑠玖が呪文を紡ぐ。

 ワープポータル!!

 地面に魔方陣が広がり、中心に光の柱が立ち上る。
 ギルドメンバーに手を振って、俺は光の柱へと脚を踏み入れた。
 身体が無重力で浮いてるみたいな感覚。
 両足が地面に触れた時には、もう辺りは別の場所だった。
 シュバルツバルド共和国の首都、ジュノー。
 空中都市のような感覚を思わせる高い所にある街だ。
 飛行船の乗り換え地点にもなっていて、立ち寄る人も多い。
 大きな図書館もあるので、瑠玖もよく通っていたと聞いた事があった。
 俺達は揃って歩き出した。
 向かう先はセージキャッスル。
 そこで「ユミルの書」と言う古書を閲覧させて貰う為。
 そして、そこからユミルの心臓を使いヴァルハラへ行く為。
「マスターに聞いたらお金もぴったりじゃないと駄目なんだってね」
「な?面倒やな」
 たまり場から来る前に聞いたので、端数の小銭をギルドメンバーに渡して来た。
 あれくらいなら別に返して貰わなくてもいいかな。
 セージキャッスルに着いて、一旦一息付く。
 瑠玖はタバコを取り出して火をつけた。
「緊張すんな」
「そうだね。まだヴァルハラじゃないけど」
 言って笑ってみたけど、苦笑っぽくなってしまった。
 瑠玖がタバコを吸う速度も早くて、あっと言う間に短くなって。
 吸殻入れに慌てて押し込んで居た。
「よっしゃ、行くか」
 瑠玖の手が俺の手を掴む。
 不安だったので、ちょっと助かった。
 握り返して歩き出す。
 昨日の夜。
 オーラの光の粒に誓ったけれど、やっぱり何処か不安で。
 大丈夫大丈夫と心の中で繰り返しながら歩いて居た。
 古書を管理している人と話をして、求められた金額ぴったり入った皮袋を渡し。
 とても難しい事が書いてある分厚い本を唸りながら時間をかけて読んだ。
 瑠玖は色々と頷いたり関心しながらだったけれど、俺はもうなんだか訳がわからなくて。
 文字を追うだけで精一杯だった。内容なんか1ミリも頭に入っていない。
 頭を使う難しい事はホントに苦手だ・・・。
 何とか読み終えて、管理者に返却し。
 地下へと向かう。
「お前ちゃんと読んだか?」
「いや・・・難しくて殆ど分かんなかった」
「そうやろな」
 瑠玖にゲラゲラと笑われたので、ちょっとムっとして脇腹を突いて逃げた。
 後ろで潰れた蛙みたいな声を上げて悶えているのが聞こえる。
 俺はそこが弱点だって知っている。
 まぁ、仕返しされるのも知ってるんだけど。
「何すんねん、ごるぁ」
「笑うからだろー」
 後ろから拳でこめかみをぐりぐりされた。
 力は殆ど入ってないから痛くないけど。
 そんな事をしながらぐるぐると長い道を歩いて、やっとの事でユミルの心臓の前に辿り着いた。
 これの先にヴァルハラが・・・。
 そう思って手を伸ばしたら、身体がユミルの心臓に向かって勢い良く引っ張られた。
 ぶつかる!
 反射的に目を瞑り、顔を腕で庇う。
 でも、いつまで経っても衝撃が身体に来ない。
「海月、海月・・・」
 瑠玖の声がして、肩を叩かれて。
 目を開けてみた。
 目の前に広がっていたのは空に浮かぶ廊下。
 なんて表現したらいいか分からない。そう表現するしかない。
 ユミルの心臓は何処にも無くなっていて、長く空に浮かぶ廊下が続いて居た。
「この先にヴァルキリーが居んのかな」
「た、多分」
 恐る恐る足を踏み出してみる。
 揺れない。
 空に浮かんでいるようで、しっかりとした地面のようでもある。
 ここに佇んで居ても仕方が無いので、俺達はまた手を繋いで歩き出した。
 何だかもう凄く緊張してしまって、無言だった。
 何か喋ろうと思ったけど、喋る事を忘れてしまったと言うのか。
 見つけられないと言うのか。頭の中が真っ白で考え付かなかった。
 瑠玖も同じだったみたいで、俺の方を何回か見たりはしたけど口は開かなかった。
 無言のまま歩いた突き当たり。大きな扉の前。
 両脇にずらりと転生2次職の人達が並んで居た。
 こうやって集まって居るのを見ると圧巻だな・・・。
 でも何故ここに揃って立っているんだろうか。
 気になって見ていると、アサシンクロスに話しかけられた。
「どうした。転生しに来たのではないのか」
「あ、はい。そうです」
「では、その扉を開けて奥へ進むが良い」
「はい、わかりました」
 頭を下げて背を向ける。
「転生した暁には、再び私に会う事になろう。楽しみにしている」
 言われた意味が分からないまま、俺は瑠玖と二人がかりで大きな扉を開き中へと進んだ。
 扉の中は神殿のようになっていた。
 その一番奥に。
 戦いの女神、ヴァルキリーが真っ白な羽根を羽ばたかせて滞空していた。
「ようこそ。海月、瑠玖。待っていましたよ」
 神殿内に響く鐘のような声に名前を呼ばれる。
 ヴァルキリーは俺達を待っていたと言った。
 分かるんだ、誰がオーラになって転生に来るとか・・・。
 暫く扉の前でぽかんとして。
 はっとしてお互いに顔を見合わせ、ヴァルキリーの傍まで行かないといけないと言う事に気が付いた。
 慌てて俺達は走ってヴァルキリーの前へ。
 そんな俺達を見てヴァルキリーはくすりと鈴のような声で笑った。
「そんなに慌てなくともよいのですよ」
「お待たせしてすみません!」
 揃って俺達は頭を下げた。
「頭を上げなさい、海月、瑠玖」
 言われるまま頭を上げてヴァルキリーを見上げる。
 流石女神と言われるだけあって、その姿は今まで見た事が無い程に美しかった。
 でもただ美しいだけじゃない。
 戦いの女神だ。勇ましく、美しい。
「二人は今までの身体に別れを告げ、生まれ変わる事を決意したと。その上で私に逢いに来たとしていいのですね?」
「はい、そうです」
 今度は揃って頷いた。
 転生の事に関しては俺達側から出来る事は無いので、言われるがままだ。
「では、目を瞑って下さい。そして出来るだけ心を無に」
 心を無に・・・。
 これは意外と得意だ。
 アサシンギルドの任務中によくやっていると思う。多分。
「まず、現在の身体の記憶を消し、精神へと記憶させます」
 そうヴァルキリーが言った瞬間、立っている筈なのにふわっと空中に浮いたような感覚になった。
 不安定で本当に自分が立っているのかどうかわからなくて、思わず目を開きそうになる。
「目は開かないで下さいね、海月」
「あ、はい」
 心の中を見透かされていたらしい。
 心を無にしろって言われたのに余計な事を考えてしまった。
 無心無心無心。
「では・・・。
 一つ、ウルドに過去の記憶を残します。
 二つ、ヴェルダンディに現在の栄光の瞬間を憶えてもらいます。
 三つ、スクルドに未来への生を与えさせるようにします」
 目を瞑っているのに目の前が光ったように輝いて、身体が熱くなった。
 耳鳴りのような音が小さく聞こえ出して段々と大きくなって行って。
 キーンとして耐えられなくなって、両手で耳を塞いだ。
「海月、おやすみなさい。少し経てば目が覚めますから、今はおやすみなさい」
 ヴァルキリーの声が柔らかく響いて、反響して。
 俺の意識はゆっくりと薄れて溶けるみたいに消えて行った。



 気が付いたら砂埃の舞う街に立っていた。
 何故ここに立っているのかを考えてみても思い出せなくて。
 その前にここが何処なのかもわからなくて。
 でもひとつだけ。
 俺は誰かを探さないといけない気がしていた。
「あ、居た!居たよー!!」
 誰かが後ろの人間にそう言いながら駆け寄ってきた。
 真っ白の髪の毛を左右に分けて結った女のアルケミスト。
 その顔をじっと見詰めてみる。
 違う、この人じゃない。
「海月ちゃん、転生おめでと」
「海月ちゃん?」
 聞き覚えのある言葉だった。
 これは名前だろうか。
 海月。
 反芻してみる。
「あれ?忘れちゃったの?自分の名前だよ」
「自分の名前、か」
 そうか、海月と言うのは俺の名前だった。
 ではこのアルケミストが俺の名前を知っていると言う事は、知人なのだろうか。
「あれだ、記憶混濁してんだ」
「あぁ、そっか。私、白雪だよ。海月ちゃん」
「白雪・・・」
 確かに聞き覚えがあるような無いような。
 ともかくこの人達は俺の事を知っている様子なのでついて行ってみる事にした。
 俺に対する接し方が親しい人間にするそれなので、きっと親しかったんだろう。
 そんな人達をどうして忘れてしまっているのか分からないけれど。
「お、ノービス海月だ」
「おかえりー」
「ノービスになると俄然可愛さが増すな」
「瑠玖はまだか?」
 瑠玖、と言う言葉に耳が反応する。
 何故かは分からないが、俺はそれを知っていた。
 多分それも名前だ。
「ちっちゃくて可愛いけど、まだ記憶曖昧みたいであんまり喋らないのー」
 白雪と言うアルケミストが後ろから抱き締めて来る。
 何でだかわからないが、後ろを取られるのは嫌だったので、彼女の腕の中でくるりと向きを変えてみた。
 目の前には彼女の胸。これはこれでばつが悪い。
「悪いが、離れて欲しい・・・」
「やーん、なんか海月ちゃんのセリフじゃないー」
「仕方ねぇって。多分海月も今、マスターと一緒で自分の名前くらいしか分かってないぞ?」
「そっかぁ」
 白雪はしょんぼりとした顔をすると、俺から腕を離した。
 どうやら、記憶が無いお陰で迷惑をかけているらしい。
 戻るかわからないが、記憶がちゃんと戻るまで一人で居た方がいいだろうか。
 そう思った時、みんなが集まって居る場所の中央に魔方陣が出来て人影が現れた。
 不自然な形をしたのが一つ。
 疲れた様子の女のプリーストとそれに抱えられた俺と同じ黒い服装のノービスだった。
 まだじたばたと動いている。
「おお、おかえりー。遅かったなぁ」
「もぉ大変だったのよー。逃げるんだから、こいつ」
「まじか」
「人攫い!とかって叫ぶからホント大変だった。全くもぅ」
 プリーストはどさっとノービスを地面に落とす。
 いたっとノービスは声を上げた。
 その声に聞き覚えがあった。
「記憶無いって大変ね・・・なんとかして欲しいわ」
「海月も硬派な感じだぜ、今」
「そうなの?」
「海月?」
 地面に尻餅を付いていたノービスがこちらを向いた。
 目が合った。
 その顔に、見覚えがあった。
 見つけた、と思った。
 俺が探さないといけないと思っていたのはこの人だ。
 名前は・・・多分。否、間違い無く。
 瑠玖。
「お?どうしたよ、瑠玖」
 立ち上がった瑠玖は、真っ直ぐに俺の方へと寄って来る。
 目の前で立ち止まると俺の頭の上へ手を置いて、ニコリと笑って見せた。
「ノービスなんて何年振りや?海月」
 聞き覚えのある言い回しとイントネーション。
 それを聞いたら涙が溢れ出た。
「瑠玖っ覚えててくれた」
「当たり前やん。言ったやろ?絶対忘れへんて」
 腕を引かれて抱き締められて、俺は瑠玖の腕の中で何度も頷いた。



 暫く広場の隅っこで瑠玖と二人寄り添って、そこに居る人達を眺めて居た。
 瑠玖も俺もお互いの事は覚えて居たけれど、他の事はすっぽりと忘れていて。
 だけどなんとなく、ここに居る人達は自分達と親しい人達だと言う事が分かるから
 その場を離れないで居た。ここに居れば何か思い出せるんじゃないかと言う気がしていた。
「しっかし驚いたな。お互いの事は覚えてたんだもんな」
「すげぇわ。まさかと思ったけど」
「入り込む隙ねぇわ」
「何お前、入り込む気だったの?」
「無理っしょ」
 何の会話か良く分からないけど、わっと笑いが起こった。
 みんな仲がいいんだな、と思って。少し羨ましくなった。
「いいな」
「ん?」
 呟いたら、瑠玖がこっちを向いた。
「いや、みんな仲良さそうでいいなって思って」
「そうやなぁ」
「お二人には負けますー」
 いつから居たのか、俺達のすぐ隣に紫色の頭をした男のプリーストが座り込んで居た。
 びっくりして身体ごと引いてしまう。
「僕ザフィですー。早く思い出して下さいねー」
 ザフィと名乗ったプリーストは気味悪くうふふふふふと笑ってそのままそこに座り込んで居る。
「なんや、気持ち悪い奴やな」
「良く言われてました、あなたに」
「そうなんか・・・」
 はいー、と言ってザフィはまた笑う。
 そこへウィザードがやってきた。
 いや、普通のウィザードとは服装が違う。
 これはハイウィザードだろうか。
「ザフィで遊んでるのかな?瑠玖、海月ちゃん」
「遊んでるって、マスター酷いー」
 俺達の前にしゃがみ込んで、にこにことマスターと呼ばれたハイウィザードは笑った。
「ここは僕がマスターを勤める「風鈴の音」と言うギルドのたまり場だよ。はい、新しいエンブレム」
 何か、ガラス細工が描かれているバッヂのようなものを貰った。
 懐かしい気がした。前にもこうやってこの人にこれを渡された事があったような。
 その時は俺も瑠玖もノービスでは無かったけれど。
 言われた訳じゃないけど、そうする気がして。
 胸元に付けてみた。
「僕の名前は木ノ葉。みんなはマスターって呼ぶよ。たまに怒った人に怒鳴り声で呼び捨てされる事があるけど」
 しくしくとマスターは泣き真似をする。
 これも、何度か見た事がある気がする。
「僕も少し前に転生したから、記憶が抜けてる状態なのは良く分かるんだ。
 でも安心して大丈夫。暫くしたらちゃんと元に戻るからね。みんなとも元のように仲良く出来るよ」
「暫くってどれくらい?」
 尋ねるとマスターは少しだけ首を捻った。
「そうだなぁ、僕も当事者だったから詳しい時間ははっきり分からないけど、今日中には戻るよ。
 だから、無理してたまり場に居なくてもいいし。瑠玖と海月ちゃんお互いの記憶があるならお家の事はわかるよね?」
 瑠玖の方を見ると、うん、と瑠玖は頷いた。
「お家に戻ってもいいし、狩りに行ってもいいんだよ」
「狩りかぁ」
 ノービスで狩れると言ったらポリンやプパ程度だけど。
 その前に装備を整えたりするのに倉庫開けないといけないな。
 お金を取りに家に帰るにも、カプラサービスを利用する所持金すらない。
「お金無い」
「あぁ、そうだね。ザフィ、プロポタないかな」
「あーありますよー」
 まだ、俺達の隣に座っていたらしいザフィはごそごそと道具袋を漁って青石を取り出すと呪文を呟いた。

 ワープポータル!!

 足元に広がった魔方陣。
 プロンテラ行きだと言う。
「お?何々、瑠玖達帰んの?」
「レベル上げか?」
「がんばれよー」
 みんながそれぞれの言葉を口にして手を振ってくれる。
 それを有難いと思いつつも何も言い返せずに、俺は光の柱に入り込んだ。
 次に地面に足が着いた時はプロンテラの南広場だった。
 瑠玖と二人、臨時募集広場で立ち尽くしていると、そこらのハイプリーストにブレッシングと
 アスムプティオをかけられて「転生おめでとう」と言われる。
 自分が転生して来たと言う実感は未だ余りないのだけど・・・。
 黒い服装のノービスと言う事は多分そうなのだろうなぁ。
 普通のノービスはピンクに近い赤い色の服を着ている。
「どうする?狩り行くか?」
「んー、一回家帰ろう。何か疲れた」
 ノービスの身体は小さい。
 歩き慣れた筈のこの街も広く見えてしまう。
 自分達の家に辿り着くのに相当時間がかかったような気がした。
 いや、多分時間はかかっただろう。
 何も入っていない筈の道具袋に、家の鍵だけが入っていた。
 瑠玖も同じだったみたいで、それを使って家の中に入る。
 中に入って部屋の中を見たら、物凄く安心して。
 俺は飛び込むようにベッドに倒れ込んだ。
「あー・・・帰って来たぁ」
「そやなぁ、なんや安心したわ」
 瑠玖もベッドに上ってきてごろんと横になった。
 自分達の家。瑠玖と二人だけの空間。
 落ち着く。
「マスターの話だと今日中には記憶戻るみたいだね」
「そうやな。結構続くんやと思ったわ」
「早く戻ってくれないと色々不便だ」
 溜め息を付いてうつ伏せから仰向けに転がる。
 しょんぼりとした顔の白雪の事を思い出す。
 多分俺はあの人に可愛がられていて、あんな顔させた事無いんだろうなと思う。
 だからこそこんなに気になるし、胸が痛むんだ。
 早く記憶を取り戻して笑わせてあげたい。
 一番最初に声を掛けてくれた時の彼女の笑顔は可愛らしかった。
「この身体も不便やわ、色々と。早く転職せな」
 瑠玖が身体を寄せて来る。
「そっちはまだまだ先だよ。まだノービスなんだから」
「・・・。キスは?していい?」
「聞く人はしちゃ駄目」
 口唇を尖らせて顔を寄せて来るので、それを両手で制して背中を向けた。
 ホントは俺だってキスくらいはしたいけどさ。
 とりあえず、今日は気疲れしたので早いけど寝てしまう事にした。
 布団を被って仰向けになる。
 瑠玖はいじけてしまったのか、仰向けに寝てるけど俺の頭を抱こうとはしなかった。
 仕方無いな、もう。
「おやすみ、瑠玖」
 上半身を瑠玖の上に覆いかぶさるようにして、目を見て言ってから。
 ちゅっと音を立てて口付けた。
 びっくりしたのか瑠玖は数回瞬きする。
 瑠玖が動き出して、捕まる前に元の位置に戻って布団を被り直した。
 がばっと布団を頭まで被った瑠玖は足をばたばたさせて何か悶えている様子。
 暫くして動きは止んで、そっと布団から顔を出した瑠玖は布団の中で俺の手を握って来た。
 どうやら今日は腕枕は無しで、手を繋いで寝るらしい。
「おやすみ、海月」
 窓の外は日が沈みかけて空が朱色に染まっていた。
 目が覚めたらきっと記憶は戻っていて、いつも通りの生活がまた始まるんだ。
 違うか。
 いつも通りだけど、また新しい生活。かな。

 瑠玖とのまた始まるレベル上げの日々にわくわくしつつ、俺は夢を見る為に目を瞑った。





 終。







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 はい、どうも!お疲れ様です!ゆきるです!
 いやはや。初体験ですが。いかがでしたですか。温いですか。温いですか!
 でも、これ多分瑠玖視点で書いてたら酷い事になってたと思うんですよー。
 放送出来ない言葉の羅列になってたんじゃないかと。
 さくっと鯖運営様の方で削除されてしまうんじゃないかと・・・((((; ゚Д゚))))
 あぁ、もう腐女子応援鯖に行きたいお。未だ連絡が来ないので諦めてます・・・orz
 実は実はこんなしっかりとした初体験って書くの初めてだったりします。
 大体その日の内にヤっちゃうモノばっかり書いてました。
 数日に渡って慣らして行くなんて、やっぱSなんだなー瑠玖は。
 決して紳士では無いと思います。痛くないように、は大義名分で
 本音は自分の良いように慣らしたいからなんだと思います。私はそう思います(駄目じゃん
 しかし、本当にヤってるだけの話になる所でした。
 良かった、今の身体に未練無いとか言い出してくれて。
 上手い事転生へと話を持って行く事が出来ましたよー。良かった良かった。
 だけど転生シーンには頭を捻りました。
 私実際にROで遊んでいるキャラは転生キャラが1キャラしか居なくてですね。
 それが転生する時あまりにも興奮してスクルド、ウルド、ヴェルダンディの所しかSS撮って無くてですね・・・(ノд`)
 転生した後にまさかこんな事(ROで駄文を書く事)になるとは思ってなかったので
 資料が無くて大変困りました。ヴァルキリーが何を言っていたか全然分からないもので
 大事なシーンなのになんだかしょっぱい感じになってしまっているような気がしてなりません。
 まぁ・・・何度も何度も考えて練って練って捻り出した結果なので
 今の私にはあんな形でしか表現出来ないのでしょうね・・・。
 もっと頑張ります('A`)

 それでは。瑠玖と海月の初体験話でした。
 少しでもニヤニヤとして戴けたら幸いです(゚∀゚)

 20100214/まつもとゆきる。



  モドル。
    






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