今、毒が体から抜けたものの、疲労困憊でふらふらしているダンブルドアと、

それを支えて歩くハリー、道案内役のは小船から飛び降り、洞窟の入り口を目指して歩いているところだった。

「先生、こっちです」

二人はの手引きで、難なく洞窟の入り口を抜け、激しく波が打ち寄せる外側の洞窟を

回り込み、崖の割れ目を満たしている氷のような海水に入っていった。



「先生、大丈夫ですよ」

ダンブルドアは冷や汗を流し、相当体が参っている状態だったが、なんとか歩こうとしていた。

「もうすぐです・・僕が一緒に「姿あらわし」をします・・心配しないで下さい」

「先生、ホグズミードについたら横になれますし、すぐに甘豆湯を作ってさしあげられます」


「わしは心配しておらぬ・・ハリー、


二人の言葉に勇気付けられたのか、ダンブルドアの声がわずかに力強くなった。


「君たちと一緒じゃからのう」



「先生、着きました!やりましたよ、ホークラックスを手に入れたんです!!」

ホグズミードのハイストリート通りのど真ん中に三人は立っていた。

だが、ハリーの姿現しが成功し、歓喜の声を上げた途端、ダンブルドアは一瞬、ぐらっと揺れて倒れた。


「先生!」

が悲鳴に近い声を上げて、駆け寄った。

「先生、大丈夫ですか!?」

「あの薬は・・健康ドリンクじゃなかったのう・・さすがに老体の身にはこたえたようじゃ」

ダンブルドアは二人に視線を合わせるのに必死だった。

その弱りきった体に、ハリー、は身が凍るような思いがした。

「先生、大丈夫です。が解毒してくれたんです。きっとよくなります、心配せずに――」

ハリーは助けを求めようと、必死の思いで辺りを見回したが、ひとっこ一人いなかった。

「先生を学校に連れていかないと・・」

ハリーは再び、倒れたダンブルドアの脇を支えて、起こし、何が何でも学校まで連れて行くという

姿勢をみせた。

「いや」

ダンブルドアが言った。

「必要なのはスネイプ先生じゃ・・しかし、どうやら、今のわしは遠くまで歩けぬ・・」

「わかりました、先生、いいですか・・僕がどこかの家のドアを叩いて、

 先生が休める場所を探してきます。それから走っていって、マダム・ポンフリーを連れてきます」

ハリーはてきぱきと言った。

「スネイプ先生じゃ・・」

しかし、ダンブルドアは頑としてハリーの意見を押しのけた。

「彼が必要なのじゃ」

「わかりました。ではスネイプを連れてきます――でも、その前にしばらく先生を休める場所を探さないと」

「あるわ」

すると、これまでずっと黙っていたがパッと何かを思い出すように言った。

「ディアヌ・クラウン・レコード店にお連れするといいわ。事務所にはソファベッドがあるし、

 お湯も使えるし、食料もあるから甘豆湯を作って、お出しできるし」


「でも、こんな時間なんだから店主は帰ってるし、店は閉まってるだろう?」

ハリーは困ったように言った。

「合鍵をもらったのよ。伯母さんから」

はあっさりと言ってのけた。

そして、静かに彼のびっくりしている顔を眺めた。


ハリーがダンブルドアを引き引き、ようやくディアヌ・クラウン・レコードのガラス張りの

入り口にたどり着いた時、遠くから誰かが駆けてくるのが見えた。

「寝室のカーテンを閉めようとしていたら、あなたが姿現しするのが見えたの!」

「よかった、よかったわ!私――どうしたらいいかわからなくて!まぁ、アルバスに

 何があったの?」

マダム・ロスメルタはぜいぜい息をはずませて、立ち止まったが、ダンブルドアの異変に

気づいて驚愕していた。

「怪我をしてるんです」

ハリーは簡単に説明してやった。

「ここでで休ませます。彼女は店の合鍵を持っていますし、癒者見習いなので

 学校の医務室に連れていくまでの間、先生の応急処置が出来るので―――」

「あなたは学校に行けないわ!わからないの?何があったか――見なかったの?」

ハリーの言葉を遮った三本の箒の女主人は異様に怯えていた。


「何かあったのですか?」

は動物的直感で、嫌な感じがしたのだろう。静かにこの震えている女主人に尋ねた。

「や――闇の印よ。アルバス」

そして、女主人はホグワーツの方角の空を指差した。

三人は揃って息をのんだ。

確かに蛇の下を出した緑色の髑髏が、ギラギラと大空に打ち上げられていた。

デス・イーター登場の印、そして、彼らが誰かを殺した時の印だ。


「いつ現れたのじゃ」

ダンブルドアはふらつきを振り払うかのように、しゃんとして聞いた。


「数分前だと思いますわ・・猫を外に出した時はありませんでしたもの。でも、二階に・・」

女主人はともすれ震えがちな声で言った。

「すぐ城に戻らねばならぬ」

ダンブルドアはとても落ち着いていた。

、合鍵を持っているといったな?」

「はい」

「我々は乗り物が必要じゃ。裏口に回ってあるかどうか見てきておくれ」

はガラス張りのドアの錠に鍵を入れてまわし、店内へと走っていった。

しばらくして、彼女は裏の共同の納屋にいた漆黒の毛並みのペガサス

とバギーを馬具で繋ぐと、それに乗って戻ってきた。


「地下のガレージにスポーツカーはなかったわ。伯母さんが使ってるみたい」

巧みにバギーを操りながら、は二人の側に近づいてきて喋った。

「フェリシティーは学校の警備にいっておる。わしが命じたのじゃ」

ダンブルドアは先に乗り込んだハリーの手を借りて、ようやっとバギーに乗り込むと言った。


がぴしりと馬に一鞭くれてやると、バギーはゆっくりと空に向かって

浮上し始めた。























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