彼女はとうとう我慢できなくなり、ベッドから起き上がると上等な白絹のガウンを肩に引っ掛け、
暗い廊下をそっと忍び足で歩いて階段を上った。隣の部屋からはロンの高いびきが聞こえてくる。
「ルーモス」
彼女はポケットから杖を取り出し、明かりを灯した。
とりあえず図書室にでも行き、本を読んで時間をつぶそうと思った。彼女は杖を掲げ、暗い廊下を忍び足で歩いていった。
三階に上がったところで一室からかすかに白色磁器のストーブの残り火が、赤々と燃えていた。
「あれ?」その時、西側の狭い隅にあるトイレから寝ぼけ眼のハリーがちょうど出てきた。「どこ行くんだろう?」彼はぼそりと呟き、自分の姿に全く気づかないで三階の階段を上ってい
ている彼女を不思議そうな目で見つめた。
「シリウス?まだ起きているの?」
は小首を傾げ、その音源の方向にひたひたと足を進めていった。
白色のドアが数インチ程開いていた。彼女はそうっと近づいてみた。
「シリウス・・・」
は一応、小声でドアの隙間から呼びかけてみた。
返答はない。
「ん〜寝てるの・・かな?」
彼女はドアの隙間からそおっと室内を覗いた。
「あ〜、うたた寝してる・・・。」
彼女は思わずクスリと笑った。
彼は室内のクリーム色のカウチにうつぶせになって、体に何もかけずに丸まって眠っていた。側には難しそうな本が一冊落ちていた。
「風邪引くわよ・・。」
はしょうがないなぁと短く呟き、部屋のドアをかる〜く押して中に入った。
フウ・・と溜息をつき、彼女は自分の着ていたガウンを脱いで、腰をかがめ、彼の長身の体にかけてやった。
シリウスはスースーと寝息を立てて気持ちよさそうに眠っている。
「まるで犬みたい・・・」
彼女はその寝顔を見つめて可笑しそうに微笑んだ。
「じゃあね。」
彼女は唇をかみしめ、また夜気が肌を刺すのを感じながらくるりと背を向け、部屋から立ち去ろうとした。
「ワアッ!?」
その瞬間、
はびっくりして振り向き、飛び上がった。
「ん〜〜〜」
何と寝息を立てていたはずのシリウスが目を細く開け、彼女の細い腕をがっちりと掴んだのだ!
「ん〜〜〜」
シリウスはむっくりと体を起こし、驚愕し、そこに根が生えたように立ち尽くしている
を見上げて言った。
「
、紅茶でもどうだ?」
すみません、すごい手抜き作品です・・・。続編明日かあさってにUP出来たらいいな♪と思います・・・。