殆ど意識の飛んだ白い肢体が褥に転がっている。汗を纏い、足を閉じることを忘れ、泉からまだ蜜を流している。
ぷくりと赤く凝った宝珠を見て男が呻く。
「美味そうだ・・・」
足を開かせ身を伏せsる。次いで襲ってきた信じられない感覚にキャロルが悲鳴を上げた。
「いやあああぁっ!!やめてえぇっ!そんなこと・そんなっいや・いやあっ・・・!」
必死でもがく。震える腕を伸ばして男の肩を掴み、何とか逃れようと爪を立てる。
一瞬動きの止まった男の舌は、だが先刻よりもっと淫らに動くだけだった。
「あ・いやあっ・そんなこと・しないっ・しないでっ・いやっ・いやっ・あ・ああ・ああぁぁあ」
暖かい舌が縦横無尽に花園を動き回る。ささやかな茂みをかき回し、花びらを舐め、泉に突きこんで宝珠を吸い上げる。
いきなり後の花びらまで擽ったかと思うとまた戻って来て、今度はまた宝珠を責める。
「うあっ・ああ・あ・あああああ・いや・いやっ・いやあ・・・」
それでも未だかろうじて残った理性と羞恥心で上げた拒否の声は、次の衝撃で木っ端微塵になった。
「いや・やめ・やめ・そんな・あ・あああっ・ああ―――っ!?」
男の指が泉に挿れられたのだ。
「ひいいぃぃっ・ふああっああう・もっ・だめ・もう・もう・もう・・・」
完全に音程を外した悲鳴をあげて、白い身体がのた打ち回る。逞しい肩に爪が食い込む。
「ああ・ああ・ああああぁぁぁああ・あい・いい・いいいっく・くうう・・・」
気付いた男が口を放す。感じすぎたキャロルが痙攣している。これ以上責めると壊れてしまうかも知れぬ。
だが・・・・・我慢できぬ。





痛いくらいに勃ち上がった自分自身を宝珠に擦り付ける。
寝台が軋む。
絶え間無く男のもので擦られる宝珠から、今までと違った快感が身体を支配してゆく。
溺れる。溺れてしまう。この男の激情に。この深い深い欲望に。
「ひ・・・あ・・・も・・・だめ・・・助け・・・こわれ・・・おぼれちゃ・・・」
「未だだ・・・未だ・・・私に溺れろ・・・二度と何処へも行かぬように・・・」
男の物が擦り付けられ、ゆっくりと寝台が軋む音が二人の耳を捉える。
男は嬉しそうに笑い、娘は歯を食いしばって嬌声を堪える。
だがそれも音が大きく激しくなると無駄に終わった。
息も出来ない紅い唇が空気を求めて喘ぐ。男に与えられる初めての快楽に、逃れる術もなく素直に反応し、狂い、変わってゆく。
「いや・・・や・・・やあ・・・ひあ・・・も・・・・・もお・・・・・」
「なにが・・・?壊れたら・・・私で埋めてやろう・・・溺れたら・・・私のことだけ考えろ・・・
 だから・・・・・ぜんぶ私のものに・・・なればよい・・・」
男の動きがさらに早くなる。寝台の軋む音が激しくなる。
「あ・・・・・も・・・だ・・・・たす・・・け・・・・・」
「「・・・・・っ・・・・・」
キャロルがその花弁で男のものを締め付けながらかすれた悲鳴を上げ、がくりと身を落とした。







「う・・・・・」
不愉快な感覚に眼が覚める。男と身体をからませたままで気を失っていたらしい。
ファラオがゆっくり身を擡げ、キャロルに口付ける。
そしてそのまま再び体を弄り始める。
「もういや・・・よ。おねがい・・・もう・・・や・・・」
「聞かぬ・・・お前を全て私の物にするまで・・・」
「もうやめ・・・おねが・・・だから・・・」
足の付け根がべったりと濡れている。あられもなく自分が零したものが未だ乾いていないのだ。
だがそれは宝珠に当てられた男のものが蠢くと快感になる。
「あ・あ・あ・や・あ・いや・・・いや・・・」
音が。卑猥な水音が。
嬉しそうな男の声。
「お前は素晴らしいな・・・そら・・・どんどん変わって行くぞ・・・好い音だ・・・」
再びいきり立ったものでぐいぐい擦られる。途中で指を差し込まれ、摘み上げられ、弾かれる。
「ひんっ・ひっ・あっ・ああっ・ふうっ・くっ・くああっ・あうっ」
これ以上ないほどに膨れ上がった女の宝珠に、これ以上ないほどの快感を与えられる。
男を受け入れたことなど無かった泉に、男の指がこれ以上無いほどの熱さを植えつけてゆく。
そして太腿に、今まで感じたことの無い熱い熱い塊。
・・・私は・・・いつかこれを受け入れて、よがり狂って鳴くようになるのだろうか。
昨夜はあんなに苦痛だったのに、たった一晩で私は変わってしまった。壊れてしまった。
「あ・は・はあっ・・・はああぁ・・・ひい・ひいい・ひあ・ひあ・・・う・うあ・ううんっ」
「もっと鳴け・・・私を感じろ・・・私に溺れて花開け・・・あいしている・・・・・いとしい・・・わたしの・・・キャロル・・・」
男の声がぼんやり聞こえる。その優しい声音に是と返事をしたくなる。
それが再び太腿の間に差し込まれる。汗と、溢れた蜜と、零れ出した滾りとを纏ってお互いのものが擦れ合い、絡みあう。
もう、何処からが自分で何処からが相手かわからなかった。
汗と、お互いが放ち、溢れさせたものだけを纏って胸を合わせ、唇を合わせ、腰を振って狂い、呻く。
「もういや・・・いや・・・たすけ・・・ゆるし・・・あ・・・ああ・・・」
意識が霞む。理性が消える。この男に狂い、この熱さに狂わされる。
壊れる。壊れて溺れて、もう二度と元には戻れない。もう二度と何処へも行けない。
「ひ・・・ひ・・・ひあ・・・・・ああ・・・」
声すら出ない。悲鳴すら出ない。出るのは只、欲望に塗れた呻き声。
足を抱え上げられ、左右に引っ張られて飛び出した宝珠に直接男の杭が当てられる。
そしてぐいぐいと擦られる。
そのまま男はキャロルに口付ける。乾いた唇を男の舌が舐め回し、思わず開けた口内に舌が入ってくる。
舌を絡め、優しくさすって唾液を混ぜる。
「んっ・んんっ・んうんっ・・・・」
声がくぐもる。寝台の軋む音と水音が部屋を満たしてゆく。
「あ・ああ・あは・・・は・・・はあ・・」
「キャロル・・・キャロル・・・キャロル・・・私の・・・・わたしの・・・キャロル・・・・・ッ!」
びしゃびしゃと水音。ぎしぎしと軋む寝台。
理性を失った女の掠れた嬌声。耐える男の呻き声。
「ひ・・・あ・・・・も・・・・・・・・だ・・・・め・・・・・・・え・・・・・っ」
「・・・・・・・・っ・・・・・く・・・・・・う・・・・・」
歯を食いしばって衝動を耐え、蕩けきった泉に己の杭をゆっくり沈めてゆく。
「キャ・・・ロ・・・ル・・・・・ッ」
「ひいいぃぃぃっ・ああああぁぁ・・・・・・っ」
白い四肢が硬直する。挿れられただけで達った身体が、男の杭を凄まじい勢いで締め付ける。
「うあ・・・っ・・・くっ・・・・・」
白い娘の暖かい内部を、ろくに味わいもせぬうちに無我夢中で腰を打ち付ける。
男の腰の動きに合わせて、白い胸が大きく揺れ、泉から蜜が流れ落ちる。
赤い唇が空気を求めてぱくぱく喘ぐ。もう嬌声すら出せずにかすかに喘ぐだけで
それでも己のものを飲み込んだ下の唇だけが女の反応を返してくる。
目が眩むような凄まじい快感。ファラオは女を知って始めて、自分でも信じられないほどあっけなく果てた。
完全に意識を飛ばした白い肢体が動かなくなる。欲望をぶちまけて男が倒れ伏す。
それでも男は、ちいさな身体を放そうとしなかった
息を整えながら白い身体を腕に抱き、髪を撫で、広い胸に抱きしめる。





漸く意識を取り戻したキャロルが、喘ぎながら問いかけてきた。
「どれくら・・・い・貴方・・・の相手・・・すれ・ば・・・飽きて・くれ・・・の?」
髪を撫でていた手が止まる。やはりお前は逃げようとするのか。王妃になどならぬというのか。
私に染まらぬのか。
「さあな・・・・・今宵か・・・明日の晩か・・・・・それとも・・・・・・」
紅く勃った乳首を摘む。





お前が私に染まらぬのなら・・・・・私が生涯お前に溺れよう。。
キャロルが上げた悲鳴を聞きながら、ファラオは欲望の獣となって、ひたすらその白い肢体にしがみ付いていった。





                                                                       END





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