『テニス』では、とかくアクタカばかりに気を取られている私ですが、他のキャラクターについても、こいつはこんな奴だな、と妄想を膨らませていないわけではありません。
特に、G332の、《お前が居てくれて本当に良かった》で隆を泣かせた手塚、G336の、《行ってあげたら喜ぶよ!》で師範を引かせた大石には、今更ながらここへきて、モリモリと興味がわいてきています。
興味の一例
(G332を読んだ直後に携帯電話で打った感想)
手塚とタカさんは、青学3年レギュラーの中では唯一、部長―部員の立場がはっきりしていて、上下関係がきっちりしている2人だと思います。大石にとって手塚は、同志あるいはパートナー、不二や乾にとってはライバル、菊丸も、やっぱりライバルという色合いが強く見えるので。
タカさんにとっては、手塚は、もちろん同じ学年でがんばってきた仲間ではあるんだけど、それ以上に、何か、手塚=青学テニス部というか、まさに青学の柱なんだろうな、と。手塚に認められることによって、自分が3年間テニスに打ちこんできたこと、自身はボロボロになり相手に怪我まで負わせて勝利をもぎ取ったことを、間違っていなかった、と思えたんじゃないかと。
本当に、手塚のあのセリフは、いち河村ファンとして嬉しかった。ありがとう部長、ありがとう部長と言いたいです。
そこで、青学のレギュラー各人について、私は以下のようなイメージを抱いていますというのを、己の備忘録も兼ねて以下にまとめてみました。
と言っても、キャラクター紹介的なものではなく、ある一定の場面において、各人がどのような反応を示すかを列記し、その相違から、各々の人格や立ち位置の違いがあぶり出せたらいいな、とそんなものです。
しかも、設定される場面はとても抽象的。
すなわち、
ある問いに対し仮定される答えAを、各人が、どのように導き出すのか、それとも導き出さないのか。
これだけだと、私自身よく分からないので、ひとつ具体例を。
(例)バスや電車では、お年寄りに席を譲るよね?
手塚「譲るに決まっている」
菊丸「俺は譲るけどさ、たまたま具合が悪くて譲れないって奴もいるだろうし、譲ろうとしても断られることってこともあるじゃん」
河村「…………譲ることに決めてるんだ」
手塚とタカさんの違いが分かりにくいですが、手塚の場合は即決即断、いったんこうと決めたら、他人にも自分にも疑問を差し挟ませないタイプ。具合が悪くて譲れない場合や、譲ろうとしても断られる場合もあるよね?と言われても、だからどうした、譲るものは譲る、と彼なら返すでしょう。
それに対しタカさんは、具合が悪くて譲れない場合もあるだろうし、譲ろうとしても断られるって場合もあるよな、と迷いかけて、しかし、自分が迷ったら何もできなくなる人間だということが分かっているので、ある意味思考停止で、とにかく譲るって答えに賭けてしまうタイプ。
菊丸は、譲る、という自分の答えはあるけれど、他の答えの存在も認める。他人にも自分にも適用される絶対的なアンサーは出さないタイプ。
上に示した、ある問い、がここでは、バスや電車では、お年寄りに席を譲るよね?で、仮定される答えAが、譲る、に当たります。
菊丸の答えにあるような、具合が悪くて譲れない、や譲ろうとしても断られる、というAとは異なる、あるいはAとは異なる結論を導く答えを、B、Cとして、以下、各人の反応を列記します。
第一グループ:Aが正答であることに確信あり。結論出す。
手塚「Aに決まっている」
大石「BもCもあるけど、結論としてはAだ」
リョーマ「Aに決まってるじゃん」
第二グループ:Aが正答であることに確信なし。結論出す。
河村「…………Aに決めたんだ」
海堂「…………Aだ」
第三グループ:Aが正答であることに確信あり。結論出さない。
菊丸「俺はAだけどさ、BもCもあるかもしれないじゃん」
桃城「俺はAだな。でも、BもCも違うとは言えねーよ」
第四グループ:その他。結論出さない。
乾「…………Aの確率70%、Bの確率20%、Cの確率10%だ」
不二「BやC、DやEだってあるよね」
第一グループは、A=正答に対する確信の最も強いグループ。他の答えの存在を認識さえしない手塚、リョーマと、他の答えについても一定の理解を示す大石という違いはあれど、譲らないという点ではどちらも同じ人々。
第二グループは、論理的に答えを導き出すことはできないグループ。BやCとも比較し、Aのこの部分が良いのでA、などということは無理。不器用。この際、Aが正しかろうと正しくなかろうと、とにかくAに決めた、心中上等な人々。
第三グループは、自分の答えとしてはAで、それが正しいことに確信はあるけれど、だからといって、他人にまでそれを強要しないグループ。最終的に、Aだ!とは明言しない人々。
第四グループは、出そうと思えば出せる答えAを、あえて出さないグループ。乾は、様々な答えを導き出す過程にこそ意味を見出し、不二は、答えを出さないことそれ自体に意味を見出し、最終的に、本人の選んだ答えが何なのかは分からない人々。
そういえば、各校の部長は、おおむね手塚タイプ(絶対にA。A以外の答えがあることを、そもそも想定していない)、大石タイプ(とりあえず、全ての意見を聞くが、最終的にはA。自分を通す)に分けられるんじゃないかと。
手塚タイプ…跡部、葵
大石タイプ…橘、赤澤、南、幸村、白石
?…木手
木手が分からない……。そして、幸村は今後明らかになるかもしれない選手、部長としての顔如何では、コロッと手塚タイプ、あるいはまったく異なるタイプに変わる可能性もアリ。部長ではありませんが、真田は確実に手塚タイプだと思います。
ちなみに、亜久津は「……くだらねえ」で、答えること自体を拒否するタイプ。青学でいうと、不二に近いんじゃないかと。
以上、あくまで、個人的なイメージです。
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