〜ギボン先生曰く「史上最低の君主」〜
ギボン『ローマ帝国衰亡史』第６章より
その6
軍、ついにキレる
ギボン先生の金言が、またここでピカリと登場です。
己れの不行跡は許すが、同じ不行跡でも他人のこととなると平気で非難するのが、由来最下等な人間の常である。
お前のことだろ
とかつっこまないでくれるとありがたいです。確かにこのHPには、「ガンスリンガーブルマー」とかのっけてんだけどさ。「平気で非難」はしてないですよ。正直、己れのこと棚上げしてんじゃなのかって、後ろめたさはありますよ。
でも、これって、よくある話だと思いませんか？
月元の周りにもかつて、やたらと人のことを、モテないだの童貞（１日２０回はこの単語を出した。正直キモチ悪かった）だのという奴がいたけど、話聞いたら、そいつ生まれてから一度も女と付き合ったことないんだとさ。
「今の若い連中は何を考えているんだッ！！」「愛国心！！教育改革！！」とか絶叫するわ、「美しい国」とか大風呂敷広げてるどっかの国の内閣が、金と女のスキャンダルで閣僚が次々に撃沈していくとかね。（さすがは美しい国だ）
福岡ダイエーの社長さんだったかが、「女の癒し方」とかなんとかそんなタイトルの本出したんだけど、セクハラで逮捕されましたしね。これは腹が痛くなるほど笑ったことがあります。
そんなに他人に厳しく言うなら、あるいは立派なことを言うなら、自分はさぞかし立派な人間なのかと言えば、全然そんなことは無かったりしますよね。まあ、言行不一致は、ひとの世の常。逆に言えば、立派なことを言う人、他人を責める人には、必ず何かうしろめたいことがある、ということですね。月元自身が、これを証明しています。なぁんちゃって。
まあ、月元は、小物なので勘弁してください。少なくとも、自分で変態プレイを開発とかそんなことはしません。
カラカラ帝の道楽息子（エラガバルス帝）を帝位にまで担ぎ上げた無頼の将兵たちも、ようやくこの不名誉な選択を恥じるようになった。
・・・・だよなぁ。そうですよね。エラガバルス帝の有様は、無頼の徒の心の中にも最後の最後まで残っている正義感を打ち砕くには十分だったんです。まあ、これをもってして、最下等の人間は、自分のことを棚にあげて、他人のことを責めるもんだってのは正直、ギボン先生は、酷だと思いますがね。
そして蛇蠍のごときこの怪物（エラガバルス帝）から背き去ると、今度は彼の従弟、つまりママエアの一子アレクサンデルの将来に、ひそかに期待をかけるようになった。
軍の将兵は、ダメ君主を見捨てて、別の候補を探すことにしたのです。そして、このエラガバルス帝の従弟のアレクサンデルは、ローマ皇帝に次ぐ副帝の地位につきます。
こうして国家元首に次ぐ副帝の地位に昇った公子アレクサンデルは、温雅な人柄ということもあってか、たちまち民心を掴んでしまい、果てはエラガバルス帝の嫉視をすら招くほどになった。
ライバル登場です。さて、この従弟のライバル登場に危機感をもったエラガバルス帝は、自分の変態ワールドにひきずりこもうとしたり、殺害してしまおうとしたり、いろいろと計略をめぐらすのですが、全て失敗に終わります。 怒ったエラガバルス帝は、アレクサンデルから副帝の地位をとりあげてしまいます。
もう、力のない元老院はこの決定を呑むしかありませんでしたが、軍の方はキレてしまいました。もうガマンも限界です。
さっそく近衛隊は、アレクサンデルの保護と、帝位の権威失墜に対する復讐を誓いあった。エラガバルス帝は震え上がった。生命だけは助けてほしい、また愛する寵臣ヒエロクレス（男色のお相手です）、これもなんとか残してほしいとの涙ながらの哀願には、さすがの正義の怒りも腰を折られ、あとはただ長官たちが、アレクサンデルの身の安全と、帝の行動を監視するという権限を与えて満足した。
情けないです・・・・。ほんっとに情けないです。月元が近衛隊の兵隊さんだったら、その場で、脱力しそうな感じです。
その後、アレクサンデルが死んだという噂が流れました。当然、エラガバルス帝が殺害したのだと、軍の方はまたまた、キレてしまいます。そして暴動が発生しました。
ですが、これはデマだと分かり、騒ぎはおさまりました。
おさまったんですが、この騒ぎに怒ったエラガバルス帝は、この暴動の責任者を処罰しました。これが命とりになりました。またまたキレた軍は、三度目の正直で、今度こそエラガバルス帝を殺してしまいました。彼の後は、アレクサンデルがローマ皇帝に即位します。
■この項のトップ