ビザンティナは十字架を持つ騎士たちを前に、一歩後ずさりをした。 彼らは同じ神を信仰する兄弟のはずであった。
策を弄して呼びつけたのは、彼女を傷つけた異教徒を追い払うためであって、 その矛先が彼女に向かうはずではなかった。
「なにをしやる。敵はわらわではない。異教徒たちじゃ」
ビザンティナはこぶしを握り締めて歯軋りをする。
「お下がり。わらわをなんと心得る。 インペリアム・ロマニウムの真の後継者にして、地上における神の代理人ぞ。
天から下る神罰を畏れぬか」 男たちは彼女の精一杯の威嚇を、下卑た笑いでいなした。
「俺たちは、あんたを神の代理人だと認めない。ロマニウムの後継者としてもな。
俺たちはバチカンに従う。彼女はロマニウムの後継者にフランクを指名した。 あんたはただのギリシャ人だ」
誰かが後ろから近づき、彼女の両腕を縛って、紺碧の衣をはいだ。 それは、地中海の制海権。ビザンティナの富の源泉。
肩越しに振り返り、それがかつて仲の良かったヴェネツィアであると知り愕然とした。
「そなた、裏切ったのか? それはわらわのものじゃ。返しや」 「いやーよ。だって、これずっと欲しかったんだもん」
ずっと遠くでバチカンが、困ったようなふりをしていた。
「よせ。よかぬか、……うぐっ」
縛られて素っ裸になったビザンティナに抵抗するすべはない。 最初に彼女の口におぞましいものを突っ込んだのは、彼女の臣民たちであった。
「はぅっ、……むぉぐ、……ぉぉぐ、んぐ、んぐ、むむん……げふっげぼっ」 大量の白濁液を注ぎ込まれ、むせ返るような臭いに咳き込む。
「あたしのことも忘れちゃやーよ」 ヴェネツィアがくすくす笑いながら、ビザンティナの恥部を突付いた。
「んっ……、いっ……いやじゃ!」 ビザンティナの中に入り込んだ指が、彼女を責めたてる。
「やぁっだぁー。ビザンティナちゃんったら、…発・展・家・さん」
ヴェネツィアはわざとぐちゅぐちゅと音を立てるように指を激しく動かした。 「こんなによだれをたらしちゃって。欲しいの? 欲しいの?
……ハイ、みんな順番に行っちゃおーか」
ヴェネツィアの合図で、男たちが彼女に襲い掛かる。
ビザンティナは彼らに、なすがままにされ三日三晩にわたって何度も何度も犯された。 「許せ。許してたもれ」
インペリアム・ロマニウムの後継者としての誇りは、ついに地に堕ち、 何人もの精液にまみれながら、ビザンティナは跪いて情けを請うた。
だが、権威も栄光も財産もない彼女を誰が助けようか。
男たちが去った後、東から様子をうかがっていたオスマンが、
てらてらと黒光りする陽物をさらけ出して、彼女に近づきつつ笑った。 一人で取り残されたビザンティナは、それを絶望的な目で眺めていた。 |