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とかく、二人がアテにならない以上、山崎は自分こそが前田と共にあらねばならないと決めていた。少し恰好をつけて言うならば、それが彼なりの自立なのだ。

「けどお師匠さんもあかんねや。隠し事しはって気持ち悪いねん」

その山崎のやんわりとした自立心を、前田は意図せず踏みにじってしまった。彼は聴いていたのだ。
永川の言った、『得意な人に偵察を手伝ってもらう』という提案も。そして、それに対し前田が特に異論をはさまなかったということも。竹槍で戦闘機を落としたというまさに眉唾としか言いようのない話も。全てが耳に入っていた。

「ほんまー知らん思てはるんやろか。フスマ一枚やで。聞こえるっちゅーに」


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