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「将軍、こちらは岸者、お見知り置きを」

思ったよりも真っ当に帆足が紹介を述べるので、岸はそれに合わせて深々と頭を下げた。しかしその頭が戻りきらないうちに、帆足はさっさと喋り始める。

「そして遅れたが、俺は帆者。総帥の命により、あんたの迎えに上がった」
「帆者…、君の名は知っている。所沢開放戦線一の戦士。その男を私のために遣してくれるとは光栄だ」
「さすが、話が早い」

解放戦線一の戦士と称され、何か謙遜をするでもなく帆足は口の端に笑みを浮かべた。そして続けて言うには。

「あんたの実力は伝え聞いている。妙な素振りがあれば迷わず首を落とせと、我が総帥から厳命を受けてきた」

首を落とせなどと、またいきなり物騒なことを言い出すので、岸は度肝を抜かれた。しかも総帥の厳命だと。何のために遣わされたのか…、その答えがこんな形で突然明らかに、
それは使者が危険とわかった時点で殺すため。しかも、その判断すら委ねられている。
しかし、その衝撃的な帆足の発言にまったく動じるでもなく…、彼は美しい碧眼を細めてうなずいた。

「承知だ」
「歓迎するぞ、ガイエル将軍。俺の力の及ぶ限りな」


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