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「テレビの背中みてぇだな?岸者、何だと思う」
「何かの集積回路…、かもしれませんが、何に使うのかまでは…」
「まあ、それはわからねぇだろう。俺もそこまで無茶言わねぇよ」
「…そうだ、力者に尋問をお願いしてありましたね。聞いてみましょう」
「ああん」
岸の提案に、帆足は口元に感じの悪い笑みを浮かべて首を振る。
「どうせ何も聞き出せやしねぇよ」
「でも、一応」
「…そうだな。お前行って、女をここへ連れてこい」
「わかりました」
それはあくまで、小野寺の尋問の結果は眼中にないと言わんばかりの指示だった。それがわかっていて尋問を言いつけたのかと思えば、岸は少し不快な気持ちがしたが…、しかし実際、帆足の言うことは当たっているだろう。
「力者、どうですか、何かわかりましたか」
小野寺の元へ走ると、岸は帆足に言われた通りにはせず、まず小野寺に成果を尋ねた。
「いや…、どうにも口が堅い」
そう言う小野寺は女の喉もとに剣を突きつけてはいたが…、他には特に、手荒な真似をしたような形跡は見られなかった。
その小野寺が間違っているとは岸も思いたくなかったが、相手も訓練を受けた兵士なのだろうから、これでは何も聞き出せないのも道理だ。
「連れて来い、と帆者が言うので。申し訳ありませんが…」
「…何をする気だ」
「わかりませんけど…、尋問でしょう」
小野寺が聞きたいのはそういうことではない、それは岸にもわかっていた。尋問と称して何をする気かと小野寺は言いたいのだ。しかしそれを言われても、岸には答えようがない。
勿論、それは質問をした小野寺にもわかっていることだ。
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