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「俺は勇人さんにもう少し話があるから」
「話って何、時間かかる?俺あの、禁止薬物が出た件の後処理しないといけないんだけど」
「後処理?」
「手続きだよ。使った当人たちが収容されてる病院も含めて2、3箇所、連絡しないと。まあ大怪我だからすぐに姿くらまさないだろうから明日でもいいんだけど…、万全を期すなら早いほうが」
「もしかして、役所へ突き出すのか」
「もしかしなくても突き出すよ。スラィリー猟における禁止薬物の使用により。それに、どうやら、銃弾も条例違反みたいだな。小さい口径でも破壊力の大きいタイプの銃弾でね、軍事用だから一般には流通してないはずだが、どこで手に入れてきたんだか」
「…死人出したうえに、ひとり重体のひとり骨折だろ。もう充分痛い目にあってる、だから見逃してやれよ。自分が凶悪犯のくせして、たかが条例違反、したり顔で通報するなんて、人として間違ってる。いい死に方しないぞ」
「いや、その件に関しては俺自身もどうかとは思ってるよ。でもマーティは曲がったことが嫌いでね。可哀想だから目こぼししたなんてバレたら大目玉だ。
 言っとくけど、大目玉ってのは説教とか折檻とかいうレベルじゃないぞ。さっきも言ったが、俺の命は法に守られていないから、マーティの一存で本当にどうにでもなる、
 あの人に見放されたら、俺は少なくとも、もうここにいられないだろう。なんせ、この首にかかってる賞金が復活するわけだからな」

青木は右手の親指を立て、その指で自分の喉を軽くはじくように指した。その仕草を見て、永川が鼻から溜息をつく。


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