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「間違えてないと思うけど、一応確認してね」

青木に言われて山崎は封筒を開け、慣れない手つきで中身を数える。一万円札が確かに10枚、入っている。

「ちゃんと、あります。あの、どうも、おおきに」
「いや、礼なんていいよ」

山崎はソファから立ち上がり、深々と頭を下げたが、青木は笑いながらそれを制した。

「言うならナーに言いな。その金は元々俺からナーに支払うはずの金だしね」
「いや、俺も別にいいよ。小遣いじゃないんだ、お前が働いて稼いだ金なんだから」

そう言って譲り合う青木と永川の顔を交互に見て、やがて山崎は満面の笑顔を浮かべた。

「なんだよニヤニヤしちゃって。気色悪い」
「せやかて、めちゃうれしいねん」
「いつまでもニヤついてないで、もう日が落ちるから、早く帰れ」
「ナーは帰らんの」

突然の永川の言葉に、てっきり一緒に帰るものだと思っていた山崎、それに青木も怪訝な顔をする。


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