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「まあ、建前としては、キミの言う通りだよ。それに、ちょっと前までは実際そうだったんだろうし、俺もそう思ってた。だから本当にびっくりしたよ、まさか広島自衛隊に目をつけられるなんてね、一体何の用なのかすらわからない。
 でも、俺もこれまで色々潜り抜けてきてるし、警察はすでに手なずけてあったからね。俺を広島警察に引き渡したところで何の手続きも取られないし、おそらく賞金が支払われることもない。
 まして、ただの災害救助隊が俺になにかできるわけがない、そんな自信があったから、今度も大事には至らないと思ってた。
 そしたら、その何人かのうちの、青い目の中年男がね、いきなりズイっと前に出てきてさ」

青木はゆっくりと椅子から立ちあがって、山崎の前へ歩み寄ると、拳銃を構える真似をした。

「知っての通り、おまえは賞金つきの都市間指名手配だ。逃亡先でまた凶悪犯罪に手を染める可能性が極めて高いとして、最低2万ドル保障の第一級で手配されている。
 我々は賞金などに興味はないが、ただし、2万ドルの支払い条件におまえの生死は問われていない。この意味がわかるな。つまり、おまえの命は法に守られていない」

銃を模した指の先が山崎の眉間へ迫る。

「我々に協力するか、いまここで死ぬか」

銃口を向けられるというのは…、それが指と分かりきっていても、なお、居心地のいいものではない。山崎は思わず尻をずらして、後ずさる。


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