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「そんなこと本当に可能なのか。どういう仕組みなんだ…?」
「そこらへんはキミのほうが詳しいんじゃないの。俺にはさっぱりわからんし、多分、本人に聞いてもわからんと思うよ」

青木は肩をすくめて両手のひらを天へ向け、軽くそれを横へ広げた。お手上げのポーズだ。

「やまちゃんどう思う」
「どうって、全身を気でガードしてるって、それだけのこっちゃないの?」
「火傷しないのはそれで説明できるとしてもさ…、頑丈なのにも程があるだろ。全身をくまなく、家を吹き飛ばすような爆発に耐えるようにガードするなんて、多分お師匠さんでも無理だぜ。信じられない。人間離れしてる」
「それは、確かになぁ……、けど、他にやりようないやん?世の中、ビックリ人間て時々いてるもんやで」
「うーん…」

永川はうなずいたとも首を傾げたとも受け取れるような角度で首を動かし、それきり黙った。
もし大沼が生まれついての超人でなく、常人の努力の範囲でそんな気の使いかたができるようになったというのなら、それは永川にとっては聞き捨てならない情報である。
話を聞く限り、大沼の気質自体は自分と似ているはずで、それならば自分にも同じようなことができるのかも知れない、ということになるからだ。
しかし、この件について青木は実際なにも知らないだろう。山崎もこれ以上深く考えるつもりはなさそうだ。
とりあえず今は…、諦めるしかない。


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