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「そう思ってる人多いんだけど、違うんだよね。あれは宣伝塔なのよ」
「その総帥が全権持ってるってこと?それって独裁政権と変わらないんじゃないのか」
「いや、普段は幹部で合議制。最終的な決定権は総帥が持ってるけど、それも出席者の1/3が反対したら却下。
 ただし急な時の指揮権は全部総帥持ちで、総帥以外の幹部はみんな権限一緒だけど、緊急時に総帥が指揮を取れない場合の優先順位だけが厳格に決まってて、小野寺は一番下、俺は何番くらいだったかな、もう忘れちゃったけど。
 まあ、小野寺も幹部には違いないから合議には参加してるし、総帥と仲良しだから相談に乗ったりとかはしてると思うけどね、なんせお人好しだからね、相談役としてはどんだけ役に立つか」
「テロリストつっても、案外ちゃんとできてるもんだな」
「まあね。でもそれは総帥の性格だよね。あいつはなんていうの、平たく言うとチキンでさ、独裁ができるほどの器量はないんだ」
「ええー、なんやその理由!」

思わずソファから尻を浮かしてつっこんだ山崎に対し、青木はサラリとしたもので、笑いながらさらにつけ加える。

「だって本当にそうなんだよ。本人が認めてることだしね」
「…それで半端ないって、具体的にはなんなの。頭がきれるとか」
「いやいやそれは全然。ああまあ全然ってこともないか。いたって普通。十人並み。通信簿でいうと3」


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