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永川からすべての種明かしを聞かされ、はあ…、と山崎は感嘆の溜息をつく。

「誘導に失敗した時はどーなることかと思ーたわ、ほんま…」
「ま、このくらいのアクシデントはね、よくあることだから」

獲物を誘導してトラップにかけるという当初の予定は全く狂ってしまったというのに、永川はそれをまったく気に留めていない様子だ。
さすがは、こんな化物を相手に、日々の生業を営んでいるだけのことはある。
それに、この機転は…、いくらスラィリー殺しの秘術を心得ていたところで、頭の回転と数多の経験がなければ、到底、咄嗟に働くものではない。

「すごいわぁ、ナー、やっぱり広島イチの猟師やんな…」
「いや、まあ。仕事だからね」

尊敬のまなざしで見つめる山崎の言葉をはぐらかすようにまた笑って、永川はパタパタと右手を振った。


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