110

…そこまで考えて山崎は、また何かを思い出してしまいそうになり、無意識に頭を抱えようとして、地についた手を上げかけた、
そのとき。

…スラィリーがすっくと両足で立ち上がり、眼下の山崎を睨みつけると、その頭を蹴り飛ばすべく前へ向かって踏み込んできた!!!

「ぎぃやあああぁぁあああぁああぁあぁぁ!!!!!」

鶏の絞め殺されるような悲鳴が一帯に響きわたり、驚いた野鳥の群れが裏山からばたばたと飛び立つ。
スラィリーの怒りの一撃をどうにか紙一重でかわした山崎は、目にも留まらぬ速さで踵を返し、無我夢中で、ぶどう園を囲む農道を走り出した。
そのすぐ後ろ、1メートルあるかないかくらいの距離で、青すぎる長毛の怪物が100キロの巨体を揺らし、ズシンズシンと地響きを起こしながら追ってくる。
もし倒れこんでこられたらいかに山崎といえど逃げられるかどうかわからない。生きた心地がしないとは、まさにこのことだ。
すでに周知のとおり山崎は身のこなしだけは軽く、跳んだりハネたりすることには長けているが、実のところ、脚はそれほど速くない。そのうえ履物がビーチサンダルときては走って逃げるのには都合が悪い。
えーい邪魔や、こんなもん脱いでまえ、っと…、エイ、
「ひえええええっ!!」
ちょ、あかんあかん!んなことしとる間にシバかれそやったわ!!危なー!!!!


[NEXT]
[TOP]
[BACK]

PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル