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「あんたの評判は聞いてるぞ。竹槍で戦闘機も落とすっていう。戦闘機が落とせるなら有効射程は10キロ以上だろ、
 それだけの威力があれば、警戒線を破るとほぼ同時に内側の結界も破ることができるはずだ。
 新たに結界を張るにはそれなりの準備が必要だから、一度破られればすぐには修復できない、
 おまけにあいつは結界張りとかそういうチマチマした作業はヘタだし、手早くやっても10分以上はかかるはず、その間に全速力で接近して…、」
「ナー、こら、ちょっと待て」
熱を帯びた口調で喋る永川を、横から前田が制した。
「なんでしょうか」
「演説中悪いがの、竹槍で戦闘機を落とすなんちゅう真似は、人間にはどだい無理ではないんか、とワシは思うわけなんじゃが」
「でも、彼が気の力をうまく使えているのなら」
「仮にそんでも無理じゃないんかと思うんじゃが、まあ、本人に訊くんが早かろ。どうなん、そこらへん」
「いやあ、それは」
前田の懐疑的な視線と永川の期待のこもった視線を適当にかわし、森野は答えた。
「無理ですね」


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