いびつな果実・1


いつも朝が来るのが嫌だった。
毎朝鏡を見るとその思いが一層強くなる。
いつ見ても自分の容姿が変わる事はない。
それでも昨日より今日は綺麗になってるかもしれない・・・と、昔は本気でそんな事を思っていた。
その結果が、毎朝鏡を覗くという今では苦痛にもなっている癖…。
ハッキリ言って・・・自分の顔は・・・かわいくないと思う
いや、『思う』じゃなくてそうなのだ。
そして自分の名前も・・・大嫌い。
美麗・・・。
どうして親はこんなふざけた名前を付けたんだろう・・・。
そうして私はますます憂鬱になる。

ベットからもそもそと出て、時計を見ると11時を少し過ぎたところだった。
そろそろ友達が来る頃だと思い、急いで支度する。
と同時に、チャイムが鳴った。
急いで玄関に向かうと、やはり友達がそこには立っている。
「おはよ・・・もしかしてさっき起きたばっかりとか・・・っていうのはナシね」
私が何も言えずに、黙っていると彼女はそのまま話しを続けた。
「で、準備した?」
「うん・・・一応は」
「んじゃ早速手をつけようか・・・私、今月休み後二日しかないから早く仕上げたいんだ」
彼女が言ってるのは同人誌の締め切りの事。
いつもはお互い個人で同人活動をしているのだが、今度のイベントで合同の作品を作りたいからと、
彼女に誘われたのだ。

「あ、そういえば、昨日瑶子に会ったよ」
「そうなの?どこで?」
「私の会社の近く。なんか瑶子の職場もその辺なんだって」
「ふ~ん・・・そうなんだ」
瑶子は私と彼女、佳代と一緒の高校で、同じクラスの友達だった。
恥ずかしい話、私は今現在無職。
友達が会社や職場の話をすると、自分が取り残されてるような感じなるので、それ以上会話は続けない。
私は話題を変える事にした。
「あ、ねぇ・・佳代~」
「ん?どうかした?」
私の言葉に手を休める事なく、声だけで彼女は返事をする。
「この本何かの資料?ゲーム雑誌とか・・・珍しいね」
「あ。それね・・・今度の本にゲーム関係のキャラも入れようかと思ってさ~」
「そうなんだ」
その雑誌に興味があったが、今読むわけにもいかないと思い。
急いで私は作業を始めた。


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