新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ

第88話

「ふうっ、結構面白かったわね、このゲーム。私が鈴原の足を引っ張っちゃったから、結 果は散々だったけどね。」 なんてヒカリは言っているわ。でもねえ、見え見えなのよね。鈴原と一緒に組んだから良 かったんでしょ。他の男と組んだら、もう二度とやらないって言っているはずよ。 「そうですね。私も相田君に助けられてばっかりでしたけど。」 なんて言いながら、相田の方を微笑みながら見ているユキ。少しは相田を見直したのかし ら。そりゃあそうよね。このゲームは相田が確実に活躍出来る、数少ないゲームなんだも の。ユキは相田が活躍するのを見て、相田に対する好感度がかなり上がったはずよ。 一緒に戦うとね、連帯感というものが生まれるらしいのよ。それは恋愛感情とは本来は無 縁なものらしいんだけど、好感度が結構高まるらしいのよね。好感度が高まると、それが 男女の間だったら、割合容易に愛情度が高まることがあるらしいのよ。 そのうえ、一人が失敗してもう一人が活躍したら、失敗した方は活躍した方に対する好感 度が上がるらしいのよね。 だから、このゲームを続ければ続けるほど、ペアを組んだ者同士の好感度は上がるし、二 人の仲が進展する可能性があるのよ。それだったら、もう少し続けたいって思うのが人情 って言うもんよね。 「じゃあ、もう少しやりましょうよ。」 アタシの提案にみんなが頷き、それからしばらくゲームを続けることにしたの。でもね、 アタシは今度はちょっといい考えがあったもんだから、シンジの耳元でこう言ったの。 「シンジ、今度はさっきと違う作戦でいくわよ。」 「えっ、どうするの?」 「それはね…。」 アタシは、シンジに簡単な作戦を説明したわ。 「え、ええっ。い、いいけど。」 「じゃあ、いくわよ。」 アタシはにやりと笑ったわ。 *** 「シンジ、いいわよっ!」 「えいっ!」 ゲームがスタートしたら、シンジはアタシを肩車しながら一気に立ち上がったわ。そした らね、敵の位置が丸見えになったのよ。 「いただきっ!」 アタシは、慌てふためいた4人を一瞬にして葬り去ったわ。4人とも、まさか高い位置か ら狙い撃ちされるとは思っていなかったらしくて、特に反撃を受けずに済んだのよ。 「どう、シンジ。楽勝でしょ。」 「でもさ、次は他のチームも同じ方法で来るんじゃないかな。」 「いいのよ、それでも。」 そう、今回の作戦の目的は、勝つことだけにあるんじゃないのよ。ヒカリもユキもそうな んだけど、日本は暑いから結構薄着なのよ。だから肩車なんてしたら、男は女の子の生足 の太股に触れることになるわけよ。 男どもは大喜びなんでしょうけど、普通だったら女の子は嫌がるわよね。ヒカリはともか く、ユキは断る可能性が高いわ。だから、ある程度ゲームをやって、相田に対する好感度 をアップさせてからこの作戦を実行したのよ。 さて、次のゲームが始まったけど、ユキはどうするかしらね。 「うわあっ。アスカ、やられちゃったよ。」 ゲーム開始早々、シンジがやられたわ。ちっ、シンジは本当に使えないわね。でもね、パ ートナーをやられるのは凄くムカツクのよね。 「おりゃあっ!」 ふん、仇は取ったわよ。あれ?シンジを倒したのは、なんとユキだったわ。それも、高い 位置からね。しめしめ、上手くいったわ。肩車をしている相田は、今頃よだれを垂らして 喜んでいるんじゃないかしら。 なんてことを考えていたのがまずかったみたい。 「やったわっ!」 ヒカリの声が高いところから聞こえたかと思うと、アタシの弱点にヒカリの撃った光線が 命中していたの。ヒカリにやられるなんて、なんたる重大ミス。嫌になっちゃうわね。 *** 「シンジ、次は負けないわよ。」 「うん、いいけど、一体どうするの。」 「今度はね、シンジがアタシを持ち上げて動くのよ。」 「ええっ、そんなの無理だよ。だって、アスカったら…。」 「何よ、何が言いたいわけえ?」 「ううん、なんでもない。」 「だったら、さっさとやるっ!」 「う、うん。」 最初は嫌がっていたシンジだったけど、実際にやってみたらニコニコしだしちゃったのよ。 それはね、アタシの体を固定するために掴んだ場所に関係するのよ。そう、片方の手は胸 の谷間だし、もう片方は股間なのよ。 他の場所も考えたんだけど、安定性が悪くなってしまうし、ちょっと恥ずかしいなと思っ たんだけど、勝つためにはしょうがないのよ。さすがにヒカリやユキはこんな真似は出来 ないでしょうしね。 「ゲームスタート」 「よし、シンジ。頼むわよ。」 「うん、分かったよ。よいしょっと。」 シンジは掛け声をかけてアタシを持ち上げたの。 「よし、なるべく早く動いてね。」 「う、うん。」 シンジは少しずつ動き出したわ。最初は遅かったけど、次第に早くなっていったの。そう ねえ、肩車している時の倍位の速さにはなったかしら。 「ヒカリ、覚悟っ!」 アタシは最初にヒカリを葬ったわ。そして、ヒット・アンド・アウエー、さっさとその場 から立ち去って、反撃を受けないようにしたのよ。 「ユキ、みっけ!」 今度はユキを見つけて、弱点にありったけ光線をぶち込んだわ。当然、直ぐにやっつけた わよ。それから直ぐに逃げ出して、次は鈴原、最後に相田をやっつけたわ。こうして、ア タシの見事な作戦で、アタシ達は勝利したのよ。 *** 「アスカ、今度も同じ作戦でいくの?」 次のゲームの始まりまであと少しっていうところで、シンジが不安そうに言ってきたのよ。 まあったく、シンジったら臆病者ねえ。 「なあに、嫌なの?」 「ううん、全然嫌じゃないよ。でも、ケンスケやトウジなんかも同じ作戦でくるかなあ。」 「そうねえ、五分五分ね。」 なんて言ったけど、可能性は低いって思ったのよ。だって、ヒカリは短パンなんだけど、 潔癖症だし、ユキは無理やりアタシと同じミニスカートにさせているし、同じ作戦で来る 訳が無いって思うのよね。 「ゲームスタート」 なんて考え事をしていたら、ゲームが始まってしまったわ。さあて、またもやヒカリを最 初に片付けようかしら。アタシが周りを見渡すと、なんとユキ達が同じ戦法で来たのよ。 げっ、何て事かしら。相田の手が、ユキの大事なところをしっかりと握っているようだし、 ユキの顔は真っ赤だったわ。 でもね、さすがに軍事マニアの相田だわ。結構真剣な顔をしていたもの。てっきり極上の 笑顔を浮かべて涎でも垂らしているもんだと思っていたけど、それだけは予想外だったわ。 まったく、本当に驚いたわ。ユキったら、いくら勝つためとは言え、恥ずかしくないのか しらね。 でもね、日頃から一緒に特訓している、アタシとシンジのコンビネーションには敵わない はずよ。ユキが勝つためにそこまでするとは意外だったけど、アタシもシロウトには絶対 に負けたくはないいのよね。 「ユキ!覚悟!」 「きゃあっ!」 結局、相田よりもシンジの体力の方が勝っていたことが勝負の分かれ目になったみたい。 シンジの方が動きが良かったから、アタシはユキを葬り去ることに成功したの。 「ひえ~ん。恥ずかしい思いをしたのに、悔しいですうっ。」 あらあら、ユキが半べそをかいちゃったわ。でもね、勝負の世界は厳しいのよ。 結局、ヒカリ達も同じ戦法で来たけど、ヒカリの射撃の腕が未熟だったから、アタシ達が 勝利したのよ。まあ、勝って当たり前だけどね。 つづく(第89話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき  アスカは勝つためにちょっぴり恥ずかしい作戦を取りますが、ユキやヒカリも負けては いません。勝つために、少々の羞恥心は捨て去ってしまったようです。ちょっとエキサイ トし過ぎのようです。 2003.10.13  written by red-x



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