新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ

第51話

「おはよう、ヒカリ、ユキ!」 「おはよう、アスカ!」 「おはようございます、惣流さん。」 待ち合わせは、朝の10時。駅前の交番前にしたの。ヒカリとユキは、もう来ていたのよ。 二人とも、時間はきっちりと守るタイプみたいね。 「おはよう、トウジ。おはよう、ケンスケ。」 「おお、おはようさん。」 「おはよう、シンジ。」 おっと、男どももいたのね。シンジが挨拶を交わしているわ。アタシは、この二人にも挨拶 すると、加持さんとミサトを紹介したの。 「ねえ、みんな。今日はスポンサーを連れてきたわ。こちらが、アタシと同居している保護 者の葛城ミサトさん。」 「初めまして。葛城ミサトです。いつも、アスカがお世話になってます。」 「で、こちらがミサトさんの婚約者の、加持リョウジさん。」 「加持リョウジだ。よろしくな。」 「二人とも、国連の職員なの。それでね、結構給料をもらっているのよ。だから、今日はス ポンサーになってもらおうと思って連れてきたのよ。」 「えっ、アスカ。スポンサーって?」 「そのままの意味よ。ジャーン!これを見てよ。」 アタシは、みんなに金色に輝くカードを見せたの。 「なんや、それは?」 「ミサトさんからせしめた、家族用ゴールドカードよ。これさえあれば、お金については、 一切心配無用よ。」 あら、みんなの目が輝きだしたわ。 「でもね、さすがにいくらでも使っていいっていう訳じゃないの。だから、上限を言うわね。 テニスウエアは10着。ラケットは2本。シューズは5足。その他のものは5点までよ。そ れ以上は自己負担ね。」 「そ、そんなに買ってもらってもいいんですか?」 ヒカリは、不安と期待の入り交じった声で聞いてきたわ。 「ぜ〜んぜん平気よ。まっかせなさ〜い。」 ミサトがウインクしたら、みんなは大喜びしたわ。 *** 「ねえねえ、これなんかどうかしら。」 「これもいいんじゃない。」 「あっ、あれも良いわね。」 アタシとヒカリとユキの3人で、ワイワイ、キャッキャッ言いながら、テニスウエアを選ん でいったの。それで、一通り候補を絞ったら、あとはギャラリーの出番よ。 「ねえ、鈴原君、相田君、ちょっと来て。」 「なんや。」 「どうした?」 「鈴原君は、ヒカリの、相田君はユキのウエアを見て、色々と批評して欲しいのよ。じゃあ、 よろしくね〜。」 アタシは、そう言ってシンジの元へと向かったわ。 「さあて、シンジ。アンタの希望も、少しは聞いてあげるから、感謝しなさいよっ!」 「えっ、そんなこと言われても、どんなのが良いのか分からないよ。」 ムッ。この鈍感。アタシが試着したのを見て、似合うよとか、綺麗だとか、素敵だとか、そ う言ってほしいのに。何で分からないのかしら。本当に、シンジったら鈍感なんだから。 「とにかく、アタシが試着するから見てよね。」 アタシは、それから30着以上着て、シンジに見てもらったの。アタシは、足が綺麗に見え るようなものを中心に選んだから、シンジの顔はどんどん赤くなっていったわ。 上は普通のポロシャツからノースリーブのものまで色々揃えたんだけど、下はスコートやパ ンツなんかで、太股があらわになるものばかりにしたのよ。 「あ、あのっ、スカートが短くないかな。中が見えそうだし。」 「あのねえ、これはスコートって言うのよ。それに、見えても大丈夫なの。」 「で、でも、何て言ったらいいか。」 「アタシの足は、変かしら。見たくないの?」 「ううん、そんなことないよ。アスカの足は細くて、すらりと長くて、とっても綺麗だし。」 なんだ、シンジったら、ちゃんと言えるじゃない。 「ふうん、だったら見たいと思わない?」 「で、でも。見るのは僕だけじゃないし。」 あら、やだ。シンジったら、独占欲が出てきたのかしら。他の男に見られたくないって言う のかしら。 「余計なことは考えないで、アタシに似合うかどうか答えてよ。それに、どんな感じがする のかもね。」 でもね、それからのシンジは、何を着ても似合うよとしか言わないのよ。だから、選ぶのに 時間がかかっちゃったわ。でもね、シンジの顔のを見て選んだの。もちろん、シンジの顔が 赤くなるようなものをね。 「さあて、次はシンジよ。」 アタシは、時間をかけて自分のを選んだけど、シンジのはさっさと選んだの。だって、あま りヒカリ達を待たせちゃ悪いじゃない。 こうして、テニスウエア選びは順調に終わったわ。 *** 「さあて、メシやメシ。」 何よ、うっさいわね。この、えせ関西人が。でもね、テニスウエアを選ぶのに時間がかかっ たせいか、もうお昼になっちゃったのよ。だから、しょうがなくレストランに入ったの。 「ええっ、アスカったら、10着も買ったのっ!」 何よ、ヒカリったら驚いちゃって。 「たった10着よ。そんなに驚かないでよ。本当は、もっと買いたかったんだから。」 良く聞いたら、結局ヒカリは少し遠慮して5着、ユキはさらに遠慮して3着しか買わなかっ たらしいのよ。鈴原は7着、相田は5着も買ったのに。 でも、ヒカリは結構嬉しそうな顔をしていたわ。だって、鈴原に選ぶのを手伝ってもらった んだもの。鈴原もヒカリに選んでもらって、ちょっと良い気分みたい。相田もユキに選んで もらって嬉しそうだし、ユキも新しいウエアを買えて、嬉しそうだわ。 あれっ、何となくユキと相田が仲良くなっているじゃない。これは、原因を究明しないとね。 「ユキ、相田君と仲が良さそうじゃない。何かあったの?」 「え、ええ。実は、昨日相田君に送ってもらう途中で、変な人達に絡まれたんです。そうし たら、相田君が追い払ってくれたんです。相田君、あの時は本当にありがとうございました。 おかげで助かりました。」 「そんなあ、お礼なんて。当たり前のことをしただけじゃないか。」 「でも、すごく怖かったんです。相田君がいなかったら、どんなことになっていたか。」 けっ!二人の世界に入っちゃって。勝手にやってなさいよ。 それでね、種明かしをすると、ユキが絡まれたのは、アタシの指図なのよ。悪巧みが終わっ ていないって言ったのを覚えているかしら。ユキが絡まれて、それを相田が追い払えば、ユ キも相田のことを見直すと思ったんだけど、まんまとうまくいったようね。 でも、ユキ達が二人の世界に入っちゃったから、アタシは、ムシャクシャして、シンジと話 すことにしたわ。 シンジったら、アタシの足はどうだったとか、太股はどんな感じだったとか聞くと、顔が赤 くなっちゃって、すっごく面白かったわ。シンジったら純情なのね。 良し、決定!家に帰ったら、もう一回テニスウエアの試着をして、シンジに見てもらおうっ と。シンジの反応を見るのが楽しみだわ。 アタシは、ちょっと良い気分になったわ。 つづく(第52話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2002.12.12  written by red-x



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